「先月、だいたい儲かってたと思います」
これ、社長との打ち合わせで一番よく聞く言葉です。
売上はなんとなく頭に入っている。通帳の残高も見ている。でも、「どの商品で・どのお客さんで・いくら粗利が残ったか」と聞くと、ほとんどの方が止まります。手元にExcelはある。会計ソフトもある。数字は、確かにそこにある。
でも、見ていない。正確に言うと、「見方がわからないから、見て見ぬふりをしている」んですよね。
はっきり言います。これ、あなたの能力の問題じゃないです。数字が苦手なのも、Excelの関数が覚えられないのも、まったく問題ない。問題なのは、せっかくある数字を、誰も「意味」に変えてくれないことです。
だからこそ、今日は「数字が苦手な社長でも、AIにデータを貼るだけで、次に何をすべきかが見える」やり方を、世界一かんたんにお伝えします。Excelの関数も、難しいグラフも、一切いりません。
これまでこのブログでは、AIで「作る」話を多くしてきました。スライド、提案書、メール、SNS投稿、お客様の声。全部「アウトプット」です。でも今日は逆です。AIに数字を「読ませて」、社長の経営判断そのものをラクにする話をします。
なぜ「だいたい儲かってる」のドンブリ勘定が、社長の判断を狂わせるのか
私がいつもクライアントに言っているのは、「デザインより数字を見てください」ということです。
ホームページでも、チラシでも、見た目をどうするかで悩む社長は多い。でも、本当に見るべきは「どこからお金が入って、どこから出ていっているか」です。ここを感覚で済ませている限り、会社は良くなりません。
ドンブリ勘定が怖いのは、間違った場所に力を入れてしまうからです。
たとえば、こんなことが平気で起きます。
- 一番売上が大きい商品が、実は一番粗利が薄くて、忙しいだけで儲かっていない
- 「いいお客さん」だと思っていた取引先が、値引きとやり直しで時間を食っているだけ
- 反応のいいチラシだと思って毎月撒いていたエリアが、問い合わせはあっても受注ゼロ
数字を見ていれば、5分でわかることです。でも見ていないから、「なんとなく忙しいのに、なぜか利益が残らない」状態が何年も続く。
少人数で高利益の会社をつくるなら、ここは避けて通れません。人を増やして売上を伸ばすより先に、「今ある数字のどこに穴が空いているか」を見つけるほうが、よっぽど早く利益が増えます。
ただ、ここで多くの社長が止まる。「数字を見ろと言われても、見方がわからない」。これです。だから今まで放置されてきた。
結論|数字は”集計する”な、AIに”読ませて意味を出させろ”
先に結論を言います。
数字が苦手な社長がやるべきことは、Excelを勉強することじゃないです。
集計や読み解きは、AIに任せてください。
社長がやるのは、出てきた数字を見て「じゃあ次どうするか」を決めることだけ。脳に汗をかくのは、そこです。
ここ、かなり大事なので分けて言います。
- 数字を「集める・足す・並べる・読み解く」作業 → AIに任せる
- その数字を見て「何をやめて、何に力を入れるか」決める判断 → 社長がやる
今までは、この「集めて読み解く」作業が重すぎて、判断までたどり着けなかったんですよね。Excelの関数を組んで、グラフを作って…とやっているうちに、日が暮れる。だから誰もやらない。
AIは、ここをまるごと肩代わりしてくれます。しかも、キーボードで関数を打つ必要すらない。データをそのまま渡して、「素人にもわかるように、3つの数字で教えて」と頼むだけです。
「集計の壁」さえ越えれば、社長は本来の仕事、つまり「決めること」に集中できる。これが、AIで数字に強くなるということです。
社長が見ていない数字は、だいたいこの3つに隠れている
「数字を見ろ」と言われても、全部見る必要はないです。正直、全部追いかけなくていい。
小さな会社が最初に見るべき数字は、だいたい次の3つに集約されます。
ひとつ目は、売上の「中身」。合計額じゃなくて、「どの商品・サービスが、いくら売れているか」の内訳です。多くの社長は合計しか見ていない。でも、合計が同じでも、中身が変われば会社の体力はまったく違います。
ふたつ目は、お客さんごとの「実際の手残り」。売上の大きいお客さんが、利益も大きいとは限りません。値引き、やり直し、無理な納期。手間を時間に換算すると、小さい仕事のほうが儲かっていた、というのはよくある話です。
みっつ目は、時間あたりの粗利。これは少人数の会社にとって命綱です。同じ100万円の売上でも、3日で終わる仕事と、1か月かかる仕事では、まったく価値が違う。人を増やさずに利益を残すには、「時間あたりいくら残るか」で仕事を選ぶ目が必要です。
この3つ、Excelとにらめっこして自分で計算しようとすると、心が折れます。でも、AIに数字を渡して「この3つの観点で読み解いて」と頼めば、勝手に整理して出してくれる。次の章で、その具体的なやり方をお伝えします。
AIに任せられるのは「読み解き」|決めるのはあなた
その前に、ひとつだけ釘を刺しておきます。
AIが出す数字や分析は、あくまで「たたき台」です。最終判断は、必ず社長がやってください。
AIは、あなたの商売の事情を全部は知りません。「この取引先は粗利は薄いけど、紹介をたくさんくれる大事な相手だ」とか、「この季節は赤字でも、年間で見れば回収できる」とか、現場の文脈はあなたしか持っていない。
だから、AIの出した数字を鵜呑みにして「この客は切る」と即決するのは危険です。AIは数字の傾向を出すのは得意ですが、「切っていいかどうか」を決めるのは人間の仕事です。
それから、金額や税金、契約に関わる最終確認は、必ず元のデータや専門家にあたってください。AIは計算を間違えることもあります。ここは「便利だけど、最終チェックは自分」と割り切ってください。
役割分担はシンプルです。AIは「読んで、傾向を出す」。あなたは「現場を踏まえて、決める」。これだけです。
【手順】売上データをAIに”貼るだけ”で「次の3つの数字」を出す3ステップ
では、具体的な手順です。難しいことは一切ありません。3ステップで終わります。
ステップ①|手元のデータを、そのままAIに渡す
まず、手元にある売上データを用意します。会計ソフトからダウンロードしたExcelでも、CSVでも、手書きの売上メモを写真に撮ったものでも構いません。きれいに整える必要はないです。そのまま渡してください。
ChatGPTやClaude、Geminiといったツールに、そのファイルをアップロードするか、表をコピーして貼り付ける。これだけです。「整理してから渡さなきゃ」と思って止まる人が多いですが、整理こそAIの仕事なので、雑なまま渡してOKです。
ステップ②|「3つの数字+次の一手」で指示する
データを渡したら、こう頼みます。
「この売上データを、数字が苦手な経営者にもわかるように読み解いてください。①商品ごとの売上と粗利の内訳、②お客さんごとの手残りの大きさ、③特に利益が薄い項目、の3つを表で整理して。最後に、次に手を打つべきことを3つ、優先順位をつけて教えてください」
ポイントは、「読み解いて」で終わらせず、「次に何をすべきか」まで出させることです。ただ集計させるだけなら電卓と変わりません。「だから何をすべきか」を一緒に出させるから、判断に直結します。
ステップ③|気になったところを、そのまま聞き返す
出てきた結果を見て、引っかかったところを、そのまま日本語で聞き返してください。
「この商品、売上は大きいのに利益が薄いのはなぜ?」「このお客さんの手残りが少ないのは、値引きのせい?それとも回数のせい?」
AIは、何度聞き返しても嫌な顔をしません。会話で深掘りできるのが、Excelの関数にはない強みです。納得いくまで聞いて、自分の頭で「次の一手」を固めてください。
この3ステップは、慣れれば10分かかりません。月初に一度やるだけで、その月の打ち手がはっきりします。
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ただ「分析して」では薄い|AIに渡す”自社の文脈”と判断基準
ここで、多くの人がつまずくポイントをお伝えします。
ただ「このデータを分析して」とだけ頼むと、返ってくるのは「どこかで見たような一般論」です。「売上トップの商品に注力しましょう」みたいな、教科書通りの答え。これ、使えないですよね。
なぜそうなるか。理由はひとつです。
AIに、あなたの会社の事情を渡していないからです。
AIは、あなたの粗利の目標も、避けたい仕事の種類も、力を入れたい分野も知りません。だから、そのまま頼むと当たり障りのない答えしか出てこない。
逆に言えば、自分の判断基準を渡すだけで、答えは一気に「あなたの会社の答え」に変わります。
たとえば、こう付け足すだけでいい。
「うちは少人数なので、時間あたりの粗利を最優先したい。1件に1か月以上かかる仕事は、できれば減らしたい。この前提で、どの仕事に力を入れるべきか教えて」
これだけで、AIは「あなたの会社にとっての正解」を出すようになります。一度この「自社の判断基準」をまとめてAIに覚えさせておけば、毎回ゼロから説明する必要もなくなります。AIを、あなたの会社の数字をわかっている「専属の参謀」に育てるイメージです。
キーボードはいらない|紙の帳簿・レシート・手書きメモもスマホで撮って渡す
「うちは、そもそもデータがExcelになってない」。そういう方も多いと思います。
大丈夫です。職人や経営者が、キーボードを叩く必要はないです。
紙の売上帳、手書きの集計メモ、レシートの束。これ、全部スマホで写真を撮って、そのままAIに渡せます。AIが読み取って、表に起こしてくれる。手で打ち込む作業すら、いらないんです。
考えていることを整理したいだけなら、スマホの音声入力も使えます。「先月は工事案件が3件で、1件は赤字気味だった。理由は…」と、思いついたことを話すだけで文字になる。それをAIに渡して、「整理して、気をつけるべき点を出して」と頼めばいい。
ここで一番伝えたいのは、「データがないからできない」は言い訳にならない、ということです。完璧なExcelがなくても、手元にある紙とスマホがあれば、今日から始められます。脳に汗をかくのは中身の判断であって、入力作業じゃない。打つ作業は、機械に任せてください。
数字を見て終わるな|「外れたら捨てる・当たりを育てる」に直結させる
数字を読み解いて、満足して終わる。これが一番もったいない失敗です。
数字を見る目的は、評論することじゃないです。「次の一手を変えること」です。
私がいつも言っている「3割打者でいい」という考え方があります。野球の打者だって、3割打てば一流です。商品も、エリアも、サービスも、全部当てようとしなくていい。数字で見て、外れているものは捨てて、当たっているものに力を集中する。これが、少人数で高利益を出す会社のやり方です。
AIが出した数字を見て、こう動いてください。
- 利益が薄くて時間ばかり食う仕事は、値上げするか、思い切ってやめる
- 時間あたりの粗利が高い仕事は、ホームページやチラシで前面に出して、もっと集める
- 反応はあるのに受注に至らないエリアは、原因を探るか、別のエリアに切り替える
そして、当たった商品やサービスは、ホームページに載せて「資産」にしてください。SNSの投稿は流れて消えますが、WordPressで作ったページは、あなたが寝ている間も文句ひとつ言わずに営業してくれます。数字で見つけた「当たり」を、24時間働く営業マンに育てる。ここまでやって、はじめて数字を見た意味が出ます。
逆に、やりがちな失敗も先に言っておきます。AIの出した数字を鵜呑みにすること。会社の機密データを何も考えずに貼ること(個人名や取引先名は伏せるか、信頼できる環境で扱ってください)。集計して満足して動かないこと。そして、単月だけ見て一喜一憂すること。数字は、何か月か並べて「流れ」で見ると、本当の姿が見えてきます。
今日からできる、”勘の経営”を抜け出す最初の一歩
ここまで読んで、「うちもやってみようかな」と思った方へ。
最初の一歩は、めちゃくちゃ小さくていいです。
まず、先月の売上データを1か月分だけ用意してください。Excelでも、CSVでも、手書きを撮った写真でも構いません。それをAIに渡して、「数字が苦手な経営者にもわかるように、商品ごとの粗利と、次に手を打つべきこと3つを教えて」と頼む。たったこれだけです。
完璧にやろうとしなくていい。最初は、出てきた数字を「へえ、こうなってたのか」と眺めるだけで十分です。それだけで、今まで見えていなかった会社の姿が見えてきます。
私が営業マン不在で年商4.8億、年間1000件の集客を回せたのは、才能があったからじゃないです。「仕組み」で作ったから、誰でも再現できる。数字を見て、判断して、当たりに力を入れる。この地味な繰り返しを、AIが何倍も速くしてくれる時代になりました。
あとは、やるかやらないか。それだけです。
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まとめ|勘で決めるな。数字に語らせて、次の一手を打て
最後に、今日の話をまとめます。
「だいたい儲かってる」のドンブリ勘定は、社長の判断を狂わせます。間違った場所に力を入れて、忙しいのに利益が残らない会社になる。
でも、数字が苦手でも大丈夫です。集計も読み解きも、AIに任せればいい。社長がやるのは、出てきた数字を見て「何をやめて、何に力を入れるか」決めることだけです。
手元のデータをそのまま貼って、「3つの数字と、次の一手」を出させる。気になったら聞き返す。そして、外れている仕事は捨て、当たっている仕事をホームページで育てる。
数字を集めて満足するな。数字に語らせて、次の一手を打ってください。
やるかやらないか、それだけです。