最近、「AIで提案書を作る」という話を、あちこちで見かけるようになりました。実際に触ってみた方も多いと思います。
でも、こう思いませんでしたか。
「作り方は分かった。けど、うちが負けてるのはそこじゃない気がする」と。
そうです。提案書の見た目や文章が原因で失注している会社は、実はほとんどありません。負けているのは、出す速さです。
打ち合わせが終わって、「では、見積もりは3日後にお送りしますね」と言って帰る。事務所に戻ったら別の現場から電話が来て、翌日は現場、翌々日は事務作業。気づけば4日目に慌てて作って送る。返事は来ない。1週間後に「今回は他社さんにお願いすることになりまして」と連絡が来る。
私は、営業マンを1人も雇わずに年商4.8億円まで会社を回してきました。年間1000件規模の案件をWebから受けています。その中で分かったことは、はっきりしています。お客さんは、一番いい提案を選んでいるのではなく、一番早く”考えてくれた”会社を選んでいます。
だからこの記事では、私が実務でやっている「打ち合わせ当日中に、A4・1枚の提案を送る」やり方を、最初から最後まで全部書きます。特別な文章力もデザインも要りません。帰りの車の中で、スマホに5行しゃべるだけです。事務所に戻ってからの作業は15分。それで終わります。
提案が遅い会社は、中身ではなく「順番」で負けています
まず、思い込みを1つ外してください。「ちゃんとしたものを作ってから出したい」という気持ちは、正しいようでいて、商談では不利に働きます。
理由は単純です。あなたが3日かけて完璧な見積書を作っている間に、お客さんは他社と会っているからです。
3日待たせている間に、相手の頭の中では「順位」が決まります
お客さんが相見積もりを取るとき、だいたい2社か3社に声をかけます。そして、順番に会います。ここで多くの社長が誤解しているのは、「全部そろってから比べられる」と思っていることです。
実際は違います。人は、そろってから考えるのではなく、その都度、頭の中で仮の1位を作っています。
最初に会った会社が、その日の夜に「今日のお話をまとめました」と1枚送ってきたとします。この時点で、その会社が仮の1位になります。あとから来る2社目・3社目は、「1位を引きずり下ろせるかどうか」の勝負になる。ここが決定的に不利です。
逆に言えば、先に1枚出すだけで、あなたが基準になります。 他社は、あなたの出した内容に対して答える立場になります。これは金額を1円も下げずに手に入る優位です。
「早い」は、値引きよりも強い武器です
「早く出すと、雑だと思われませんか」とよく聞かれます。逆です。
考えてみてください。お客さんにとって、リフォームも設備工事も士業への依頼も、そう何度も経験することではありません。不安なのは金額だけではなく、「この人は、ちゃんと聞いてくれていたのか」という点です。
当日中に、聞いた内容がまとまった紙が届く。それだけで、こう伝わります。
- ちゃんと聞いてくれていた
- 帰ってすぐ考えてくれた
- この人に頼めば、話が早そうだ
これは金額では買えない信用です。しかも、値引きと違って粗利が1円も減りません。私が営業マンを雇わずに回してこられたのは、口のうまい人を集めたからではなく、「早く紙を出す」を全案件でやり切ったからです。
遅い会社は、実は忙しいのではなく「一から作っている」だけです
「そうは言っても、うちは忙しくて当日なんて無理です」という声も分かります。ただ、正直に言います。当日出せない原因の9割は、忙しさではありません。毎回ゼロから作っているからです。
打ち合わせから戻って、白紙のWordを開いて、「さて、なんて書こう」から始める。ここで止まります。人間は、白紙が一番苦手です。
AIを使う意味は、ここにあります。白紙をなくすことです。あなたがやるのは、しゃべることと、出てきたものを直すこと。この2つだけになります。
当日に出すのは「見積書」ではありません。A4・1枚の”確認メモ”です
ここが一番大事なところなので、順番を間違えないでください。当日中に送るのは、正式な見積書ではありません。
正式な見積書を当日出そうとすると、拾い出しも積算も必要で、絶対に間に合いません。間に合わせようとすると数字が雑になり、あとで訂正することになって、かえって信用を落とします。
当日出すのは、「今日うかがったのは、こういうことですよね」という確認の1枚です。
| 項目 | 3日後の見積書 | 当日のA4・1枚 |
|---|---|---|
| 目的 | 金額を伝える | 認識のズレをなくす |
| 中身 | 数量・単価・合計 | 要望の整理と、進め方の方向性 |
| 作る時間 | 2〜3時間 | 15分 |
| 相手の反応 | 他社と金額を並べて比べる | 「そうそう、これです」と会話が続く |
| 失注しやすさ | 金額だけで判断されやすい | 人で選ばれやすくなる |
役割が違うのが分かると思います。当日の1枚は、金額で勝負するための紙ではなく、金額の話に入る前に土俵を作る紙です。
1枚に入れるのは、6つだけです
長い資料は要りません。むしろ長いと読まれません。入れるのは次の6つだけです。
| 入れる項目 | 書く内容 | なぜ必要か |
|---|---|---|
| ①今日うかがったご要望 | 相手の言葉のまま3〜5行 | 「聞いてもらえた」と伝わる |
| ②現状で気になった点 | プロとして見て気づいたこと2〜3点 | 業者ではなく先生の位置に立てる |
| ③進め方の方向性 | 大まかな流れを3ステップ | 話が具体的になる |
| ④おおよその金額の幅 | 「◯◯万円〜◯◯万円程度」 | 正式見積もり前に予算感を合わせる |
| ⑤お渡しできる日 | 正式見積もりを出す日付 | 待たせる不安が消える |
| ⑥次に決めていただきたいこと | 相手にお願いする1つだけ | 話が止まらない |
特に②が効きます。ここが、単なる御用聞きと、プロとしての提案を分ける場所です。
私の信念は昔から変わりません。業者になるな、先生になれ。業者は言われた通りの見積もりを出して、価格で比べられます。先生は、聞かれていないことにも「私はこう見ています」と答えられる。②の2〜3行があるだけで、相手の中でのあなたの立ち位置が変わります。
④の「金額の幅」を書けない人が多すぎます
ここでつまずく方が本当に多いので、先に言っておきます。
「正確に出せないのに金額を書いたら、あとで揉めませんか」——分かります。私も最初は怖かった。でも、書かないほうが揉めます。
金額に一切触れずに帰ると、相手は自分の想像で予算を決めます。その想像は、たいてい実際より安い。そして正式見積もりを見た瞬間に「え、そんなにするんですか」となって、そこから先は値引き交渉しか残りません。
幅で書けば、この事故は起きません。書き方はこれだけです。
「本日うかがった範囲ですと、おおよそ◯◯万円〜◯◯万円程度が目安になります。現地の状況と仕様の決め方で前後しますので、正式なお見積もりは◯月◯日にお出しします。」
ポイントは、幅を広めに取って、前後する理由を先に書いておくことです。先に言えば条件になり、あとから言えば言い訳になります。これは工事でも士業でも教室でも同じです。
手順|帰りの車で5行しゃべって、事務所で15分。当日中に送るまで
ここからが本題です。実際の手順を、時間の使い方まで含めて全部書きます。合計20分もかかりません。
ステップ1|車を停めて、スマホに5行しゃべる(3分)
打ち合わせが終わったら、走り出す前に車を停めたまま、スマホのメモアプリを開いてください。キーボードは使いません。マイクのボタンを押して、しゃべるだけです。
職人さんも社長も、キーボードを叩く必要はありません。私がずっと言っている泥臭いAI活用は、この形です。現場で見たことを、口でそのまま吐き出す。
しゃべる内容は、この5行だけです。
- 誰と会ったか(会社名・お名前・立場)
- 何を頼まれたか(相手の言葉のまま)
- 現地で見て気づいたこと
- 予算と時期について聞けたこと
- 相手が一番気にしていた様子だったこと
実際にしゃべると、こんな感じになります。
「福岡市南区の田中様。築22年の戸建てで、水回りのリフォーム。奥さんが主に使ってて、キッチンが暗いのと収納が足りないのが不満。お風呂も寒いって言ってた。現地見たら洗面の床が少し浮いてて、たぶん下地が傷んでる。予算は150万くらいって言ってたけど、いい物入れたら200は行きそう。時期は年内にできたら、くらい。旦那さんは何も言わずに聞いてた。他にも1社見積もり取ってるらしい。」
きれいな日本語である必要はまったくありません。言い間違いも、言い直しも、そのままでいいです。AIは勝手に整えます。大事なのは、記憶が新しいうちに全部出すことです。
事務所に着いてから思い出そうとすると、必ず半分に減ります。人間の記憶は、そういうものです。
ステップ2|AIに1枚のたたき台を作らせる(5分)
事務所に戻ったら(車の中でも構いません)、ChatGPTでもGeminiでも構いませんので、AIを開いて、さっきのメモを貼り付け、そのあとに次の指示文をコピペしてください。ツールは1つ課金していれば十分です。あれこれ増やすほど、迷う時間が増えるだけです。
【指示】
あなたは、私の会社の営業担当です。以下は、今日の打ち合わせ直後に私が音声入力したメモです。これをもとに、本日中にお客様へメールで送る「A4・1枚の打ち合わせ確認シート」を作ってください。
【条件】
・正式な見積書ではなく、認識のすり合わせを目的とした確認の紙です
・次の6項目の見出しで構成してください:①本日うかがったご要望 ②現状で気になった点 ③進め方 ④概算のご予算感 ⑤正式お見積もりのご提出日 ⑥次にご検討いただきたいこと
・①はお客様が実際に話した言葉をなるべくそのまま使ってください
・②はプロとして気づいた点を2〜3点、断定しすぎず「〜の可能性があります」と書いてください
・全体で900字以内。難しい専門用語は使わず、中学生でも読める言葉にしてください
・私が確認すべき数字・日付・固有名詞には【要確認】と付けてください
・メモに書かれていないことは、勝手に補わないでください。分からない箇所は「(要確認)」と空欄にしてください
【今日のメモ】
(ここに音声入力したメモを貼る)
最後の2行が、地味ですが一番重要です。AIは、空欄があると気を利かせて埋めようとします。そこで作られた「それっぽい嘘」を、そのままお客さんに送るのが一番危ない。たたき台はAI、最終判断は人間。この線だけは絶対に越えさせないでください。
ステップ3|数字と固有名詞だけ、自分の目で直す(5分)
出てきた文章を、全部読み直す必要はありません。見るのは4か所だけです。
- 金額(幅は自分の感覚と合っているか)
- 日付(正式見積もりを出せる日か。忙しいなら余裕を持たせる)
- 固有名詞(会社名・お名前・地名・商品名)
- 約束の言葉(「必ず」「できます」と言い切りすぎていないか)
AIは、日本語としては完璧な文章で、平気で間違えます。整った文章ほど疑われないので、かえって危ない。声に出して読むと、数字の違和感は不思議とすぐ見つかります。黙読は意味を追いますが、音読は形を追うからです。
文章そのものは、多少ぎこちなくても直さなくて構いません。当日出す紙は、きれいさより速さです。
ステップ4|メール本文もAIに書かせて、その日のうちに送る(2分)
添付するだけでなく、メール本文も一緒に作らせます。追加の指示は1行で足ります。
「上の内容を送るためのメール本文も作ってください。5行以内、堅くなりすぎず、最後に『ご不明点があればお電話ください』と入れてください。」
そして、その日のうちに送ってください。ここを翌朝にすると、効果は半分になります。理由は次の章で説明します。
▼この記事で使っている「スマホに話すだけ」「コピペで使える指示文」のやり方は、無料の7大特典にまとめています。AI超入門から、話すだけ音声入力、コピペで使えるプロンプト15選まで、パソコンが苦手な方でも順番に進められます
送る時間で、読まれ方が変わります
同じ紙でも、届く時間で受け取られ方がまったく変わります。ここは意外と語られないので、実務の感覚をそのまま書きます。
当日の夜に届く紙は、「熱」がある紙です
打ち合わせをした日の夜、お客さんはまだその話を覚えています。家族と「今日の業者さん、どうだった?」と話している最中かもしれません。そのタイミングで紙が届くと、家族の会話に、あなたの紙が参加します。
翌朝になると、相手はもう仕事や生活に戻っています。3日後になると、他社の話と混ざっています。中身が同じでも、届く場所が変わってしまう。
とくに、その場にいなかった人が決定権を持っているケースでは差が出ます。奥さん、旦那さん、専務、本部。この人たちに、あなたの説明は届きません。届くのは紙だけです。当日中に、相手がそのまま見せられる1枚を渡す。これが効きます。
「まだ概算です」と書くほうが、信用されます
早く出すことに抵抗がある方は、逃げ道を作ってから出してください。1行入れるだけです。
「本日の打ち合わせ内容をまとめました。現時点では概算のため、正式なお見積もりは◯月◯日にお出しします。認識に違いがあれば、遠慮なくご指摘ください。」
これを書いておけば、多少の数字のブレは前提として共有されます。しかも「違っていたら言ってください」と書くことで、相手が返信しやすくなる。返信が来れば、そこから商談が動きます。
完成品を出そうとすると出せなくなり、7割で出すと会話が続く。私は事業をいくつも立ち上げてきましたが、最初から一撃必殺を狙うより、ミニマムで出して回収しながら直すほうが、結果的に速いというのは、ほぼ全部の場面で共通しています。
送ったあと、追いかける必要はありません
「送ったら、いつ電話すればいいですか」と聞かれます。答えは、基本的にしなくていいです。
紙の⑥に「次にご検討いただきたいこと」を1つだけ書いてあります。そこに返事が来るかどうかで、相手の温度が分かります。返事が来なければ、今回はご縁がなかったというだけです。
私は学生時代の飛び込み営業で、「いらない」と言っている人に頭を下げる非効率さに、心底うんざりしました。だから決めています。二度と自分から売り込みはしない。集客は説得ではなく、選別である。追いかけて頭を下げて取った仕事は、たいてい現場でも無理を言われます。
当日の1枚は、そのまま松竹梅の3案に育ちます
当日出した1枚には、もう1つ役割があります。正式見積もりを松竹梅の3案で出すための、下準備になることです。
正式見積もりを、相手の言った通りの1案だけで出してはいけません。1案だけだと、相手にできる比較は「他社と比べること」だけになります。3案あれば、比較の場所が他社比較から自社内比較に変わります。
| プラン | 考え方 | 当日の1枚のどこから作るか |
|---|---|---|
| 梅 | 予算を優先し、範囲を絞ったプラン | ④で書いた金額の下限に合わせる |
| 竹 | ご要望どおりの標準プラン | ①のご要望をそのまま形にする |
| 松 | プロとして推奨する、先を見たプラン | ②で書いた「気になった点」を解決に含める |
見ていただくと分かりますが、松は、当日の②がそのまま材料になります。現地で気づいたことをその日のうちに紙に書いておくと、正式見積もりの段階で「あのとき言っていた話ですね」と、自然に上位プランの説明ができます。
これを何も渡さずに、正式見積もりの当日にいきなり松を出すと、ただの売り込みに見えます。順番が全てです。
高いと言われたら、金額ではなく範囲を下げます
それでも「ちょっと高いですね」と言われることはあります。そこで金額を下げないでください。下げるのは範囲です。
「では、今回は水回りだけにして、内装は来年にしませんか」と、梅に落とす。これなら1円も値引きしていないのに、相手の予算には収まります。しかも来年の話が残ります。
その場で「じゃあ10万円引きます」とやると、その10万円は丸ごと粗利から消えます。年商が上がっても手元にお金が残らない会社は、たいていここで消えています。少ない人数で高い利益率を保つには、値引きを止めるのが一番早い。
「今日は無理だ」という日もあります|48時間ルールという逃げ道
現実的な話もしておきます。毎回当日に出せるとは限りません。現場が続く日も、体調が悪い日もあります。
そこで、私はこう決めています。当日が原則、どうしても無理なら48時間以内。そして重要なのは、この宣言を打ち合わせのその場で口に出しておくことです。
「本日うかがった内容を、今日中に1枚にまとめてお送りします。正式なお見積もりは◯日にお出しします。」
これを帰り際に言うだけで、2つ効果があります。
1つ目は、自分に締切ができること。人は、口に出した約束は守ろうとします。
2つ目は、その場で他社と差がつくことです。ほとんどの会社は「後日ご連絡します」としか言いません。日付を口に出した時点で、相手の中で印象が変わります。
やらない日を作ると、二度とやらなくなります
正直に言います。この習慣は、3件やらないと身につきません。そして1件飛ばすと、次から「今日はいいか」が増えます。
だから、最初の1週間だけは、内容の出来を一切気にしないでください。誤字があっても、文章がぎこちなくても、出す。7割で出したものが、10割で出さなかったものに負けることは、まずありません。
私が在宅のパートスタッフさんに集客用のサイトを作ってもらったときも同じでした。Web知識ゼロの主婦の方が、マニュアル通りに月100円レベルのコストで作って、ちゃんと問い合わせが取れています。センスではなく、決まった手順を、決めた通りにやり切ったかどうかです。
スライドや清書は、決まってからでいい
「提案書なら、スライドにしたほうがよく見えるのでは」と思う方もいます。ここも順番の話です。
中身が先、見た目は最後。当日の1枚は、体裁を整える必要はありません。メール本文にそのまま書いてもいいし、テキストをPDFにするだけでも十分です。
見た目を整えるのは、相手が前向きになってからで間に合います。むしろ、まだ決まっていない段階で立派なスライドを作り込むのは、時間の使い方として損です。10件作って1件しか決まらないなら、9件分の清書は捨てているのと同じことになります。
見た目に手をかける順番
- 当日の1枚 → 文字だけでいい(15分)
- 正式見積もり(松竹梅) → 表で整える(30分)
- 決まりそうな案件だけ → スライドや写真入りの提案書にする(1時間)
この順番で作れば、時間は必要な案件にだけ使われます。デザインでお客さんは騙せません。中身が薄い資料は、きれいにするほど嘘っぽくなります。
送るのは、紙かデータか
相手の年代で変えてください。60代以上の方や、家族と相談するタイプの案件は、印刷して持っていくか、郵送するほうが効きます。紙は机の上に残りますが、メールは受信箱に沈みます。
ただし当日中に届けるのが最優先なので、まずはメールかLINEで送り、後日、正式見積もりのときに紙で持っていく。この二段構えが一番強いです。
業種が違っても、変える場所は「①の書き方」だけです
工事業以外の方も多いと思うので、業種別に何を書けばいいかを並べておきます。使うのは①「本日うかがったご要望」の書き方だけで、残り5項目は共通です。
| 業種 | 当日の1枚の①に書くこと | ②に書く「気になった点」の例 |
|---|---|---|
| 工務店・リフォーム | 現地で見た状態と、ご家族の使い方 | 下地・断熱・動線など、見えない部分の可能性 |
| 士業(税理士・行政書士など) | 相談内容と、いつまでに何を決める必要があるか | 期限が迫っている手続き、他に必要になる届出 |
| 整体・治療院 | 症状と、いつから、どんなときに出るか | 生活習慣で悪化していそうな点 |
| 美容室・サロン | なりたいイメージと、普段のお手入れ時間 | 今の髪質・肌質で無理が出そうな点 |
| 教室・スクール | お子さんや本人の現状と、目指す状態 | 続けるうえでつまずきそうな時期 |
| Web制作・広告 | 今の集客状況と、困っている場面 | サイト以前に整理が必要な部分 |
| 製造・卸・BtoB | 要求仕様と、社内で誰が決めるのか | 数量・納期・検収条件で揉めそうな点 |
②の中身は業種によって違いますが、共通点が1つあります。全部、「相手がまだ気づいていないこと」を書いているという点です。
言われたことをまとめただけの紙は、議事録です。議事録では選ばれません。1行でいいので、「私はこう見ています」を入れてください。その1行が、業者と先生を分けます。
尋問にならないよう、1つだけ気をつける
②を書くとき、不安をあおる書き方はしないでください。「このままだと大変なことになります」は、恐怖で動かす売り方です。私はこれをやりません。
書くなら、こうです。
「洗面の床に少したわみがありました。下地が湿気を含んでいる可能性があります。工事の際に確認できますので、その時点でご相談させてください。」
事実を伝えて、解決の道筋も一緒に置く。不安をあおるのではなく、不安を解消する。この書き方のほうが、結果的に上位プランは通ります。
溜まった1枚は、そのままホームページの集客材料になります
最後に、この習慣がもう1つ生む効果を書いておきます。当日出した1枚を、捨てずに全部残してください。フォルダに日付と会社名で放り込むだけで構いません。
半年もすれば、20枚も30枚も溜まります。これがそのまま、集客の材料になります。
①を並べると、「よくある相談」ページができます
溜まった1枚の①だけを抜き出して並べると、お客さんが実際に使っている言葉のリストになります。「キッチンが暗い」「収納が足りない」「お風呂が寒い」。この生の言葉が、そのままホームページの見出しになります。
自分の頭で考えた「高品質・安心・信頼」といった言葉より、はるかに刺さります。理由は簡単で、お客さんが検索するときに打つ言葉そのものだからです。
私が建築・内装の会社で、ネット反響が年間12件しかない状態から、毎月案件が入る状態に変えたときにやったのも、同じことです。専門特化したページを作り、そこに現場で実際に出た言葉を並べただけです。
②を並べると、あなたの専門性の証明になります
②の「気になった点」を10件ぶん並べると、それはもう立派なコンテンツです。「現場で私がいつも見ている10か所」というブログ記事が、1本できます。
商談で使った紙は、その場限りのフロー(流れて消えるもの)です。でも、ホームページに載せた瞬間にストック(積み上がる資産)に変わります。ホームページは名刺ではなく、24時間働く営業マンです。あなたが寝ている間も、あの1枚が別のお客さんに読まれ続けます。
SNSの毎日投稿は3日で流れます。でも、現場で書いた1枚を積み上げたページは、1年後も問い合わせを連れてきます。忙しい社長ほど、流れるものではなく積み上がるものに時間を使ってください。
▼「スマホに話すだけでAIに仕事をさせる」やり方から、集客の仕組みづくりまで、実務で使う手順を7つの無料特典にまとめました。AI超入門、話すだけ音声入力、AIをあなた専属のゴーストライターにする方法、コピペで使えるプロンプト15選まで、パソコンが苦手な方でも順番どおりに進められます
まとめ|次の打ち合わせの帰り、車を停めて5行しゃべるだけです
要点を並べます。
- 提案で負けているのは中身ではなく、出す順番と速さ。先に出した会社が基準になる
- 当日出すのは見積書ではなく、A4・1枚の確認メモ。入れるのは6項目だけ
- 帰りの車でスマホに5行しゃべり、AIにたたき台を作らせ、数字と固有名詞だけ自分で直す
- 金額は必ず幅で書き、前後する理由を先に添える。先に言えば条件、あとから言えば言い訳
- 正式見積もりは松竹梅の3案に。高いと言われたら金額ではなく範囲を下げる
- 当日が無理でも48時間以内。そして「今日中に送ります」を、その場で口に出す
- 見た目の清書は、決まりそうになってからでいい。中身が先、見た目は最後
- 出した1枚は捨てずに溜める。溜まった言葉が、そのままホームページの集客材料になる
今日やることは1つだけです。次の打ち合わせが終わったら、走り出す前に車を停めて、スマホに5行しゃべる。それだけで、あなたの提案は今夜届きます。
考えている限り、来年も同じ悩みのままです。5行なら、3分で終わります。