月末になって、ふと思うわけです。
「そういえば来月、何を売り出そうか」
カレンダーを見て、「あ、来月は母の日か」と気づく。でも、もう準備が間に合わない。結局、去年と同じような「ちょっと安くします」のチラシを慌てて作って配る。反応は、まあまあ。それでまた月末になって、「来月、何を売り出そうか」と考え始める。
この繰り返し、身に覚えがないですか。
はっきり言います。多くの社長が、販促を「その月になってから」考えています。母の日も、お盆も、年末も、毎年必ず来るのに、毎回その場で慌てている。そして焦って出す販促は、たいてい「値引き」に逃げます。理由もなく安くするから、利益は削れるのに、お客さんの記憶には残らない。
これ、あなたが怠けているからじゃないです。「販促は思いついたときに考えるもの」だと思い込んでいるだけなんですよ。
だからこそ、この記事を作りました。業種と客層をAIに話すだけで、1年分の販促を”先に仕込んでおく”やり方を、パソコンが苦手な人でもできるように、世界一かんたんにまとめます。読み終わるころには、来月どころか、来年の12月まで「いつ・何を・どう売り出すか」が1枚の表になっています。
「今月、何を売ろう」で毎月消耗する会社の正体
まず、なぜ毎月あの消耗が起きるのか。ここをはっきりさせておきます。
原因は、あなたのセンスや根性じゃないです。販促を「フロー」で回しているからです。
フローというのは、流れて消えていくもの。思いついたときにチラシを1枚作る、気が向いたときにSNSを1本投げる。その場では動いた気になるんですが、来月にはゼロからやり直し。積み上がらないんですよ。
私はいつもこう言っています。SNSの毎日投稿のようなフロー労働より、WordPressのようなストック資産を持ちなさい、と。販促もまったく同じです。その場しのぎの販促(フロー)をやめて、1年分の計画(ストック)を先に持つ。 これだけで、毎月の「何を売ろう」が消えます。
行き当たりばったりの販促には、静かに会社を弱らせる3つの副作用があります。
- 季節イベントの取りこぼし。母の日、父の日、お盆、敬老の日、年末年始、決算期。毎年決まって需要が動くのに、気づいたときには準備が間に合わず、みすみす売り時を逃す
- 理由なき安売り。ネタを考える時間がないから、いちばんラクな「値引き」に逃げる。安くすれば反応はしますが、値切る客ばかりが集まり、利益は残らない
- 発信のネタ切れ。SNSもチラシもLINEも、毎回「今日は何を書こう」でフリーズする。だから更新が止まり、お客さんから忘れられていく
どれも「毎月ゼロから考えている」ことが原因です。逆に言えば、考えるのを1年に一度、まとめてやってしまえばいい。 それだけで全部消えます。
「思いつきで売る」から「仕込んでおく」へ
ここで、販促カレンダーとは何かをはっきりさせます。
販促カレンダーというのは、1月から12月まで、「いつ・誰に・何を・どう売り出すか」を先に決めて1枚の表にしたものです。難しく考えなくていいです。要は「1年分の販促の台本」を先に書いておく、ということです。
台本があると、何が変わるか。
その月になったら、台本を見て、そのとおりに動くだけ。「今月、何を売ろう」で悩む時間がゼロになります。しかも、母の日の1ヶ月前から準備を始められるので、慌てて値引きに逃げる必要がなくなる。理由のある販促が、余裕を持って打てるようになるんです。
「でも、1年分なんて、考えるだけで日が暮れる」
そう思いますよね。そのとおりです。人間が手ぶらで1年分の販促を考えたら、間違いなく丸一日かかります。そして途中で力尽きて、結局7月あたりで止まる。
ここでAIの出番です。季節イベントも記念日も、業種ごとの売り時も、AIはすでに全部知っています。 あなたがやるのは、自社のことを話して、AIに叩き台を出させて、それを選ぶだけ。ゼロから考えるのではなく、AIが出した1年分を、あなたが「これはうちに合う」「これは要らない」と選別していく。この形なら、60分もあれば1年分が埋まります。
では、具体的な手順にいきます。全部で4ステップです。
【手順1】AIに”自社の材料”を渡す
いきなり「販促カレンダーを作って」と頼んではいけません。ここ、いちばん大事です。
なぜなら、材料を渡さずに頼むと、AIは「どこかで見たような一般論」しか返さないからです。「季節に合わせたキャンペーンを実施しましょう」みたいな、当たり前すぎて使えない答えが出てくる。そこで多くの人が「やっぱりAIは使えない」と止まってしまうんですよ。
これ、AIが悪いんじゃないです。AIに、あなたの会社の情報を渡していないからです。AIは、あなたの業種も、お客さんも、忙しい時期も知りません。だから、まず材料を渡す。渡すべき材料は、たった4つです。
- 業種と商品:何屋で、何を売っているか(例:地域の工務店、水回りリフォームが主力)
- 客層:誰が買っているか(例:築15年以上の戸建てに住む40〜60代の夫婦)
- 繁忙期と閑散期:1年のうち、いつ忙しくていつ暇か(例:夏と年末が忙しい、2月と8月が暇)
- 売りたいけど売れていないもの:本当は伸ばしたい商品・サービス(例:単価の高い外壁塗装)
この4つを、キーボードで打つ必要はないです。スマホの音声入力で、話すように吹き込めばいい。「うちは福岡で工務店をやっていて、主力は水回りのリフォームで…」と喋って、そのままAIに投げる。それだけで材料はそろいます。職人さんでも、社長でも、キーボードを叩けないことは何の言い訳にもならないんですよ。話せば、それで十分です。
材料を渡したうえで、こう頼みます。「この会社の1年間の販促カレンダーの叩き台を作ってください。各月に、狙う季節イベントと、売り出す商品と、キャッチコピーの方向性を入れてください」。これで叩き台が出てきます。
参考までに、そのまま使えるプロンプトの形を置いておきます。カギカッコの中を自分の会社の情報に差し替えるだけです。
「あなたは中小企業の販促プランナーです。次の会社の1年間の販促カレンダーの叩き台を作ってください。会社の情報は、業種=『◯◯』、主力商品=『◯◯』、お客さん=『◯◯』、忙しい時期=『◯◯』、暇な時期=『◯◯』、本当は伸ばしたい商品=『◯◯』です。1月から12月まで、各月に『狙う季節イベント』『売り出す商品』『販促の切り口』の3つを、表の形で出してください」
たったこれだけです。難しいプロンプトの技術も、専門用語も要りません。要は「自分の会社の材料を、具体的に渡す」。それさえ守れば、AIはあなたの会社のための答えを返してくれます。
【手順2】12ヶ月分のイベントと売り時をAIに洗い出させる
叩き台が出たら、次は「抜け」をなくします。
人間の記憶だけだと、母の日やクリスマスのような大きなイベントは覚えていても、細かい売り時をごっそり忘れます。「新生活シーズン」「梅雨対策」「ボーナス時期」「敬老の日」「決算セール」。こういうのは、業種によっては大きな売り時なのに、毎年スルーされがちです。
特に見落とされやすいのが、「イベント当日」ではなく「その手前」の需要です。母の日そのものより、母の日の3週間前から「何を贈ろう」と探し始める人がいる。年末の大掃除より、11月から「年内に片付けたい」と動き出す人がいる。売り時は、イベント当日ではなく、お客さんが動き出す少し手前にあるんですよ。この”手前”を押さえられるかどうかで、同じイベントでも売上がまるで変わります。AIに洗い出させるときは、「各イベントの、お客さんが動き出す時期も一緒に教えてください」と付け足すと、この手前まで拾えます。
だからAIに、こう追加で頼みます。「日本の年間行事・記念日・季節の需要を、私の業種に関係するものだけ、1月から12月まで漏れなく挙げてください」。
AIは、あなたが忘れているものまで全部出してきます。ここで出てきた候補を、あなたが「これはうちに関係ある」「これは関係ない」と選別する。この選別だけは、あなたにしかできません。叩き台はAI、最終判断は人間。 これが鉄則です。
たとえば、こんな年間の骨格ができます。
| 月 | 季節の売り時 | 販促の切り口の例 |
|---|---|---|
| 1月 | 新年・寒さ本番 | 「今年こそ」需要/寒さ・結露の相談 |
| 2〜3月 | 新生活・年度末 | 引っ越し・模様替え・決算前の駆け込み |
| 4〜5月 | 新緑・母の日 | 新生活の仕上げ/母の日ギフト・感謝 |
| 6月 | 梅雨 | 雨・湿気・カビ対策/室内で完結する提案 |
| 7〜8月 | 夏・お盆・ボーナス | 暑さ対策/帰省前の駆け込み/ボーナス商戦 |
| 9月 | 敬老の日・防災 | シニア向け/備えの需要 |
| 10〜11月 | 秋・年末準備 | 「年内に」需要の掘り起こし |
| 12月 | 年末・クリスマス | 1年の締め/来年の予約先取り |
これはあくまで骨格です。ここに手順1で渡した自社の材料が乗っかると、「うちの会社の」販促カレンダーに化けます。
【手順3】各月の販促を「告知テーマ」に落とす
カレンダーの骨格ができても、それだけでは動けません。「6月は梅雨対策」と決めても、「じゃあ実際にSNSに何を書くの?チラシに何を刷るの?」が抜けていたら、結局また月末に慌てるからです。
そこで、各月の販促を「告知テーマ」まで落とします。告知テーマというのは、「その月に、どの媒体で、どんな内容を発信するか」の具体的な中身です。
これもAIにやらせます。「6月の梅雨対策の販促について、ブログ1本・SNS4本・LINE配信1通の、それぞれのタイトルと書き出しを作ってください」。こう頼めば、1ヶ月分の発信ネタが一気に出てきます。
ここで思い出してほしいことがあります。以前お伝えした「1つのネタを7つに分身させる」考え方です。1ヶ月に1つ、主役の販促テーマを決めれば、そこからSNSもチラシもLINEもブログも、全部AIに派生させられる。 毎回ゼロから考えるのではなく、月に一度、主役を決めるだけでいい。これで発信のネタ切れが根本から消えます。
つまり、あなたの1年はこうなります。年に一度、60分で1年分の骨格を作る。月に一度、その月の主役テーマから発信ネタを一気に派生させる。あとは、出てきたものをその日に投げるだけ。「今日は何を書こう」が、1年間、二度と発生しないんですよ。
イメージしやすいように、1ヶ月の回し方を書いておきます。月初に、その月の主役テーマをカレンダーから確認する。そのテーマをAIに渡して、ブログ1本・SNS4本・LINE1通の叩き台を一気に出させる。出てきた文章を、あなたが「うちの言い方」に少し直す。あとは、SNSは週1本ずつ、LINEは月の中頃、ブログは月初に、それぞれ予約投稿しておく。この作業、慣れれば月に30分もかかりません。毎日「今日は何を書こう」と15分ずつ悩んでいた時間が、月30分に圧縮されるわけです。1ヶ月で7時間以上、浮く計算になります。
▼あなたの業種に合わせた「販促の主役テーマの決め方」と、そこから発信を派生させるAIの使い方は、無料の特典で全部お渡ししています。まずはこちらから受け取ってください。
【手順4】”安売りに逃げない”販促のつくり方
ここまでで、1年分のカレンダーと、各月の発信ネタがそろいました。でも、いちばん大事なところが残っています。その販促、値引きに逃げていませんか。
行き当たりばったりの販促がダメな最大の理由は、時間がないから「とりあえず安くする」に逃げることです。理由もなく安くすると、どうなるか。値段でしか選ばない客が集まります。安いから来ただけの人は、もっと安い店が出たら、あっさりそっちに行く。あなたは業者として価格で比較されて終わり。これでは、いくら販促をしても利益が残らないんですよ。
先生として選ばれる会社は、販促に「安さ」ではなく「理由」を乗せます。同じ「6月のキャンペーン」でも、言い方でまるで別物になります。
- 業者の販促:「6月は10%オフ!」→ なぜ今なのか分からない。ただ安いだけ
- 先生の販促:「梅雨に入る前の今だからこそ、湿気とカビの対策を。6月中のご相談に限り、点検を無料でお付けします」→ 今やるべき理由がある
違い、分かりますよね。後者は値段を下げていません。「今やる理由」と「限定」を足しただけです。それだけで、お客さんは「なるほど、今だな」と動く。
この「理由づけ」も、AIが得意とするところです。「このキャンペーンを、値引きではなく”今やる理由”で伝える文章にしてください。3つの型で出してください」と頼めば、叩き台が出てきます。
「今やる理由」には、たとえばこんな型があります。ひとつは季節の理由。「梅雨に入る前の今だからこそ」「寒くなる前に」のように、季節そのものを理由にする。ふたつめは期限の理由。「6月末まで」「先着10名様まで」と、いつまで・何名までを区切る。みっつめはお客さんの得の理由。「今なら点検が無料」「今のうちなら来年の値上げ前の価格で」と、今動くと何が得かを示す。この3つを組み合わせるだけで、同じ販促がまるで違って見えます。
さらに、松竹梅の3プランで見せれば、お客さんは他社と比べるのではなく、あなたの会社の中でどのプランにするかを考え始めます。「一番安いのでいいです」と言わせないための、いつもの型ですね。販促の役割は、安く見せることじゃないです。「今、あなたに頼む理由」を思い出させることです。 ここを外さなければ、値引きしなくても人は動きます。
業種別に見る、販促カレンダーの作り方
抽象的な話が続いたので、業種ごとに具体例を出します。あなたの会社に近いものを見てください。
工務店・リフォーム会社の場合
売り時は、季節の困りごとと連動します。梅雨前の「雨漏り・湿気」、夏前の「暑さ・エアコン」、年末前の「年内に工事を終わらせたい」。この3つは毎年必ず需要が動きます。閑散期の2月・8月には、単価の高い外壁塗装のように「じっくり検討してもらう商品」の情報発信を先に仕込んでおく。繁忙期に慌てないための”種まき”の月と割り切るわけです。
美容室・整体院・クリニックの場合
こちらは「イベント前の身だしなみ需要」が主役です。年末年始、卒業・入学、成人式、夏の露出が増える時期。加えて、リピート業種なので「前回から2ヶ月経ったお客さん」への声かけを、LINEで自動的に流す仕込みが効きます。販促カレンダーに「誰に・いつ・何を送るか」を入れておけば、AIが毎月の配信文を量産してくれます。
士業・コンサル・BtoBの場合
季節イベントより「制度と締め切り」がカレンダーの軸になります。確定申告、年度末の決算、補助金の公募時期、年末調整。お客さんが「そろそろやらなきゃ」と焦る少し手前に、役立つ情報を発信して先回りする。売り込みではなく「先生」として情報を先に渡すことで、いざというときに真っ先に相談される存在になります。
飲食店・物販・地域の小売の場合
いちばん季節イベントの数が多い業種です。母の日、父の日、お中元、ハロウィン、クリスマス、お歳暮。ここは取りこぼしがそのまま売上の損失になるので、販促カレンダーの効果がいちばん大きい。「気づいたらイベントが終わっていた」を、AIの洗い出しで完全になくせます。
どの業種にも共通するのは、「毎年必ず来るもの」を先に押さえるという一点です。毎年来ると分かっているものを、毎年その場で慌てて考える。この一番もったいないことを、今日でやめましょう。
つまずきやすいところと、任せ方の線引き
最後に、実際にやってみると引っかかるポイントを、先に潰しておきます。
「AIが出す販促案が、どこにでもありそうで薄い」。これは、ほぼ手順1の材料不足が原因です。業種名だけ渡して「販促考えて」だと、一般論しか返りません。客層と、繁忙期と、売りたい商品まで渡す。渡す材料が具体的になるほど、返ってくる答えも具体的になります。薄いと感じたら、AIを責める前に、渡した材料を疑ってください。
「季節イベントに、うちの商品を無理やりこじつけている感じがする」。これは正しい違和感です。関係ないイベントに乗る必要はないです。工務店がバレンタインに乗っても仕方ない。AIは何にでもこじつけてきますから、「これはうちには関係ない」とバッサリ切る。選別するのがあなたの仕事です。全部やろうとしないでください。
「どこまでAIに任せて、どこから自分で決めるのか」。線引きはシンプルです。イベントの洗い出し、発信ネタの叩き台、文章の下書き。この”手を動かす作業”はAIに全部任せていい。一方で、「うちのお客さんに本当に響くか」「この価格で出すか」「この理由づけで納得してもらえるか」という”判断”は、あなたがやる。叩き台はAI、最終判断は人間。この線を守るかぎり、AIに振り回されることはありません。
「作ったカレンダー、来年も使えるの?」。使えます。というより、ここが一番おいしいところです。一度作った販促カレンダーは、翌年、日付を少しずらして、去年の反応が良かったものを残し、悪かったものを差し替えるだけ。ゼロから作り直す必要はないんですよ。1年分の販促計画は、一度作れば毎年使い回せる”資産”になる。 脳に汗をかいて一度仕組みを作ってしまえば、あとは寝かせておいても回り始めます。
まとめ:来月ではなく、来年の12月まで先に決めておく
長くなったので、要点だけ、もう一度。
毎月「今月、何を売ろう」で消耗するのは、あなたのセンスの問題じゃないです。販促を”その月になってから”考える、フローのやり方が原因です。だから、思いつきで売るのをやめて、1年分を先に仕込んでおく。やることは4つでした。
- 手順1:業種・客層・繁忙期・売りたい商品の4つを、話すだけでAIに渡す
- 手順2:1年分の季節イベントと売り時を、AIに漏れなく洗い出させて選別する
- 手順3:各月の主役テーマを決め、そこから発信ネタを一気に派生させる
- 手順4:安売りに逃げず、「今やる理由」と限定で、先生として売る
これを、年に一度、60分。あとは月に一度、その月の主役から発信を派生させるだけ。「今月、何を売ろう」で悩む時間は、二度と発生しません。
とはいえ、いきなり全部を一人でやろうとすると、たいてい手順1の「材料の渡し方」でつまずきます。ここさえ押さえれば、あとは一気に進みます。
その”AIに自社の情報を渡して、あなたの会社専用の答えを引き出す”やり方を、無料の特典にまとめました。話すだけで文章を作る音声入力の使い方、コピペで使えるプロンプト、AIをあなた専属の書き手に育てる方法まで、パソコンが苦手でもステップ順に進められるように作っています。
販促を思いつきで売る会社のままでいるか、1年分を先に仕込んで淡々と回す会社になるか。やるかやらないか、それだけの話です。
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