築20年の家に、2社の塗装会社が見積もりに来ました。
A社長は、色見本帳とカタログを3冊持ってきました。説明は1時間。見積もりは98万円です。
B社長は、提案書を1部だけ持ってきました。滞在は20分。見積もりは102万円です。
ご夫婦が選んだのは、4万円高いB社でした。決めたのは、B社長が帰った日の夜です。
B社長の提案書の1枚目には、ご夫婦がまだ一度も見たことのない写真が1枚だけ入っていました。
A社長の説明は丁寧でした。120色の色見本。塗料の性能比較表。耐用年数のグラフ。他の家の施工事例も20枚。ご夫婦は最後まで熱心に聞き、こう言いました。
「イメージがわかないので、少し考えさせてください」
カタログを見せても決まらない提案書と、我が家の完成イメージで決まる提案書。差をつけたのは、説明の量でも値段でもありませんでした。
外壁塗装。屋根。キッチンや浴室のリフォーム。店舗の内装。外構や庭。看板。形のあるものを作る仕事なら、どの会社でも毎週起きている話です。
今日は、カタログを見せても決まらない提案書を、30分で“我が家の完成イメージで決まる提案書”にする話です。外注のパースも、デザイナーも、高いソフトも要りません。使うのは、現地調査で撮るスマホの写真1枚と、AIだけです。
なぜカタログを何冊見せても提案書は決まらないのか?
現地調査の日を思い出してみてください。
土曜の午後2時。お客さんの家のリビングです。テーブルに、色見本帳とカタログを広げています。
あなたは言います。
「色はカタログの中から選んでいただければ大丈夫です」
ご主人がページをめくります。奥さんが色見本を1枚ずつ外壁の写真に近づけます。10分たっても、候補は決まりません。
あなたは続けます。
「皆さん、この色を選ばれることが多いですね」
「実物はもっといい感じになりますよ」
ご夫婦はうなずきます。でも、ペンは動きません。最後に聞こえるのは、いつもの言葉です。
「家族でゆっくり考えてみます」
1週間後に電話をかけると、返事は「もう少し検討中です」。2週間後には、電話がつながらなくなります。
あなたは事務所で首をかしげます。説明は十分にした。値段も相場どおり。何が足りなかったのか分かりません。
なぜ「家族で考えます」と言ったお客さんから連絡が来なくなるのか?
あなたが帰ったあとの、お客さんの家を想像してみてください。
夜8時。ご主人が、離れて暮らす息子さんに電話をしています。
「外壁を塗り替えようと思ってな。色で迷ってるんだ」
「何色で迷ってるの?」
ご主人はカタログを開きます。四角い色見本を指でなぞりながら、「ベージュっぽいのと、グレーっぽいのと……」と説明します。電話の向こうには、何も見えません。
「よく分からないけど、業者さんに任せたら?」
会話は5分で終わります。カタログは、テーブルの端に積まれたままになります。
次の週、別の会社から見積書が届きます。3万円安い見積書です。ご夫婦の頭の中で、完成後の姿はまだ見えていません。見えないもの同士を比べるとき、人は値段で比べます。
あなたの提案が負けたのは、値段のせいに見えます。でも本当は、比べる材料が値段しか残っていなかったのです。カタログを見せても決まらない提案書は、最後に値段で負けます。
色見本を増やすほど決められなくなる1つの要素
色見本帳には、120色が並んでいます。
お客さんに見えているのは、名刺ほどの大きさの四角い色です。お客さんの家ではありません。
お客さんは頭の中で、四角い色を自分の家の壁いっぱいに広げる作業をしています。窓枠の色と合うか。屋根の色と合うか。隣の家と並んだらどう見えるか。
プロのあなたには、一瞬でできる作業です。お客さんには、ほぼできません。
選ぶものが多すぎると、人は選べなくなります。有名な実験があります。スーパーの試食売り場に、ジャムを24種類並べた日と、6種類に絞った日。よく売れたのは、6種類の日でした。120色の色見本は、24種類のジャムよりずっと多い選択肢です。
しかも、ジャムなら味見ができます。外壁の色は、塗ってみるまで味見ができません。
色見本を増やすほど、お客さんの頭の中の作業は増えます。作業が終わらないまま、決める日だけが来ます。決められない人は、決めない理由を探します。「家族で考えます」は、断りの言葉ではありません。「頭の中の作業が終わっていません」という意味です。
B社長が色の説明を1分もしなかった理由とは?
B社長は、色見本帳を1冊も開きませんでした。
提案書を開いて、1枚目をご夫婦の前に置いただけです。左に、今の家。右に、塗り替えたあとの同じ家。
奥さんが最初に言ったのは、「え、うちの家?」でした。
B社長は、色の説明をする必要がありませんでした。ご夫婦は自分の家を見て、「こっちのほうが落ち着くね」と自分たちで話し始めたからです。B社長が話したのは、3つの案の違いを1つずつ、合わせて3分だけでした。
右側の画像の正体は、S章でお伝えします。先に、決まらない提案書を続けた場合の損を計算します。
色見本を増やすたびに迷われ度UP
控えめに計算します。
月に8件、見積もりを出す会社だとします。「家族で考えます」のまま連絡が途切れる案件が、月に1件あるとします。1件の粗利を20万円とすると、年に12件、240万円です。半分は値段や時期の都合だったとしても、年120万円が「イメージがわかない」という理由だけで消えています。
時間の損もあります。1件の説明に1時間。年に96件なら96時間です。丸12日分の仕事を、決まらない説明に使っている計算です。
現地調査の移動も入れると、損はさらに増えます。往復1時間、調査に30分。決まらなかった12件だけで、年に18時間です。ガソリン代も、見積書を作る夜の時間も、戻ってきません。
決まったあとの損もあります。塗り上がった壁を見て、お客さんが言うひと言です。
「思っていた色と、ちょっと違うのよね」
小さな色見本は、壁いっぱいに塗ると明るく見えます。プロなら知っていることです。お客さんは知りません。完成後の姿を一度も見ないまま決めたお客さんほど、仕上がりに驚きます。塗り直しになれば、材料代と職人の手間で数十万円。塗り直さなくても、お客さんの心には小さなしこりが残ります。しこりが残ったお客さんは、紹介をしてくれません。
失う機会も1つあります。紹介です。
工事が決まったお客さんは、友だちに言います。「うち、塗り替えるの」。友だちは聞きます。「何色にするの?」。完成イメージがあれば、スマホで見せられます。なければ、話はそこで終わります。見せられる1枚がない会社は、紹介のきっかけも逃しています。
よくある間違い:他の家の施工事例を20枚見せる
決まらないと、多くの社長は見せる写真を増やします。
「うちで塗ったお宅です」。施工事例を20枚。どれも仕上がりはきれいです。
でも、お客さんの反応は決まっています。
「素敵ですね。でも、うちとは形が違うから」
他の家の写真は、他の家の話です。屋根の形も、窓の位置も、周りの景色も違います。写真を増やすほど、お客さんは「うちの場合はどうなるのか」という問いを、また頭の中で解くことになります。
外注でパース(完成予想図)を頼む会社もあります。1枚3万円前後、納品まで1週間ほど。見積もり段階の全員には出せません。契約してから作るのでは、決め手になりません。
値引きも同じです。値段を下げても、完成後の姿は見えません。見えないまま安くなった見積書は、「安いけど、よく分からない会社」になるだけです。
値引きには、もう1つ困ったことがあります。一度下げると、次のお客さんにも下げたくなります。「前回は下げたのに」と、自分の中に前例ができるからです。完成後の姿を見せずに値段だけで戦い続けると、仕事は減らないのに粗利だけが減っていきます。忙しいのに、お金が残らない会社の典型です。
これ、あなたの説明が下手なわけじゃないです
A社長の説明は、プロとして正しいものでした。塗料の性能。耐用年数。色の傾向。どれも間違いは1つもありません。
足りなかったのは、説明ではなく「お客さんの家」です。
お客さんが決められないのは、あなたの説明が下手だからではありません。決める材料が「部分」しかないからです。色見本は部分。カタログも部分。施工事例は他人の家。お客さんが本当に見たいのは、自分の家の完成後の姿だけです。
「お客さんの家で作った完成イメージ1枚」のおかげで4万円高くても選ばれた理由
B社長の提案書の1枚目。右側の画像は、B社長が現地調査で撮ったスマホの写真を、AIで塗り替えた完成イメージでした。
撮影は、ご夫婦の許可をもらって1枚だけ。事務所に戻って、AIの画像編集で3色の案を作りました。所要時間は30分ほどです。外注のパースなら、1週間と3万円かかる作業です。
一言でいうと、「選ばせる前に、見せる」です。我が家の完成イメージで決まる提案書は、1枚目で勝負がつきます。
色見本を渡して「選んでください」と言うのは、頭の中の作業をお客さんに丸投げすることです。完成イメージを3案並べて「どれがお好きですか」と聞くのは、頭の中の作業をこちらで済ませてから渡すことです。
お客さんの仕事は、120色から選ぶ仕事から、3枚の中から好きな1枚を指さす仕事に変わります。指さすだけなら、今夜の家族会議で終わります。
なぜ施工事例より”自分の家”の画像のほうが決め手になるのか?
理由は3つあります。
1つ目。人は、自分に関係のある情報を優先して覚えます。心理学では「自己関連づけ効果」と呼ばれます。他人の家のきれいな写真より、自分の家の画像のほうが、何倍も記憶に残ります。
2つ目。想像しやすいものほど、人は「良い」と感じます。頭の中の作業がいらない画像は、見た瞬間に好き嫌いが分かります。好き嫌いが分かれば、人は決められます。
3つ目。画像は、持ち帰ったあとも説明を続けてくれます。「家族で考えます」の家族会議に、あなたは出席できません。完成イメージがあれば、ご主人が息子さんにスマホで見せながら話せます。あなたの代わりに、画像が営業をしてくれます。電話の向こうの息子さんの答えも変わります。「真ん中のがいいんじゃない?」。家族会議は5分で終わります。カタログを積んだまま1週間迷う夜は、もう来ません。
私は20歳からパソコンスクールの講師をしてきました。教える仕事で学んだのは、説明を増やすより、見せたほうが早いということです。
私の会社は、営業マンを置かずに年商4.8億円、年間1000件規模の案件をWebから集めています。決め手になってきたのも、同じ考え方です。お客さんが「自分の場合はこうなる」と思える材料を、先に渡す。ある建築・内装工事の会社は、専門工事ごとに施工事例のページを作りました。変えたのはページの分け方だけです。年12件ほどだったネットの反響が、毎月案件が入る状態に変わりました。
施工事例で「自分の工事に近い」と思ってもらうだけで、反響は増えます。完成イメージは、一歩先です。「自分の工事に近い」ではなく、「自分の家」を見せられます。
なぜ今まで完成イメージは外注するしかなかったのか?
完成予想図は、長いあいだ専門家の仕事でした。
建築用の専用ソフトで家の形を立体に組み、色を塗り、影をつける。覚えるまでに何か月もかかります。だから多くの会社は、外注するか、あきらめるかの二択でした。見積もり段階で完成イメージを出せたのは、パース担当の社員を置ける大きな会社だけです。
AIの画像編集は、仕組みがまったく違います。家の形を組み立てる必要がありません。現地で撮った写真を1枚貼って、「外壁だけをベージュにしてください」と言葉で頼むだけです。ChatGPTやGeminiなど、多くの社長が文章づくりに使っているAIに、写真を編集する機能がついています。
私は20歳からパソコンの使い方を教えてきました。何百人もの社長を見てきて、はっきり言えることがあります。道具が簡単になった直後に使い始めた会社は、何年も得をします。ホームページも同じでした。ブログも同じでした。お客さんが「見慣れる」前に始めた会社だけが、「この会社は違う」と思ってもらえます。
完成イメージを見積もり段階で出す塗装会社やリフォーム会社は、まだ多くありません。今なら、1枚目を見せただけで「え、うちの家?」と驚いてもらえます。
業者は、カタログを渡して「選んでください」と言います。先生は、お客さんの家で答えを見せて「どれがお好きですか」と聞きます。業者になるな、先生になれ。完成イメージ1枚は、先生の側に立つためのいちばん安い道具です。
普通にやると1週間と3万円、AIでやると30分
作る流れは、5つの手順です。
- 【手順1】写真を1枚選び、完成イメージの設計シートを埋める(5分)
- 【手順2】AIに写真を読ませて、変えてはいけない場所を先に書き出させる(5分)
- 【手順3】変える場所だけを指定して、完成イメージを3案作らせる(10分)
- 【手順4】今の写真と3案を、提案書の見開き1枚に並べる文章を作らせる(5分)
- 【手順5】出す前に4か所を確かめ、「イメージです」の注意書きを入れる(5分)
合計30分です。
3つのやり方を比べると、差がはっきりします。
| やり方 | かかる時間 | かかるお金 | 見積もり段階で出せるか |
|---|---|---|---|
| 外注のパース | 1週間前後 | 1枚3万円前後 | 契約した人だけ |
| 自分で専用ソフトを覚える | 何か月も | ソフト代が年に数万円〜 | 覚えたあとなら |
| スマホの写真とAI | 30分 | 今使っているAIの料金のみ | 全員に出せる |
見積もりを出すお客さん全員に、自分の家の完成イメージを渡せる。変わるのは、提案の入口です。
1つだけ、先にお伝えしておきます。AIに「この家を白く塗ってください」とだけ頼むと、ほぼ失敗します。窓の数が変わる。屋根の形が変わる。隣の家が消える。できあがるのは、お客さんが「うちじゃない」と言う別の家です。
失敗を防ぐ方法が、手順2です。普通は「変えたいこと」から頼みます。順番を逆にするだけで、AIが家を作り替える失敗がほぼなくなります。具体的な頼み方は、有料部分の道具としてお渡しします。
30分後、あなたの提案書は“我が家の完成イメージで決まる提案書”になります
作る順番を変えると、何が変わるのか。並べてみます。
| 項目 | 今まで | 30分後から |
|---|---|---|
| 提案書の1枚目 | 会社概要とごあいさつ | 今の家と、完成イメージ3案 |
| 色の決め方 | 120色の色見本から、お客さんが想像で選ぶ | 自分の家の3案から、指さして選ぶ |
| 1件の説明時間 | 約1時間 | 20分前後 |
| 完成予想図の費用 | 外注で1枚3万円・1週間 | 0円・30分 |
| 家族会議 | 「イメージがわかないから保留」 | スマホで3案を見せ合って、当日の夜に決まる |
| 紹介のきっかけ | 見せるものがない | 「うち、この色にするの」と画像を見せてもらえる |
いちばん変わるのは、お客さんの最初のひと言です。「イメージがわかなくて」が、「え、うちの家?」に変わります。
あなたの口ぐせも変わります。
「実物はもっといい感じになりますよ」
が、
「どの案がお好きですか」
になります。説得する言葉が、質問に変わります。
お客さんの言葉も変わります。工事が終わった日、足場が外れた家の前で、奥さんが言います。
「思っていた色と、ちょっと違うのよね」
ではなく、
「イメージどおりね。あの画像を見て決めてよかった」
と言われるようになります。完成後の姿を先に見て、自分で指さして選んだお客さんは、仕上がりに驚きません。驚かないお客さんは、安心して友だちに話してくれます。
値段の話も変わります。完成後の姿が見えたお客さんは、「どこがいちばん安いか」より「どの案にするか」を考え始めます。相見積もりで4万円高くても選ばれる理由は、画像1枚で「自分の家がどうなるか」を最初に見せた会社だからです。値引きの相談も、決まるまで電話で追いかける営業も減ります。カタログを見せても決まらない提案書が、我が家の完成イメージで決まる提案書に変わる。変わるのは、説明の量ではなく、提案書の1枚目です。
スタッフの提案も変わります。色の説明は、経験の長い社長にしかできない仕事でした。完成イメージの作り方は、手順と道具があれば入社1年目のスタッフでも30分で身につきます。社長が1件ずつ説明に回らなくても、提案書の1枚目が説明してくれるようになります。
完成イメージは、工事が終わったあとも働きます。「イメージ」と「実際の仕上がり」を並べれば、ホームページの施工事例になります(載せるときは、改めてお客さんの許可をもらいます)。次のお客さんは、「イメージどおりに仕上がる会社」として、あなたの会社を見つけてくれます。
次の現地調査の日を想像してみてください。
あなたは外壁をひととおり見たあと、ご夫婦に聞きます。「完成イメージを作るので、お家の正面を1枚だけ撮ってもいいですか」。
3日後、提案書を持って伺います。1枚目を開いて、テーブルに置きます。奥さんが言います。「え、うちの家?」。ご主人が、真ん中の案を指さします。「これ、いいな」。
あなたは色見本帳を開きません。カタログも出しません。20分後、車に戻ったあなたのスマホに、LINEが届きます。「娘にも見せました。真ん中の案でお願いします」。
もちろん、何件決まるかは、業種や地域や値段で変わります。本記事が約束できるのは1つです。「お客さんに想像を丸投げして、決めてもらえない」失敗を、30分でなくすことです。
▼AIの使い方でつまずいている方へ。無料の7大特典(①AI超入門 ②話すだけ音声入力 ③AIをあなた専属のゴーストライターにする ④コピペで使えるAIプロンプト15選 ⑤AI画像生成ガイド ⑥Canva画像編集法 ⑦録音→AI議事録)はこちらから受け取れます
この先で手に入るもの
無料部分で、3つをお伝えしました。
- なぜ決まらないのか:色見本もカタログも「部分」で、お客さんに想像の作業を丸投げしているから
- 何をすれば決まるのか:お客さんの家の写真で、完成イメージを3案見せる。選ばせる前に、見せる
- どういう順番で作るのか:写真と設計シート→変えてはいけない場所を先に出す→完成イメージ3案→見開き1枚→出す前の確認と注意書き
有料部分には、今夜30分で実行するための道具だけを置きます。読む文章ではありません。貼る・埋める・照らし合わせる道具です。
- 30分後の完成見本1表(架空の塗装会社が、築20年の家に出す提案書の見開き1枚)
- 完成イメージの設計シート1枚(6つの欄を埋めるだけで、AIに渡す中身が決まる穴埋めシート。記入例つき)
- 貼るだけの指示文4本(①【裏技】変えてはいけない場所10個 ②完成イメージ3案 ③見開き1枚の文章 ④ご家族に送るLINE文。◯の差し替え箇所つき)
- 裏技1つ:普通はAIに「変えたいこと」から頼み、家ごと作り替えられて何度もやり直します。先に写真を読ませて「変えてはいけない場所」を10個書き出させ、指示文に入れるだけで、1〜2回で使える画像が出ます
- 撮影のコツ表1つ(完成イメージが崩れない写真の撮り方・撮ってはいけないもの)
- できあがった画像の判定表1つ(使える/作り直し/使わない を30秒で見分ける)
- 見開き1枚の並べ方表1つ、渡すときのひと言:言っていい・いけない表1つ
- 確認4か所とやってはいけない4つ
完成予想図を外注すれば、1枚3万円前後が相場です。1件分の外注費を浮かせるだけで、980円は何十倍にもなって返ってくる計算です。1件でも「家族で考えます」が「この案で」に変われば、なおさらです。
向いている人:外壁塗装、屋根、リフォーム、内装、外構、看板など、形のあるものを作る仕事をしている方。現地調査や打ち合わせで、お客さんの家や店を見る機会がある方。ChatGPTかGeminiなど、AIに写真を貼って指示を出したことが一度でもある方(なくても、手順どおりに貼れば進めます)。
向いていない人:形のない商品やサービスだけを扱っている方(保険、士業、コンサルなど)。設計図どおりの正確な完成予想図が必要な方(本記事の画像は、あくまで「好みを選んでもらうためのイメージ」です)。何件決まるかの保証が欲しい方(業種や値段で変わります。決まらない原因の1つをなくす道具です)。
30分後、あなたの提案書はこうなります
以下は道具です。上から順に、貼る・埋める・照らし合わせる。30分で終わります。先に、できあがりを見てください。
完成見本:塗装会社が築20年の家に出す提案書の見開き1枚(架空の例)
| 場所 | 中身 | お客さんが見る時間 |
|---|---|---|
| 見開きのタイトル | ◯◯様邸 塗り替え後の完成イメージ(3案) | 1秒 |
| 左ページ上 | 今のお家(現地調査の日に撮影) | 3秒 |
| 右ページ上段 | 案A「今の雰囲気のまま、明るく」:ベージュ系の外壁・こげ茶の雨どい | 5秒 |
| 右ページ中段 | 案B「落ち着いた、上品な印象」:グレージュの外壁・黒の雨どい | 5秒 |
| 右ページ下段 | 案C「思い切って、今どきに」:ネイビーの外壁・白の窓枠まわり | 5秒 |
| 各案の下 | 「こんな方に」1行(例:案B=汚れを目立たせたくない方に) | 各2秒 |
| いちばん下(小さく) | ※AIで作成した完成イメージです。実際の色や仕上がりは、色見本と試し塗りで確かめてから決めます | 読みたい人だけ |
| 次のページ | 3案とも同じ金額です。色で金額は変わりません | 2秒 |
※すべて架空の会社の例です。1枚目に会社概要を置かず、お客さんの家から始めます。
あなたの現場で作ります。タイマーを30分にセットして、手順1から始めてください。
【手順1】写真を1枚選んで、完成イメージの設計シートを埋めてください(5分)
入力:現地調査で撮った写真と、打ち合わせのメモ
出力:完成イメージの設計シート1枚と、AIに渡す写真1枚
手作業なら:外注先に伝える資料づくりだけで半日
撮影のコツ表
写真で完成イメージの出来の8割が決まります。次の表のとおりに撮った1枚を選んでください。
| 項目 | こう撮る | こう撮らない |
|---|---|---|
| 向き | 正面か、斜め45度から家全体が入るように | 下から見上げる・一部だけのアップ |
| 時間 | 曇りの日か、日が高い昼間 | 夕方の逆光・夜 |
| 写り込み | 家だけが主役になるように | 表札・車のナンバー・人の顔・隣の家の窓の中 |
| 枚数 | 同じ向きで2〜3枚撮って、いちばん明るい1枚 | 何十枚も撮って選べなくなる |
| 許可 | 「完成イメージを作るために1枚撮らせてください」と先に聞く | 黙って撮る・後で説明する |
表札や車のナンバーが写ってしまったときは、スマホの写真アプリの編集で切り取るか、塗りつぶしてからAIに渡します。
完成イメージの設計シート
1欄1〜2行で十分です。スマホの音声入力で話しながら埋めても構いません。
| 欄 | 書くこと | 記入例(架空の塗装会社) |
|---|---|---|
| ① 工事の内容 | 何を、どこまで変えるか | 外壁と雨どいの塗り替え。屋根と窓とドアは変えない |
| ② お客さんの好み | 打ち合わせで聞いた言葉どおりに書く | 奥さん「汚れが目立たない色がいい」。ご主人「派手なのは嫌」 |
| ③ 周りの様子 | 近所の家や景色の雰囲気 | 住宅街。周りはベージュと白の家が多い |
| ④ 3案の方向 | 近い案・少し変える案・思い切った案 | A:今の雰囲気のまま明るく/B:落ち着いた上品な印象/C:思い切って今どきに |
| ⑤ 使える色・素材 | 自社で実際に施工できるもの | 取り扱い塗料の色番号から、候補を各2〜3色 |
| ⑥ 出せない案 | 施工できない・お勧めしない仕上がり | 3色以上の塗り分け、木目調、金属のような光沢 |
⑤と⑥は、あなたにしか書けない欄です。AIは、施工できない色や素材でもきれいな画像を作ります。できないものを見せると、後で困るのはあなたです。
確認①:②に、お客さんの言葉が1つ以上、言葉どおり入っていること。「落ち着いた色が好み」のようにあなたの言葉でまとめていたら、打ち合わせのメモから元の言葉を探して書き直します。お客さんの言葉は、手順4の説明文に、言葉どおり使います。
【手順2・裏技】AIに写真を読ませて”変えてはいけない場所”を先に10個書き出させてください(5分)
普通は、AIに「この家の外壁をベージュにしてください」と、変えたいことから頼みます。すると、窓の数が変わる・屋根の形が変わる・庭の木が消える・隣の家が新築になる、といった失敗が起きます。何度も頼み直して、1時間たっても使える画像が出ません。
裏技は、順番を逆にすることです。先に同じ写真をAIに読ませて、「変えてはいけない場所」を10個書き出させます。出てきたリストを、手順3の指示文に丸ごと入れます。AIが「守るもの」を先に知っているので、1〜2回で使える画像が出ます。
入力:手順1で選んだ写真1枚と、設計シートの①
出力:変えてはいけない場所リスト10個
手作業なら:失敗画像を見ながら「窓を戻して」「屋根を戻して」と頼み直して1時間
ChatGPTかGeminiの新しいチャットを開き、写真を1枚添えて、次を貼ってください。
添付した写真は、これから外装の工事をするお客様の家です。
工事で変えるのは、次の部分だけです。
【変える部分】◯◯(例:外壁と雨どいの色)
完成イメージを作る前に、写真の中で「工事で変えない場所」を10個、書き出してください。
ルール:
1. 見た目で確認できるものだけを書く(例:2階の窓は横に3つ、玄関ドアは濃い茶色の木目、屋根は黒の切妻屋根)
2. 数・形・色・位置の4つのうち、分かるものは全部入れる
3. 家の外にあるもの(庭の木、塀、駐車場、隣の家、空、電線)も含める
4. 表札・車のナンバー・人が写っている場合は、書き出さずに「写真から消すべきもの」として最後に別に書く
5. 写真から読み取れないことは書かない。推測したものには【推測】と付ける
出力の形:
変えない場所1:◯◯
(10個まで)
写真から消すべきもの:◯◯(なければ「なし」)
出てきた10個を、写真と見比べてください。数や色が違うものは、あなたが正しく直します。直したリストが、手順3で使う「守るものリスト」です。
確認②:窓の数と屋根の形が、リストに入っていること。完成イメージの失敗は、ほぼ窓と屋根で起きます。入っていなければ、自分で書き足します。
【手順3】変える場所だけを指定して、完成イメージを3案作らせてください(10分)
入力:手順1の写真・設計シートの①②④⑤⑥・手順2の守るものリスト
出力:完成イメージ3枚
手作業なら:外注のパースで1週間・1枚3万円前後
手順2と同じチャットに、次を貼ってください。1案ずつ作らせます。3案を一度に頼むと、画像が崩れやすくなるからです。
同じ写真を使って、外装の完成イメージを作ってください。まず【案A】を1枚だけ作ってください。
【変えるもの】
◯◯(例:外壁をベージュ系に、雨どいをこげ茶に)
【変えないもの(厳守)】
先ほど書き出した「変えない場所」10個(◯◯ここに直したリストを貼る)
【案の方向】
案A:◯◯(例:今の雰囲気のまま、明るく)
案B:◯◯(例:落ち着いた、上品な印象)
案C:◯◯(例:思い切って、今どきに)
【お客様の好み】
◯◯(設計シートの②を貼る)
ルール:
1. 写真の撮影位置・角度・明るさ・天気は変えない
2. 家の形・大きさ・窓とドアの数と位置は、元の写真と完全に同じにする
3. 【変えるもの】以外は、元の写真のまま残す
4. 新しい物(植木・照明・車・人・看板)を足さない
5. 次の仕上がりは使わない:◯◯(設計シートの⑥を貼る)
6. 実写に近い、落ち着いた仕上がりにする。絵のような加工や、極端に鮮やかな色にしない
【案A】ができたら、同じルールのまま【案B】【案C】を1枚ずつ作ってください。
できあがった3枚を、次の判定表で見分けます。
できあがった画像の判定表
| 見るところ | 使える | 作り直し | 使わない |
|---|---|---|---|
| 窓とドア | 数も位置も元の写真と同じ | 1か所だけずれている | 2か所以上違う・形が変わった |
| 屋根 | 形が同じ | 色が少し変わった | 形が変わった |
| 変えた部分 | 指定した色の方向に近い | 色が濃すぎる・薄すぎる | 指定していない場所まで変わった |
| 周り | 庭・塀・隣の家が元のまま | 木や電線が1つ消えた | 隣の家や道路が作り替えられた |
| 雰囲気 | 写真のように見える | 少しだけ絵っぽい | 明らかに絵・CGに見える |
「作り直し」のときは、同じチャットで「◯◯だけを元の写真に戻して、ほかはこのままにしてください」と1か所ずつ頼みます。「使わない」が出たら、新しいチャットを開いて手順2からやり直します。同じチャットで直し続けると、崩れが積み重なるからです。
確認③:3枚とも、判定表の「使える」が5つそろっていること。1つでも「使わない」があれば、お客さんには出しません。
【手順4】今の写真と3案を、提案書の見開き1枚に並べる文章を作らせてください(5分)
入力:設計シートの②④・3案の画像
出力:見開きのタイトル・各案の名前・「こんな方に」1行・注意書き
手作業なら:各案の言葉を考えて30分迷います
新しいチャットでも、同じチャットでも構いません。次を貼ってください。
外装工事の提案書に、お客様の家の「今の写真」と「完成イメージ3案」を見開きで並べます。
各案に付ける短い文章を作ってください。
【お客様の好み】◯◯(設計シートの②)
【案の方向】◯◯(設計シートの④)
【各案の色】案A:◯◯ / 案B:◯◯ / 案C:◯◯
作るもの:
1. 見開きのタイトル(20字以内。「◯◯様邸」から始める)
2. 各案の名前(12字以内。色の名前ではなく、暮らしの印象で)
3. 各案の「こんな方に」1行(25字以内。お客様の好みの言葉を1つ以上使う)
4. いちばん下に入れる注意書き(50字以内。AIで作ったイメージであること、実際の色は色見本と試し塗りで確かめることを入れる)
ルール:
– 「絶対」「必ず」「一番人気」「◯年もちます」のような言葉は使わない
– 価格・耐用年数・工期は書かない
– どれか1つを強くすすめない(3案を同じ重さで書く)
出てきた文章を、次の並べ方で提案書に入れます。PowerPointでも、Googleスライドでも、Canvaでも同じです。
見開き1枚の並べ方
| 場所 | 入れるもの | 大きさの目安 |
|---|---|---|
| 左ページ | 今のお家の写真(1枚)+「今のお家」の文字 | 左ページの7割 |
| 右ページ | 案A・案B・案Cを縦に3段 | 3枚とも同じ大きさ |
| 各案の下 | 案の名前+「こんな方に」1行 | 写真の下に2行まで |
| いちばん下 | AIで作ったイメージである旨の注意書き | 小さい文字で1行 |
| 次のページ | 「3案とも同じ金額です」または色による差額 | 1行 |
3案を同じ大きさで並べるのがポイントです。1案だけ大きくすると、「売りたい案」に見えて、お客さんが選ぶ楽しさがなくなります。
【手順5】出す前に4か所を確かめて、注意書きを入れてください(5分)
入力:できあがった見開き1枚
出力:お客さんに出せる提案書と、ご家族に送るLINE文
手作業なら:確認を忘れて、後から「イメージと違う」と言われる
確認④:次の4つがすべてそろっているか、声に出して確かめます。
1. 注意書き「AIで作成した完成イメージです」が入っている
2. 3案とも、自社で実際に施工できる色・素材だけになっている(設計シートの⑤⑥と照らし合わせる)
3. 表札・車のナンバー・人の顔・隣の家の窓の中が写っていない
4. 3案の金額の説明(同じ金額か、差額があるか)が次のページにある
1つでも欠けていたら、出しません。
提案のあと、ご家族で相談する時間をもらったら、次の指示文で送るLINE文を作ります。家族会議にあなたは出られません。画像と短い文章が、代わりに説明してくれます。
外装工事の提案をしたお客様に、LINEで完成イメージ3案を送ります。
ご家族で見ながら相談してもらうための、短いメッセージを作ってください。
【お客様の名前】◯◯様
【打ち合わせで出た言葉】◯◯(設計シートの②)
【3案の名前】案A:◯◯ / 案B:◯◯ / 案C:◯◯
ルール:
– 全体で150字以内。3〜4行に分ける
– 最初の1行は、打ち合わせのお礼
– 決めてほしい期限や、決断を急がせる言葉は書かない
– 「どれがお好きか、ご家族で指さしていただくだけで大丈夫です」の意味の1文を入れる
– 最後は「色見本で実物の色も確かめられます」で終える
渡すときのひと言:言っていい・いけない
| 場面 | 言っていい | 言ってはいけない |
|---|---|---|
| 1枚目を見せるとき | 「お家で3案作ってみました。どれがお好きですか」 | 「当社のおすすめはBです」 |
| 画像について聞かれたとき | 「AIで作ったイメージです。実際の色は色見本と試し塗りで決めましょう」 | 「この画像のとおりに仕上がります」 |
| 迷っているとき | 「ご家族で指さしてもらうだけで大丈夫です」 | 「今週中に決めていただければお安くします」 |
| 別の色を聞かれたとき | 「では、その色でもう1案作ってお送りしますね」 | 「その色は選ぶ人が少ないですよ」 |
| 他社の話が出たとき | 「どちらの会社でも、色は実物で確かめてくださいね」 | 「他社さんはイメージも出さないでしょう」 |
やってはいけない4つ
1. お客さんの写真を、許可なく撮らない・AIに渡さない・使い回さない。撮る前に目的を伝えて許可をもらいます。表札・車のナンバー・人の顔は、AIに渡す前に消します。完成イメージをホームページやチラシに載せるときは、改めて許可をもらいます。社外秘の資料や、ほかのお客さんの情報もAIに貼りません。
2. 完成イメージを「完成予想図」や「保証」として出さない。AIの画像は、好みを選んでもらうためのイメージです。実際の色は光や素材で変わります。注意書きは毎回入れ、最後は色見本と試し塗りで決めます。
3. 価格・耐用年数・工期をAIに決めさせない。数字は、自社の経験と見積もりで決めます。「◯年もちます」「色あせない」と言い切るような根拠のない強い言葉も書きません。
4. 施工できない仕上がりを見せない。AIは、どんな色や素材でもきれいに作ります。自社で施工できない案を見せると、選ばれたあとに困ります。設計シートの⑥で外したものは、画像にも入れません。
一人で進められないときの次の一歩
詰まるとしたら2か所です。AIの画像編集を初めて触るとき。完成イメージを、提案書だけでなくホームページの施工事例や相談の入口にどうつなげるか。どちらも会社ごとに正解が変わります。
まずは無料の7大特典で、AIに何をどう渡すかの型を手元に置いてください。特典の「AI画像生成ガイド」と「Canva画像編集法」は、手順3と手順4ですぐに役に立ちます。完成イメージを入口にした集客の流れ(ホームページ→相談→完成イメージつきの提案)まで自社の仕組みにしたい方には、AIスモビジ実践会があります。あなたの会社の写真と資料を実際に触りながら進める場です。本気で仕組みに変えたい方だけ来てください。
道具を今夜全部使えば、明日の朝には4つがそろっています。撮影のコツ表。守るものリストの作り方。3案の完成イメージが入った見開き1枚。ご家族に送るLINE文。次の現地調査の日、あなたは色見本帳を開かずに、「お家の正面を1枚だけ撮ってもいいですか」と聞くだけです。
まとめ:今日やることは、AIに”変えてはいけない場所”を10個書き出させることだけです
- 決まらないのは、説明が足りないからではなく、色見本もカタログも「部分」で、お客さんに想像を丸投げしているから
- 色見本や施工事例を増やすほど、お客さんの頭の中の作業は増える。「家族で考えます」は「作業が終わっていません」という意味
- 外注のパースは1枚3万円・1週間。見積もり段階の全員には出せない。値引きしても、完成後の姿は見えない
- お客さんの家の写真で、完成イメージを3案見せる。選ばせる前に、見せる
- 作る順番を逆にする。変えたいことより先に、変えてはいけない場所をAIに書き出させる
今日やることは1つだけです。スマホに入っている現場の写真を1枚選んで、AIに「変えてはいけない場所」を10個書き出させる。自分の家でも、事務所でも構いません。守るものリストができれば、完成イメージの8割はできたも同然です。
色見本を広げて「選んでください」と言うのは、丁寧に見えて、お客さんに一番むずかしい仕事を押しつける行為です。想像はこちらで済ませる。お客さんには、指さしてもらうだけにする。
カタログを見せても決まらない提案書を、“我が家の完成イメージで決まる提案書”に。 必要なのは、スマホの写真1枚とAIと30分だけです。やるかやらないか、それだけの話です。
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