1時間で“名刺交換の列ができる講師スライド”の作り方


商工会の勉強会で、2人の社長が15分ずつ話しました。

A社長は、3日かけて作った28枚のスライド。

内容は濃く、拍手もいちばん大きかった。終わったあと、名刺交換に来た人は0人でした。

B社長のスライドは12枚。話が終わった瞬間、11人が名刺を持って前に並びました。

B社長は、いちばん大事な話を最後まで言いませんでした。

会場の全員が「続きが聞きたい」と感じたタイミングで話が終わったのです。

A社長は、知っていることを全部話しました。B社長は、わざと話さなかった。違いは1つだけです。話のうまさでも、デザインでも、肩書きでもありません。

拍手だけで終わる講演スライドと、名刺交換の列ができる講師スライド。差が生まれるのは、あなたが「丁寧に作った」と思っている部分です。

商工会、異業種交流会、業界の勉強会、取引先の社内研修。「社長、15分でいいので何か話してもらえませんか」と頼まれる日は、いつか来ます。

休日をつぶしてスライドを作る。拍手をもらう。何も起きずに帰る。人前で話す機会がある会社なら、どこでも起きている話です。

今日は、拍手だけで終わる講演スライドを、1時間で“名刺交換の列ができる講師スライド”にする話です。話し方の練習も、デザインの勉強も要りません。変えるのは、作る順番だけです。

なぜ3日かけて作った講演スライドほど拍手だけで終わってしまうのか?

講演が決まった日の、あなたの頭の中を思い出してみてください。

金曜の夜9時。事務所のパソコンの前です。

来週の水曜、商工会の会議室で、30人の前で15分話します。テーマは「うちの業界の、知っておいて損しない話」。担当の方には「気楽にお願いします」と言われています。

でも、気楽にはなれません。30人の前で恥はかけない。あなたはつぶやきます。

「せっかくの機会だから、知っていることは全部伝えたい」

1枚目に会社のロゴ。2枚目に会社概要。3枚目に沿革。4枚目に施工実績。気づけば会社紹介だけで7枚です。

本題に入っても、スライドは増えていきます。あれも言っておきたい。誤解もされたくない。土曜も日曜も使って、28枚になりました。家族には「また仕事?」と言われます。手を抜いたと思われるよりはいい。あなたは最後の1枚に「ご清聴ありがとうございました」と打ち込んで、日曜の夜に保存します。

当日、15分で28枚を話し切ります。1枚あたり30秒ちょっと。早口でも、全部言えました。

拍手が起きます。司会の方が「大変勉強になるお話でした」とまとめてくれます。懇親会では、何人かに「いいお話でした」と言われます。

翌週、事務所の電話は鳴りません。配った名刺にも、メールは1通も来ません。28枚のスライドは「講演」フォルダに入ったまま。次に開くのは、また頼まれたときです。

帰りの車で、あなたは思います。

「まあ、うちの業界の話なんて、興味ある人は少ないよな」

違います。聞き手は、話に興味がなかったわけではありません。全部聞いてしまったので、もう聞くことがなくなったのです。拍手だけで終わる講演スライドの正体です。

話す内容を増やすほど消えてしまう1つの要素

人が名刺を持って前に出てくるとき、頭の中にある疑問は1つだけです。

「さっきの話、うちの場合はどうなんだろう」

名刺交換の列を作るのは、「うちの場合は?」という疑問です。

ところが、話す内容を増やすほど、疑問は消えていきます。あらゆるケースの説明を、あなたが先回りして28枚に詰め込むからです。

丁寧な人ほど、質問される前に答えてしまいます。「こういう場合は」「ただし例外も」。聞き手は「よく分かった」と満足します。拍手をして、帰ります。満足した人は、列に並びません。

スライドを増やすほど、聞き手の「次に聞きたいこと」が消える。3日かけたスライドほど拍手だけで終わる理由です。

B社長がいちばん大事な話を最後まで言わなかった理由とは?

では、11人に並ばれたB社長は、何をしていたのか。

B社長は、会場の人が持っている悩みを3つ出しました。3つとも「なぜ起きるのか」まで、はっきり話しています。悩みと原因は、全部タダで見せました。聞き手は「そうそう、困ってるんだよ」と前のめりになります。

最後の1枚で、B社長は言いました。

「自分の家はどれに当てはまるのか。家ごとに答えが変わるので、ここでは言い切れません。確かめ方を1枚にまとめてきました。欲しい方は、終わったあとに声をかけてください」

言わなかったのは、ずるいからではありません。一人ひとり答えが違うことを、15分で全員に言い切るのは不可能だと知っていたからです。

全員に言えることは、全部言う。一人ひとり違うことは、「続き」として残す。

11人は、売り込まれて並んだのではありません。自分の場合の答えを聞くために、自分から並んだのです。

スライドを増やすたびに聞き流され度UP

同じ作り方を続けた場合の損を、控えめに計算します。

頼まれて話す機会が、年に4回あるとします。商工会、業界団体、取引先の勉強会、地元の異業種交流会。スライド作りに1回3日かかれば、年に12日。時間にして約100時間です。ほとんどが休日です。

失うのは時間だけではありません。

1回の講演で、30人の見込み客の前に立っています。年4回で120人。広告費を1円も払わずに、15分黙って話を聞いてくれる120人です。

1回につき1件だけ相談が生まれたとします。1件の粗利が30万円なら、年に4件、粗利120万円。拍手だけで終わるたびに、静かに消えている金額です。

しかも講演から来るお客さんは、最初からあなたを「先生」として見ています。相見積もりにも、値引き交渉にもなりにくい。いちばん質のいいお客さんを、毎回取り逃がしています。

もっと怖いのは、次に呼ばれなくなることです。

主催者は「いい話だったけど、反応は特になかった」と覚えています。反応のない講師に、2回目の声はかかりません。

逆に、人が並んだ講師の名前は、主催者がよその会でも口にします。「あの社長の話は反応がいいよ」。ひと言で、別の団体から声がかかります。講演の依頼は、講演の反応から生まれます。拍手だけで終わるたびに、次の入口も1つずつ閉じています。

なぜ「いいお話でした」と言った人は相談に来ないのか?

「いいお話でした」と言ってくれた人は、うそをついていません。本当にいい話だと思っています。

でも、「いいお話でした」は、話が完結した人の言葉です。映画を最後まで見た人が「いい映画だった」と言うのと同じ。続きを求めていません。

相談に来る人は、別の言葉を口にします。「さっきの話、うちの場合はどうなんですか」。

ひと言が出るかどうかを決めるのは、人柄ではありません。スライドの作り方です。「いいお話でした」を10人から言われるより、「うちの場合は?」を1人から聞かれるほうが、会社にとってずっと価値があります。

よくある間違い:最後に会社の宣伝スライドを足す

反応のなさに気づいた社長が、次にやることは決まっています。最後に宣伝スライドを足す。「ご相談はお気軽に」「初回無料診断実施中」。机にチラシを置く。

逆効果です。

15分間「勉強になる話」を聞いていたつもりの人が、最後の1枚で気づきます。「なんだ、結局売り込みか」。前の14分まで、宣伝の前ふりに見えてしまう。先生の話が、業者の営業トークに変わる瞬間です。

宣伝を足すほど、列はむしろ短くなります。人は、売り込まれるために並びません。

机に置いたチラシも同じです。持ち帰られても、読まれるのは帰りの電車の数分だけ。多くは家に着く前に、かばんの底で折れ曲がります。チラシが悪いのではありません。聞き手の頭に「うちの場合は?」が残っていないので、読む理由がないのです。

話し方の本を買う、鏡の前で練習する、という社長も多いです。練習すれば、早口は直ります。でも、28枚を全部言い切るスライドのままなら、上手に全部言い切るだけ。聞き手に「次に聞くこと」が残らないのは同じです。練習に使った週末が、また1つ消えます。

これ、あなたの話し方が悪いわけじゃないです

「自分は話がうまくないから」と思った方もいるかもしれません。

これ、あなたの話し方が悪いわけじゃないです。話し上手な社長でも、全部を言い切るスライドなら拍手で終わります。口下手な社長でも、続きを残すスライドなら人は並びます。

AIに「15分の講演スライドを作って」と頼んでも、解決しません。むしろ悪化します。

AIは、頼まれたテーマを抜けもれなく、きれいにまとめるのが得意です。全部を言い切る28枚を、3日ではなく3分で作ってくれます。作る時間は減ります。でも、拍手だけで終わる講演スライドが早くできあがるだけです。

AIが悪いのではありません。頼む順番が、人が作るときと同じ「話したいこと」から始まっているのです。

問題は、作る順番です。多くの人は「話したいこと」から作ります。だから全部入れたくなる。列ができるスライドは逆です。「終わったあと、何を聞かれたいか」から作ります。

「わざと半分だけ答える1枚」のおかげで講演のあとに名刺交換の列ができた理由

答えを言います。

講演スライドは”教科書”ではなく”予告編”にする。

全員に言えることは、全部言い切る。一人ひとり答えが違うことだけを、最後の1枚で半分だけ答える。続きは、名刺交換で個別に渡す。名刺交換の列ができる講師スライドの正体です。

映画の予告編は、いちばんおもしろい場面を見せます。でも、結末は見せません。見せないから、人は映画館に行きます。

講演も同じです。悩みと原因は全部見せる。解決の方向も見せる。「あなたの場合の答え」だけは、会場では言い切らない。

出し惜しみしろ、という話ではありません。むしろ逆です。全員に言えることは、今まで以上にはっきり言い切ります。

15分で人が覚えて帰れるのは、せいぜい3つ。28枚分の情報を浴びせるより、3つに絞って言い切るほうが「分かっている人だ」と伝わります。一人ひとり違う部分だけを残す。枚数は半分以下になり、中身は濃くなります。

なぜ全部答えないほうが相談が増えるのか?

人は、終わった話より、途中で止まった話を強く覚えています。心理学でいう「ツァイガルニク効果」です。連続ドラマが、いちばんいい場面で「次回に続く」になるのも同じ理由です。

全部を言い切った話は、会場を出た瞬間に「いい話だった」の箱にしまわれます。「うちの場合は?」が残った話は、帰りの車でも頭から離れません。だから、会場で並ぶ。並べなかった人も、1週間後に電話をかけてきます。

もう1つ、大事な理由があります。講演は、社長が”先生”として見てもらえる、ほとんど唯一の場です。

私はずっと「業者になるな、先生になれ」と言い続けています。業者は、頼まれたものを安く作る人。先生は、お客さんに選び方を教える人です。

講演の15分間、あなたは会場の全員から先生として見られています。宣伝をすれば、自分から業者に戻ってしまう。最後まで教える姿勢のまま「あなたの場合は、個別に見ないと言えません」と言えば、売り込みではなくなります。先生として当たり前の誠実さです。

私自身、20歳からパソコンスクールの講師として、パソコンが苦手な方の前で話してきました。身にしみたのは、全部教えた回より「ここから先は、一人ずつ画面を見ながらやりましょう」と区切った回のほうが、終わったあとに人が残るということです。

会社の経営でも、同じことをしてきました。年商4.8億円、年間1000件の案件を、営業マンを1人も置かずに回してきました。仕組みの中心は、売り込みではなく「教えること」です。お客さんが迷うポイントを、ホームページで先に教える。建築内装の会社では、ホームページを作り直して、年12件ほどだった問い合わせが毎月来るようになりました。講演は、「教える」を30人の目の前で15分でやれる場です。

普通にやると3日、”最後に聞かれる質問”から作ると1時間

作り方の流れです。

  • 【手順1】聞き手を1人に決めて、3行だけ話す(10分)
  • 【手順2】スライドより先に、”終わったあとに聞かれる質問”をAIに出させる(10分)
  • 【手順3】決まった順番で、12枚の骨組みをAIに組ませる(15分)
  • 【手順4】1枚ごとに、話す台本をつける(15分)
  • 【手順5】最後の1枚と、持ち帰り1枚を作る(10分)

ポイントは手順2です。

普通は、スライドを作り終えてから「質問が来たらどうしよう」と考えます。順番を逆にして、スライドを1枚も作る前に、終わったあとに聞かれる質問を先に出してしまう。

質問を「講演で答えるもの」と「半分だけ答えて残すもの」に分ける。分けた時点で、話すことと残すことが、ほぼ決まります。

中身が先に決まるので、あとはAIに組ませて、あなたは直すだけ。普通にやると、何を入れるか迷って3日。順番を変えれば、1時間で終わります。

1時間後、あなたの講演スライドは“名刺交換の列ができる講師スライド”になります

作る順番を変えると、何が変わるのか。並べてみます。

項目今まで1時間後から
スライド作りの時間休日を使って3日平日の夜に1時間
スライドの枚数28枚(会社紹介だけで7枚)12枚(自己紹介は1枚30秒)
話すペース1枚30秒の早口で全部言い切る1枚75秒、会場の反応を見ながら
最後の1枚「ご清聴ありがとうございました」か宣伝「あなたの場合は?」の続きを渡す1枚
終わったあと拍手と「いいお話でした」「さっきの続き、うちの場合は?」と聞かれる
次の講演呼ばれるかどうか分からない同じスライドを少し直して使い回せる

いちばん変わるのは、終わったあとに言われる言葉です。「いいお話でした」が、「さっきの話、うちの場合はどうなんですか」に変わります。

あなたの口ぐせも変わります。

「講演って、準備が大変なわりに何もないんだよな」

が、

「次に呼ばれたら、前のスライドを少し直せばいいか」

になります。

講演から来る相談は、最初から「先生に聞きたい」で始まります。相見積もりで値段を比べられることも、値引きを頼まれることも、見積もりのあとに追いかけて電話をかけることも、ぐっと減ります。広告費をかけずに、いちばん話の早いお客さんが、自分から前に並んでくれる。拍手だけで終わる講演スライドが、名刺交換の列ができる講師スライドに変わる。変わるのは、会場の外で起きることです。

次の講演の日を想像してみてください。

12枚目を話し終えて「欲しい方は、終わったあとに声をかけてください」と言います。司会の方がお礼を言っている間に、最前列の人が名刺入れを取り出します。後ろに、2人、3人と続きます。

あなたは「続きの1枚」を1人ずつ手渡して、「どれがいちばん気になりました?」と聞くだけ。売り込む言葉は、1つも要りません。

翌週には、名刺交換をした人から連絡が入ります。「もらった1枚で確かめたら、2つ目に当てはまりました。一度見てもらえますか」。最初の電話の時点で、相手はもう自分の悩みを整理しています。説明から始める必要はありません。値段の話より先に、「いつ見に来てもらえますか」という話になります。

講演の3日後に、主催者から連絡が来ることもあります。「別の支部でも、同じ話をしてもらえませんか」。12枚のスライドは、少し直すだけで使い回せます。2回目の準備は、30分もかかりません。

もちろん、何人並ぶかは、会場の人数や業種で変わります。本記事が約束できるのは、「全部言い切って、並ぶ理由を自分で消してしまう」失敗を、1時間でなくすことです。

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この先で手に入るもの

無料部分で、3つをお伝えしました。

  • なぜ拍手だけで終わるのか:全部言い切るから、聞き手に「うちの場合は?」が残らない
  • 何をすれば列ができるのか:講演を”予告編”にして、最後の1枚で半分だけ答える
  • どういう順番で作るのか:聞き手を決める→聞かれる質問を先に出す→12枚を組む→台本をつける→最後の1枚と持ち帰り1枚

有料部分には、今夜1時間で実行するための道具だけを置きます。読む文章ではありません。貼る・埋める・照らし合わせる道具です。

  • 1時間後の完成見本1表(12枚のタイトルと話す時間。架空のリフォーム会社が商工会で話す例)
  • 講演の設計シート1枚(8つの欄を埋めるだけで、話す中身が決まる穴埋めシート。記入例つき)
  • そのまま貼る指示文5本(①タイトルと「持ち帰る1つ」を決める ②【裏技】聞かれる質問を先に10個出す ③12枚の骨組み ④1枚75秒の台本 ⑤持ち帰り1枚。◯の差し替え箇所つき)
  • 裏技1つ:普通はスライドを作ってから質問を考えて、中身が決まるまで3日迷います。質問を先に出して3つの箱に分けるだけで、10分で「話すこと」と「残すこと」が決まります
  • 質問の仕分け見本1表(出てきた10個を「講演で答える/半分だけ答える/個別でしか答えない」に分けた見本)
  • 15分の時間配分表1つ、最後の1枚で言っていいこと・言ってはいけないことの表1つ
  • 名刺交換のときに、そのまま言えるひと言3つ
  • 確認4か所とやってはいけない4つ

講演のスライドを外注すれば、1本数万円かかることも珍しくありません。休日3日が1時間に縮むだけで、980円は十分に元が取れる計算です。講演のあとに1件でも相談が生まれれば、なおさらです。

向いている人:商工会・業界団体・交流会・取引先の勉強会などで、年に1回以上「何か話してほしい」と頼まれる方。自分で小さな勉強会を開きたい方。ChatGPTかClaudeなど、AIに文章を貼って指示を出したことが一度でもある方。

向いていない人:人前で話す予定が当面まったくない方。講演の会場で商品を売りたい方(売り込まずに相談を生むための道具です)。何人並ぶかの保証が欲しい方(会場の人数や業種で変わります。並ぶ理由を自分で消してしまう失敗をなくす道具です)。

1時間後、あなたの講演スライドはこうなります

ここから先は道具です。上から順に、貼る・埋める・照らし合わせる。1時間で終わります。先に、できあがりを見てください。

完成見本:15分・12枚の講演スライド(架空のリフォーム会社が商工会で話す例)

枚目スライドのタイトル話す時間
1お風呂のリフォームで「やらなきゃよかった」と言う人の共通点60秒
2話す人:◯◯リフォーム ◯◯(写真1枚と1行だけ)30秒
3今日持ち帰っていただくのは「見積もりの前に確かめる3つ」です45秒
4悩み①:思っていたより寒い、狭い75秒
5悩み②:工事のあとに追加の費用が出た75秒
6なぜそうなるのか:床下と壁の中を見ないまま決めている90秒
7確かめること①:床下の状態75秒
8確かめること②:お湯の出る場所と配管の古さ75秒
9確かめること③:入口の段差と手すりの位置75秒
10実際にあった話:確かめなかった家と、確かめた家(写真2枚)90秒
11今夜、ご自宅でできること:3つのうち1つだけ見てみてください60秒
12「うちはどれに当てはまる?」の確かめ方を1枚にまとめました60秒

合計13分30秒。質問や笑いの余白を入れて、15分に収まります。※すべて架空の会社の例です。

あなたの中身で作ります。タイマーを1時間にセットして、手順1から始めてください。

【手順1】聞き手を1人に決めて、3行だけ話してください(10分)

入力:主催者から聞いている会場・人数・持ち時間と、あなたの頭の中

出力:講演の設計シート1枚と、タイトル案5つ

手作業なら:何を話すか決めるまで、ここで1日迷います

講演の設計シート

スマホの音声入力で話しながら埋めても構いません。1欄1〜2行で十分です。

欄書くこと記入例(架空のリフォーム会社)
① 会場どこの、何の集まりか◯◯市商工会の月例勉強会
② 聞き手1人会場で一番多そうな人を1人だけ60代の自営業の方。築30年の家に住んでいて、お風呂が寒いと思っている
③ 人数と時間人数/持ち時間30人/15分
④ 聞き手の悩み3つ②の人が普段口にしていそうなこと寒い・狭い/追加費用が怖い/どこに頼めばいいか分からない
⑤ 持ち帰る1つ会場を出るとき、手に残ってほしいこと1つ見積もりの前に確かめる3つ
⑥ 言い切れない続き一人ひとり答えが違うこと自分の家は3つのうちどれに当てはまるか
⑦ 続きの渡し方名刺交換で何を渡すか「確かめ方の1枚」とQRコード
⑧ 言わないこと今回は話さないと決めること会社の沿革、料金表、他社との比較

埋めたら、次の指示文にシートごと貼ってください。

あなたは、地域の勉強会で話す講師のサポート役です。

これから貼る「講演の設計シート」をもとに、次の2つを出してください。

1. 講演のタイトル案を5つ。30字以内。会社名や商品名を入れず、②の聞き手が「自分のことだ」と思う言葉で書く

2. ⑤「持ち帰る1つ」を、1行で言い切った文を3案

ルール:

・シートに書いていない実績・数字・資格を足さない

・根拠のない強い言葉(言い切りの保証や「日本一」など)を使わない

・宣伝に聞こえる言い回し(「今ならお得」「お気軽にご相談ください」等)を使わない

【講演の設計シート】

◯◯(ここに貼る)

確認①:タイトル案に、会社名・商品名が入っていないこと。入っている案は使いません。1つ選んで、次に進みます。

【手順2・裏技】スライドより先に、”終わったあとに聞かれる質問”を10個出させてください(10分)

普通は、スライドを全部作り終えてから「質問が来たらどうしよう」と考えます。作っている間じゅう、何を入れて何を削るかで迷います。だから3日かかります。

スライドを1枚も作る前に、AIに「講演が終わったあと、名刺交換で聞かれそうな質問」を10個出させる。10個を3つの箱に分けます。10分で「講演で話すこと」と「わざと残すこと」が決まります。

これから貼るのは、ある講演の設計シートとタイトルです。

この講演が終わったあと、②の聞き手が名刺を持って講師の前に来たとき、口にしそうな質問を10個書いてください。

ルール:

1. 「うちの場合は」「自分の家だと」など、聞き手自身の状況が入った質問を半分以上にする

2. 1つ40字以内。話し言葉で書く(例:「うちは築35年なんですけど、床下って見てもらえるんですか」)

3. 各質問のあとに( )で、次のどれに当たるかを書く

A:会場の全員に同じ答えが言える

B:考え方までは全員に言えるが、最後の答えは人によって違う

C:家や会社を実際に見ないと答えられない

4. シートに書いていない専門知識や数字で、答えを書かない。質問だけを書く

【タイトル】◯◯

【講演の設計シート】◯◯(手順1のシートを貼る)

出てきた10個を、次の見本のように振り分けてください。

質問の仕分け見本(架空のリフォーム会社)

出てきた質問箱講演での扱い
お風呂のリフォームって、何日くらいかかるんですかA講演の中で言い切る(7〜9枚目のどこかで)
追加の費用って、どういうときに出るんですかA講演の中で言い切る(5〜6枚目)
うちは築35年なんですけど、床下は大丈夫ですかねB考え方だけ話し、「どれに当てはまるか」は12枚目で残す
手すりって、あとから付けても意味ありますかB同上
見に来てもらったら、断りにくくなりませんかB12枚目で「見るだけで終わってもいい」と一言だけ言う
うちのお風呂の写真を見てもらえますかC講演では触れない。名刺交換で受ける

A は講演で全部答える/B は考え方まで話して最後の答えだけ残す(=わざと半分だけ答える)/C は名刺交換で受ける。

確認②:B の箱に、2つ以上の質問が入っていること。B が0個なら、テーマが一般的すぎます。「うちの場合は?」が生まれません。手順1の②の聞き手を、もっと具体的な1人に直して、出し直してください。

【手順3】12枚の骨組みを、この順番で組ませてください(15分)

入力:手順1のシートとタイトル、手順2の仕分け結果

出力:12枚分のタイトルと、各スライドに載せる3行

手作業なら:半日〜1日

これから、講演の設計シートと、終わったあとに聞かれる質問の仕分け(A/B/C)を渡します。

15分の講演スライドを、次の12枚の順番どおりに組んでください。枚数と順番は変えないでください。

1枚目:②の聞き手の悩みを、問いかけの形で1行

2枚目:話す人の自己紹介。名前と、聞き手に関係する経験1行だけ

3枚目:今日持ち帰っていただくもの(⑤)

4〜5枚目:悩みを1つずつ(④から2つ)

6枚目:なぜそうなるのか(原因を1つに絞る)

7〜9枚目:解決の考え方を3つ。A の質問への答えをここに入れる

10枚目:実際にあった話(ある場合のみ。なければ「よくある例」と書く)

11枚目:今夜、聞き手が自分でできること1つ

12枚目:B の質問を1つ取り上げ、考え方までを示し、「どれに当てはまるかは一人ずつ違う」と書いて、続きの受け取り方(⑦)を1行で添える

各スライドは、タイトル1行+本文3行以内。1行は30字以内。

ルール:

・会社の沿革・料金・他社との比較は入れない(⑧)

・シートにない数字・実績・事例をつくらない。事例が足りないところは【事例を入れる】と書いて空けておく

・C の質問への答えは書かない

【講演の設計シート】◯◯

【質問の仕分け】◯◯(手順2の結果を貼る)

骨組みができたら、PowerPoint・Googleスライド・Canvaなど、いつものやり方でスライドにしてください。

確認③:【事例を入れる】欄を、自分の本当の話で埋めたこと。「それ、どこの話ですか」と聞かれて答えられない事例は、1つも残さないでください。

【手順4】1枚75秒の”話す台本”をつけてください(15分)

入力:手順3の12枚

出力:各スライドで話す台本(話し言葉)

手作業なら:2〜3時間、しかも当日は台本どおりに話せない

次の12枚のスライドに、それぞれ話す台本をつけてください。

ルール:

1. 1枚あたり、声に出して60〜90秒で読める量にする(1分あたり300字が目安)

2. 書き言葉ではなく、話し言葉で書く。「〜なんです」「〜ですよね」を使ってよい

3. 1枚に1回は、会場への問いかけを入れる(例:「この中で、冬のお風呂が寒いと感じている方、どのくらいいらっしゃいますか」)

4. 12枚目は、「ここから先は、一人ずつ答えが違います」と言ってから、続きの受け取り方を1回だけ伝えて終える。「お気軽にご相談ください」は使わない

5. スライドに書いていないことを、台本で足さない

【12枚のスライド】

◯◯(手順3の出力を貼る)

台本は覚えなくて大丈夫です。各スライドの最初の1文と問いかけの1文だけ覚えてください。

15分の時間配分表

区間枚目時間この区間でやること
つかみ1〜32分15秒悩みで始めて、持ち帰るものを先に言う
悩みと原因4〜64分会場に手を挙げてもらい、「自分のことだ」にする
解決の考え方7〜93分45秒A の答えは全部ここで言い切る
実例と今夜やること10〜112分30秒1つだけ、今夜できることを渡す
続きの入口121分B を半分だけ答えて、続きを渡す
予備―1分30秒質問や笑いで押したときの余白

確認④:台本を声に出して、ストップウォッチで1回だけ通しで計ること。14分を超えたら、7〜9枚目のどれか1枚の台本を半分に削ります。12枚目は削りません。

【手順5】最後の1枚と、持ち帰り1枚を作ってください(10分)

名刺交換の列ができるかどうかは、12枚目と、名刺交換で渡す1枚で決まります。

入力:手順2で B の箱に入れた質問と、手順3の12枚目

出力:名刺交換で渡す「確かめ方の1枚」(A4・1枚)

手作業なら:1〜2時間

次の講演の「続き」として、名刺交換で手渡す A4・1枚の資料を作ってください。

目的:聞き手が、自分の場合はどれに当てはまるかを、自分で確かめられるようにする

構成:

1. タイトル:「◯◯(講演タイトル)の続き:あなたの場合の確かめ方」

2. 確かめる項目を3〜5つ。それぞれ「見る場所」と「こうなっていたら要注意」を1行ずつ

3. 判断がつかなかった場合の次の一歩を1行(例:「写真を1枚送っていただければ、どれに当てはまるかだけお答えします」)

4. 連絡先の欄(◯◯と書いて空けておく)

ルール:

・料金・割引・キャンペーンは一切書かない

・根拠のない強い言葉(言い切りの保証など)を使わない

・講演で話していない新しい専門用語を使わない

【B の質問】◯◯

【12枚目のスライド】◯◯

できた1枚は、10〜20部だけ印刷して持っていきます。連絡先の欄には、QRコード(ホームページやLINEの入口)を1つ。並べなかった人も、後から受け取れます。

最後の1枚で言っていいこと・言ってはいけないこと

言っていいこと言ってはいけないこと
「ここから先は、一人ずつ答えが違います」「続きは有料の相談で」
「確かめ方を1枚にまとめてきました」「今日来た方だけ特別価格です」
「見るだけで終わっても大丈夫です」「ぜひ一度、お見積もりを」
「欲しい方は、このあと声をかけてください」「お気軽にご相談ください」を3回以上

名刺交換のときに、そのまま言えるひと言3つ

  • 「来ていただいてありがとうございます。さっきの3つのうち、どれがいちばん気になりました?」
  • 「これが続きの1枚です。今夜、1つだけ見てみてください。分からなければ写真を送ってもらえれば、どれに当てはまるかだけお答えします」
  • 「今日はお名刺だけで大丈夫です。こちらから営業のお電話はしませんので」

3つ目の一言が、いちばん効きます。「売り込まれない」と分かった人ほど、1週間後に自分から連絡をくれます。

やってはいけない4つ

1. AIに事例や数字を作らせない。実績・件数・お客さんの話は、自分の本当の話だけ。作り話が1つばれた時点で、講演全体の信用がなくなります。

2. お客さんの名前・住所・写真を、許可なくスライドに出さない。AIに渡すときも「◯◯」に置き換えて貼ります。社外秘の資料も貼りません。

3. A の答えを出し惜しみしない。残すのは、本当に一人ずつ答えが違う B だけです。

4. 講演のその場で売らない。申込書、特別価格、会場での見積もり日程。どれも「先生」を自分で「業者」に戻す行為です。

一人で止まりそうなら、次はここから

詰まるとしたら2か所です。「聞き手1人」が決めきれないとき。集まった名刺を、仕事にどうつなげるか。どちらも会社ごとに正解が変わります。

まずは無料の7大特典で、AIに何をどう渡すかの型を手元に置いてください。講演のあとの流れ(持ち帰り1枚→ホームページ→相談)まで自社の仕組みにしたい方には、AIスモビジ実践会があります。あなたの会社の資料を実際に触りながら進める場です。本気で仕組みに変えたい方だけ来てください。

道具を今夜全部使えば、明日の朝には3つがそろっています。12枚のスライド。1枚75秒の台本。名刺交換で渡す「続きの1枚」。次の講演の日、話し終えた瞬間に、最前列の誰かが名刺入れを取り出して言います。「さっきの話、うちの場合はどうなんですか」。

まとめ:今日やることは、AIに”終わったあとに聞かれる質問”を10個出させることだけです

  • 拍手だけで終わるのは、話が下手だからではなく、全部言い切って「うちの場合は?」を消しているから
  • 「いいお話でした」は、話が完結した人の言葉。相談に来る人は「うちの場合は?」と言う
  • 最後に宣伝スライドを足すと、先生の話が業者の営業トークに変わり、列はむしろ短くなる
  • 講演スライドは”教科書”ではなく”予告編”にする。全員に言えることは言い切り、一人ずつ違うことだけ半分答えて続きを渡す
  • 作る順番を逆にする。スライドより先に、終わったあとに聞かれる質問を出す

今日やることは1つだけです。次に話す予定の講演(なければ、いつか頼まれそうなテーマ)で、AIに「終わったあと名刺交換で聞かれる質問」を10個出させる。10個の中に、15分で話すべきことと、わざと残すべきことが、もう全部入っています。

全部言い切るのは、親切に見えて、聞き手から「次に聞く理由」を取り上げる行為です。全員に言えることは全部言う。一人ずつ違うことは、名刺交換で渡す。

拍手だけで終わる講演スライドを、“名刺交換の列ができる講師スライド”に。 必要なのは、AIと1時間だけです。やるかやらないか、それだけの話です。

▼AIを「知っているだけ」で終わらせないために。無料の7大特典(①AI超入門 ②話すだけ音声入力 ③AIをあなた専属のゴーストライターにする ④コピペで使えるAIプロンプト15選 ⑤AI画像生成ガイド ⑥Canva画像編集法 ⑦録音→AI議事録)はこちらから受け取れます

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