夕方、電話が鳴ります。
「お見積もりお願いしたいんですけど、予算があんまりなくて」
「あと、来週までにできますか」
頭のなかで「これは合わないな」と思っています。思っているんですが、口から出るのは「はい、なんとかします」です。
断ったら、次はもう声がかからないかもしれない。今月まだ数字が足りない。あの会社の紹介だから無下にできない。理由はいくらでも出てきます。
そして夜、事務所で今月の受注表を見ます。件数は、先月より多いです。現場も予定も埋まっています。なのに、通帳の残高は先月とたいして変わっていない。
これ、仕事が足りないんじゃないです。利益の出ない仕事で、予定が全部埋まっているだけです。
値段が安すぎるわけでも、営業が下手なわけでもない。受ける仕事を「来た順」で決めているから、こうなります。
今日お伝えするのは、根性で断る話じゃないです。「どれを受けて、どれを受けないか」の線引きを紙1枚にして、断り方の文面を先に3通だけ作っておくという話です。
材料はスマホに10行しゃべるだけ。全部で20分あれば終わります。
なぜ、忙しいのに手元にお金が残らないのか|受ける仕事を”来た順”で決めているからです
まず、犯人をはっきりさせます。
犯人は「安い仕事」そのものではありません。安くても回る仕事はあります。犯人は、その場の空気で受けるかどうかを決めていることです。
断れないのは、性格じゃなくて基準がないからです
「自分は気が弱いから断れない」と言う社長さんは多いです。でも、話を聞いていくと気の強さの問題じゃないです。
その場で判断しようとするから、断れないんです。
電話口で、相手が待っている状態で、「これは受けるべきか」をゼロから考える。そんな数秒で判断できるわけがない。だから、いちばん角が立たない答えを選びます。それが「はい、なんとかします」です。
基準が先にあれば、判断していません。照らし合わせているだけです。ここが決定的に違います。
安い仕事ほど、手間は同じか、むしろ増えます
数字で見ると、はっきりします。
| 項目 | 単価の高い仕事 | 単価の安い仕事 |
|---|---|---|
| 1件あたりの売上 | 80万円 | 8万円 |
| 打ち合わせ回数 | 2回 | 2〜3回 |
| 見積もり・書類作成 | 1時間 | 1時間 |
| 現地・訪問の移動 | 往復1時間 | 往復1時間 |
| 問い合わせ・確認の連絡 | 数回 | 数回〜それ以上 |
| 1件にかかる社長の時間 | 合計6時間 | 合計5時間 |
見てほしいのは、いちばん下の行です。売上は10倍違うのに、かかる時間はほとんど変わっていないです。
しかも、安い仕事のほうが確認の連絡が多いことすらあります。金額が小さいほど失敗したくない気持ちが強く出るので、当然といえば当然です。
つまり、安い仕事をたくさん受けるというのは、同じ時間を使って10分の1の売上を作るという選択です。がんばっているのに残らない理由は、だいたいここです。
「今は暇だから受ける」が、いちばん危ないです
もうひとつ、よくある落とし穴があります。
手が空いているときに、合わない仕事を「まあ暇だし」で受けてしまう。その2週間後に、本当に欲しかった規模の話が来る。でももう手が埋まっていて、こっちは断ることになる。
暇なときに埋めた予定が、忙しくなったときの機会損失に変わるわけです。
これは運が悪かったんじゃないです。空いている枠をいちばん安い仕事で先に埋めた結果です。
断るのは”お客さん”じゃなく、”条件”です
ここで、言葉の整理をさせてください。ここを勘違いすると、いつまでも断れないです。
断るのは、人ではないです。条件です。
- 金額が合わない
- 納期が合わない
- 範囲が合わない
- うちの専門ではない
このどれかであって、「あなたとは仕事をしません」ではないです。だから、条件が変われば受けられます。むしろ「この条件なら受けられます」と言えることのほうが、相手にとっては情報として価値があります。
神谷が昔から言っているのは、これです。
業者になるな、先生になれ。
業者は、言われた通りの見積もりを出します。だから価格でしか比べられません。
先生は、Noが言えます。「それはやめたほうがいいです」「うちならこの範囲でやります」と言える。だから相見積もりが効かなくなります。
Noが言えない人は、先生には見えないです。
もうひとつ、根っこにある考え方も書いておきます。集客は説得ではなく、選別です。全員に売ろうとするから苦しくなる。興味のない人、条件が合わない人に頭を下げる必要はないです。
わたし自身、学生時代の飛び込み営業で「いらない」と言っている人に頭を下げ続けて、心底しんどかったです。あのとき決めました。二度と自分から売り込みはしない、と。断る基準を持つというのは、その延長線上にある話です。
【手順1】AIに渡す材料は、たった10行です
では、作っていきます。
最初にやるのは、AIに自社の情報を渡すことです。ここを飛ばすと、返ってくるのは「利益率を意識しましょう」みたいな、どこの会社でも通る一般論になります。
AIが使えないんじゃないです。自分の情報を渡していないから、一般論しか返ってこないだけです。これはAI活用の全部に共通する話なので、覚えておいてください。
渡すのは、この10行です。
| # | 話す内容 | 例 |
|---|---|---|
| ① | 業種と主力の商品・サービス | 福岡でリフォーム。水回りと内装がメイン |
| ② | 1件あたりの平均単価と、だいたいの粗利率 | 平均60万円、粗利3割くらい |
| ③ | 1件に自分が使う時間 | 打ち合わせから引き渡しまで、合計6時間くらい |
| ④ | 今年「やらなきゃよかった」仕事を2つと、その理由 | 20万円の小工事。移動が片道1時間で、追加要望が5回来た |
| ⑤ | 逆に「またやりたい」仕事を2つと、その理由 | 築25年の戸建てまるごと。1回の打ち合わせで決まった |
| ⑥ | 対応できるエリア | 事務所から車で40分以内 |
| ⑦ | 受けられる最短の納期 | 着工まで最低3週間 |
| ⑧ | 値引きの上限 | 5%まで。それ以上は範囲を削る |
| ⑨ | 絶対にやらないこと | 他社が途中でやめた工事の引き継ぎ |
| ⑩ | 今の受注状況 | 今は7割埋まっている |
とくに効くのは④の「やらなきゃよかった仕事」です。
線引きの材料は、理想論の中にはないです。実際に痛い目を見た2件の中にあります。「なんでこれ嫌だったんだっけ」を言葉にすると、そこがそのまま基準になります。
⑨の「絶対にやらないこと」も、遠慮せず書いてください。ここを空欄にする人が多いんですが、空欄のままだと、いつまでもその仕事が来ます。
材料は、キーボードで打たなくていいです
10行と聞いて「書くのが面倒だな」と思った方。書かなくていいです。スマホのメモアプリのマイクを押して、しゃべってください。
現場からの帰り道、車の中で十分です。実際、こんな感じで大丈夫です。
えーと、福岡でリフォームやってます。水回りと内装がメイン。1件だいたい60万円くらいで、粗利は3割くらいかな。自分が使う時間は打ち合わせから引き渡しまでで6時間くらい。今年やらなきゃよかったのは、あの20万円の小工事。片道1時間かかるうえに、あとから追加の要望が5回来て、結局赤字。あとは去年やった他社の引き継ぎ、あれももうやらない。逆にまたやりたいのは築25年の戸建てまるごとのやつ。1回の打ち合わせで決まって、追加も出なかった。エリアは車で40分以内。着工まで最低3週間はほしい。値引きは5%まで。今は7割埋まってる。
言い間違えても、途中で「あ、違うわ」と言い直しても大丈夫です。AIが整えます。
パソコンが苦手なのは、仕事ができないという意味じゃないです。苦手なのはキーボードであって、仕事の中身じゃない。中身はもう頭の中にあります。それを口から出すだけです。1分半で終わります。
【手順2】AIに「受ける仕事の線引き1枚」を作らせる
材料ができたら、そのままAIに貼り付けて、こう頼みます。
あなたは小規模事業の経営コンサルタントです。以下の情報をもとに、「受ける仕事の線引き1枚」を作ってください。
【条件】
1. 判断を ◎(すぐ受ける)/△(条件を足せば受ける)/×(受けない)の3段階に分けること
2. それぞれに「なぜそう判断するのか」の理由を1行だけ添えること
3. △には「何を足せば◎になるか」を必ず具体的に書くこと(例:着工を2週間後ろにできるなら受ける)
4. 事実として確認が必要な数字には【要確認】と書き、勝手に断定しないこと
5. 電話口で読める長さにすること。全体で600字以内
【材料】
(ここに、しゃべった10行を貼り付ける)
条件を5つ付けているのには、それぞれ理由があります。
◎△×の3段階にするのは、○×だけだと現実に合わないからです。実際の仕事の大半は「条件次第」です。
理由を1行つけさせるのは、あとで人に説明するためです。理由のない基準は、社内で守られません。
△に「何を足せば◎か」を書かせるのが、この1枚の心臓部です。ここがあるから、断るときに代案が出せます。
【要確認】を書かせるのは、AIが数字を作文するからです。
600字以内にするのは、長い基準は結局読まれないからです。
実際に出てくる「線引き1枚」は、こんな形です
福岡のリフォーム会社の例で、実際に出てくる形をそのまま載せます。
【すぐ受ける ◎】
・事務所から車40分以内・工事金額50万円以上・着工まで3週間以上ある案件
理由:移動と段取りのコストが売上に対して小さく、粗利が残るため
・築20年以上の戸建てで、水回りと内装をまとめて相談されている案件
理由:1回の打ち合わせで決まりやすく、追加変更が出にくいため
【条件を足せば受ける △】
・金額50万円未満の小工事
→ 同じエリアの別案件と同じ週にまとめられるなら◎。単独なら×
・着工まで2週間を切っている案件
→ 仕様をこちらの標準仕様から選んでもらえるなら◎
・車40分〜1時間のエリア
→ 工事金額が100万円以上なら◎
【受けない ×】
・他社が途中でやめた工事の引き継ぎ
理由:前工程の責任範囲が確定できず、後から必ずもめるため
・値引き前提で相見積もりを取っていることが明言されている案件
理由:価格でしか比べられておらず、受注しても粗利が残らないため
・現地を見せてもらえない案件
理由:見積もりの前提が作れず、追加工事の説明ができないため
※粗利率3割・移動40分の基準は【要確認】です。直近3件の実績で検算してください。
これを見て「うちはもっとゆるくていい」と思ったら、ゆるくしてください。あなたの1枚は、あなたの数字から作られていればそれでいいです。他社の基準を借りても機能しないです。
いちばん使うのは、◎でも×でもなく「△」です
ここは強調しておきます。
実務で毎日使うのは、△の欄です。
「この内容だと、この納期では厳しいです」で終わると、ただの拒否です。
「この内容なら、着工を2週間後ろにいただければお受けできます」と言えると、これは交渉になります。
同じ「今のままでは受けられない」でも、相手の受け取り方はまるで違います。前者は業者の返事、後者は先生の返事です。
なお、AIが出してくる金額・日数・%は、必ず自分の電卓で検算してください。たたき台はAI、最終判断は人間です。ここだけは省略しないでください。
【手順3】断り方は、3通だけ用意しておけばいい
線引きができたら、次は文面です。
断るのがしんどいのは、毎回ゼロから文章を考えているからです。しかも、断るときというのは気が重いので、いちばん頭が回らないタイミングで文章を書くことになります。
だから、先に3通だけ作って保存しておきます。
| 型 | 使う場面 | 伝えること |
|---|---|---|
| ①今は受けられない | 手が埋まっている・納期が合わない | 受けたい気持ち+いつなら空くか |
| ②その内容では受けられない | 金額・範囲が合わない | 範囲を下げた案(梅)を1つ添える |
| ③うちの仕事ではない | 専門外・エリア外 | できる会社を1社紹介する |
文面の型は、どれも4行です。
1. お礼(声をかけてもらったことへの感謝)
2. 結論を先に(受けられない、と最初に言う)
3. 理由は短く、1つだけ
4. 次の一歩(代案・時期・紹介のどれか)
実物を3通、そのまま置いておきます。
①今は受けられない
ご相談いただき、ありがとうございます。
大変申し訳ないのですが、ご希望の◯月中の着工は、現在の工事予定の関係でお受けできません。
いま先約の現場が入っており、どうしても品質が落ちるためです。
◯月中旬以降であれば十分にお時間を取れますので、その時期でもよろしければ、あらためてお見積もりをお出しします。
②その内容では受けられない
お問い合わせいただき、ありがとうございます。
ご提示の予算では、当初ご相談いただいた内容一式でのお引き受けは難しいです。
値引きで対応すると、下地の処理など見えない部分を削ることになり、数年後に必ず問題が出るためです。
かわりに、ご予算内で収まる形として「◯◯だけを先に、◯◯は次回」という進め方をご提案します。こちらであれば、いまのご予算でお受けできます。
③うちの仕事ではない
ご連絡いただき、ありがとうございます。
今回のご相談は、当社の専門から外れるためお受けできません。
当社は水回りと内装が中心で、外構工事は自社では施工していません。
同じ福岡市内で外構を得意にしている◯◯さんをご紹介できます。ご希望でしたら、こちらからお繋ぎします。
3通とも、あいまいな引き延ばしがないのが分かるでしょうか。受けられないことを、2行目で言い切っています。
これがいちばん大事です。「一度社内で検討しまして…」と引き延ばして、1週間後に断る。これが相手にとっていちばん困ります。相手はその1週間、他をあたれなかったわけですから。
断るなら、早いほうが親切です。目安は24時間以内でいいです。
もちろん、この3通も自分でゼロから書く必要はありません。線引き1枚をAIに渡して「この基準で断るときのメール文面を、①今は無理②内容が合わない③専門外、の3パターンで作ってください。1通4行、お礼→結論→理由1つ→次の一歩の順で」と頼めば出てきます。出てきた文章から、自分が普段使わない言い回しを削れば完成です。
▼断り文もメールも、AIに”あなたの言葉”で書かせる手順は、無料の7大特典(②話すだけ音声入力/③AIをあなた専属のゴーストライターにする)で全部お渡ししています。こちらから受け取ってください。
断るかわりに、「できる範囲」を1枚で見せてください
②の型で出てきた「範囲を下げた案」。これを口で説明すると、たいてい伝わりません。
電話で「じゃあ、まず水回りだけ先にやって、内装は次回ということで…」と言っても、相手の頭の中に絵は浮かばないです。翌日には忘れています。
だから、1枚にして渡します。
ここで思い出してほしいのが、松竹梅の考え方です。相手の予算に合わせるとき、下げるのは金額じゃなく、範囲です。
- 松:プロとしてこうしたい、という推奨案
- 竹:相談された内容そのままの標準案
- 梅:予算に合わせて範囲を削った案
同じ内容のまま金額だけ下げると、その会社は「言えば下がる会社」として記憶されます。次からは必ず値切られます。範囲を下げれば、値段は下がっても基準は下がらないです。
そして、松竹梅の3案を並べた瞬間に、相手が比べる相手が変わります。他社の見積もりではなく、自社の3案のうちどれにするかになる。これが相見積もりの無効化です。
その1枚に載せるのは、5つだけです
| 載せる要素 | 中身 | 注意 |
|---|---|---|
| ①何ができるか | 3行まで | やることを箇条書きで |
| ②いくらか | 1つだけ | 幅を持たせない |
| ③いつまでか | 着手日と完了日 | 「なるべく早く」は書かない |
| ④含まないもの | 3行まで | ここを書くと後でもめない |
| ⑤次の一歩 | 1行 | 「◯日までにお返事ください」まで書く |
いちばん抜けるのが④の「含まないもの」です。ここを書いておくと、あとで「それも入ってると思ってた」がなくなります。断るのが苦手な人ほど、この欄を先に埋めておいてください。紙の上で先に断っておくということです。
スライドにするなら、「構成だけ先に」作らせてください
この1枚をスライドで作る場合。AIに「スライド作って」といきなり頼むと、きれいだけどスカスカのものが出てきます。順番が逆だからです。
3手順でいきます。
1. 構成だけ出させる:「この内容を3枚に分けるなら、各枚のタイトルと結論を1行ずつ」と頼む
2. 中身を埋める:各枚に、上の5要素のどれを載せるか決めて書かせる
3. 最後に見た目:ここで初めてCanvaなどで整える
中身が先、見た目は後です。きれいさは後から足せますが、刺さらなさは後から足せないです。
作るときのルールは3つだけ覚えてください。1枚1メッセージ(1枚に言いたいことを2つ入れない)、色は3色まで、見出しは13文字以内。これだけで、素人が作ったようには見えなくなります。
断ると、なぜ紹介が増えるのか
「断ったら仕事が減る」と思っている方に、逆の話をします。
きちんと断ると、紹介が増えます。理由は3つあります。
ひとつ目。できないことを「できます」と言わない人は、信用されます。 全部できると言う会社は、実は何が得意なのか分からない。「うちは水回りと内装です。外構はやりません」と言い切る会社のほうが、専門家に見えます。
ふたつ目。紹介先を持っている会社は、頼りにされます。 ③の型で他社を紹介すると、相手にとってあなたは「困ったときに聞ける人」になります。断ったのに、関係はむしろ濃くなります。だから、自分がやらない仕事の紹介先を、業種ごとに2〜3社は持っておいてください。これは資産です。
みっつ目。紹介した相手からも、紹介が返ってきます。 これは実際にそうなります。仕事を回してくれる人には、仕事を回したくなる。当たり前の話です。
断るというのは、関係を切ることじゃないです。関係の中身を、受注から信頼に置き換えるということです。
業種別|まず線を引くべき”1つ”は、ここが違います
10項目すべてを一度に決めなくていいです。効くところが業種で違うので、まずここから引いてください。
| 業種 | まず引くべき線 | よくある失血ポイント |
|---|---|---|
| 工務店・リフォーム・内装 | 対応エリア(移動時間) | 片道1時間の小工事で、1日が半分消える |
| 整体・美容・クリニック | 予約枠のルール | 当日のねじ込みで、定価のお客さんが入れなくなる |
| 士業・保険・コンサル | 無料相談の範囲と回数 | 「ちょっと聞くだけ」が積もって、時間を無料で配っている |
| 飲食・物販・小売 | 特注・小ロットの受付条件 | 1個だけの特注対応で、通常営業が止まる |
| Web制作・撮影・デザイン | 修正回数と素材の支給条件 | 修正無制限で、時給が最低賃金を下回る |
共通しているのは、お金を取っていないのに時間だけ持っていかれている場所です。そこに最初の線を引いてください。
ちなみに、絞ると仕事が減るのでは、と心配されることがありますが、逆です。首都圏で軽天・GL工事といった専門工事に特化したサイトを作った会社は、それまでネットからの反響が年間12件しかなかったところから、毎月何かしら案件が入る状態になりました。
「なんでもやります」は、誰にも刺さらないです。
「聞かれる前に断る」のが、いちばん角が立ちません
ここまでは、来た仕事をどう断るかの話でした。最後に、もっと効く方法をお伝えします。
そもそも合わない問い合わせが来ないようにする。
やることは簡単で、線引き1枚の内容を、ホームページに書いておくだけです。
- 対応エリア(「福岡市および車で40分圏内」と具体的に)
- 料金の目安と、その考え方
- 対応していない工事・サービス
- 着工までにいただく期間
これを書いておくと、条件が合わない人は問い合わせてきません。冷たいようですが、お互いの時間が守られます。 相手だって、断られるために電話したいわけじゃないです。
電話で毎回断ると、1件5分かかります。月に10件あれば50分です。ページに書いておけば0分になります。しかも、あなたが寝ている間も、その説明は続いています。
これが、ホームページは名刺ではなく24時間働く営業マンだという意味です。SNSの投稿は3日で流れますが、ホームページに書いた1ページは残り続けます。フローとストックの違いです。
基準を、社長の頭の中に置かないでください
もうひとつ。せっかく作った線引き1枚を、自分の頭の中だけに置かないでください。
紙に印刷して、電話のそばに貼ってください。事務スタッフが電話を取っても、同じ答えが返せるようにする。それだけで、社長が現場から戻るまで返事が止まる、ということがなくなります。
営業マンを雇わずに年商4.8億円まで来られたのは、営業がうまい人を集めたからじゃないです。判断を人に依存させず、仕組みに置いたからです。Web知識ゼロの在宅パートの主婦の方が、マニュアル通りにサイトを作って集客できたのも同じ理屈です。センスの話じゃないです。
やる気より、仕組みを信じてください。
断るときに、やってはいけない3つ
最後に、注意点を3つだけ。
①理由を盛らないでください。
「今、大きな案件が3件重なっていまして」と実際より大きく言う。これはやめてください。地域の仕事は、だいたいどこかで繋がっています。盛った理由はバレます。理由は1つ、事実だけでいいです。事実が「今は手が空いていません」なら、それで十分です。
②あいまいに引き延ばさないでください。
断るのが気まずくて、「検討します」のまま放置する。これが相手にとっていちばん困ります。断られるより、待たされるほうが嫌われます。24時間以内に返す、これだけ決めておいてください。
③金額だけ下げて受けないでください。
「今回だけ特別に」で受けた金額は、その相手にとっての定価として記憶されます。次も同じ金額を求められます。しかも、その話は他にも伝わります。下げるなら金額ではなく、範囲です。
この3つは、どれも「その場をしのぐ判断」から生まれます。だから、線引き1枚を先に作っておくんです。その場で考えないための紙です。
まとめ|今日やるのは、”やらなきゃよかった仕事”を2つ思い出すことです
長くなったので、まとめます。
- 忙しいのに残らないのは、受ける仕事を「来た順」で決めているから
- 安い仕事は、単価が10分の1でも、かかる時間はほとんど同じ
- 暇なときに埋めた枠が、忙しいときの機会損失になる
- 断るのはお客さんではなく、条件(金額・納期・範囲・専門)
- 業者は言われた通り受ける。先生はNoが言える。だから相見積もりが効かない
- 材料はスマホに10行しゃべるだけ。とくに効くのは「やらなきゃよかった仕事2つ」
- AIには◎△×の3段階で作らせる。実務で毎日使うのは△の欄
- 断り文は3通だけ先に作る。お礼→結論→理由1つ→次の一歩の4行
- 断るかわりに「できる範囲」を1枚で渡す。下げるのは金額ではなく範囲
- スライドは「構成だけ先に」。中身が先、見た目は後
- 線引きをホームページに書くと、そもそも合わない問い合わせが来なくなる
- 基準は社長の頭ではなく、紙に置く。誰が電話に出ても同じ答えになる
- 数字はAIに任せきりにしない。たたき台はAI、最終判断は人間
今日やることは、たったひとつです。
車に戻ったら、スマホのメモを開いて、「今年やらなきゃよかった仕事」を2つしゃべってください。それと、その理由。1分で終わります。
その2つが、あなたの線引きの原材料です。明日からは、電話口で悩まなくてよくなります。照らし合わせるだけになります。
そして全部のカギは、同じところにあります。AIが使えないんじゃなくて、AIに自分の情報を渡していないだけです。渡した瞬間に、答えは一般論から「あなたの会社の答え」に変わります。
▼AIに自分の情報を渡して、断り文も提案書も”あなたの言葉”で書かせる方法は、無料の7大特典(①AI超入門/②話すだけ音声入力/③AIをあなた専属のゴーストライターにする/④コピペで使えるAIプロンプト15選)にまとめてあります。下のリンクから受け取ってください。