【混ぜるな、分けろ】AIに頼むほど提案書が別物になる社長へ|3行貼るだけで直しが減る指示文つきチャット整理術


AIで資料が作れるようになった。ここまでは、多くの社長がたどり着いています。

問題は、その次です。出てきた資料を直してもらうたびに、なぜか違うものが返ってくる。昨日の続きを頼んだら、前の案件のお客さんの名前が混ざっている。「さっきの話を踏まえて」と書いたのに、踏まえていない。仕方ないので最初から作り直す。作る時間は減ったのに、直す時間だけが増えていく。

これ、AIの性能の問題ではありません。1本のチャットに、3つも4つも違う仕事を放り込んでいるからです。

そして厄介なのは、この症状が「AIを使いこなせていない自分のせい」に見えることです。指示の書き方が下手なんじゃないか、もっといいツールがあるんじゃないか、と調べ始める。そこから半日消えます。

今日は、AIの使い方を新しく覚える話ではありません。指示文を長くする話でもありません。今、開いているチャットを仕事ごとに分けて、終わる前に3行だけ残す。それだけの話です。やることは分けるだけ、残すのは3行だけ、次の日の再開は10分かかりません。

混ぜるな、分けろ。この記事は、その1点だけを書きます。

その1本のチャットに、3つの案件が入っています

夜9時、事務所に一人。明日の朝10時にA社へ持って行く提案書を、AIに直してもらっている最中でした。

途中でスマホが鳴って、B社の見積もりの話を思い出します。ついでなので、同じチャットに「B社の見積もりの内訳も作って」と打ちました。返事を待つあいだに、求人の文章も頼みます。ハローワークに出す原稿も、ずっと気になっていたからです。

翌朝、同じチャットを開いて「昨日のA社の提案書、清書して」と打ちました。出てきた資料には、B社の金額が入っていました。求人原稿で使った「アットホームな職場です」という一文まで、なぜか提案書の最後に紛れ込んでいます。

心当たりがあるのは、この3つの場面です

このとき、社長の口から出てくる言葉はだいたい決まっています。

ひとつ目は、「さっきの話を踏まえて、って言いましたよね」です。踏まえてほしいのは今日のA社の話なのに、AIは昨日から続く全部の話を踏まえてしまっています。

ふたつ目は、「昨日のあれ、どこ行きましたっけ」です。チャットの一覧を上から順に開いて、目的のやり取りを探す。3分、5分と溶けていきます。

そしてもうひとつが、直してもらうほど元より悪くなる、という感覚です。1回目より2回目、2回目より3回目のほうが、ぼんやりした文章になっていく。

AIは、前の話も「材料」だと思って読んでいます

なぜこうなるのか。理由は単純です。

AIは、そのチャットに書かれていることを全部ひとつの案件の材料として読みます。A社の話、B社の金額、求人の文章。人間なら「これは別件」と当たり前に区別しますが、AIにとっては全部が同じ机の上に広げられた紙です。

机の上に3件分の書類を広げたまま、「この資料を仕上げて」と新人に頼んだらどうなるか。想像すればわかります。混ざります。AIは、その新人と同じことをしているだけです。

探す時間は、作る時間に入っていません

もうひとつ、社長が数えていない時間があります。探す時間です。

「作る時間が30分に減りました」と言う方は多いのですが、その30分の前後に、チャットを探す3分、混ざった箇所を見つける5分、直す10分が乗っています。実際にかかっているのは50分近い。減ったのは、最初の1回だけです。

混ぜるな、分けろ。減らすべきは作る時間ではなく、この探して直す時間のほうです。

「前に出してもらった、あれ」が出てこなくなります

もうひとつ、混ざったチャットでよく起きることがあります。過去に一度出た、いい答えが二度と出てこなくなることです。

3日前に頼んだときは、そのまま使える文章が出てきた。同じチャットで同じように頼んでいるのに、今日はぼんやりした一般論しか返ってこない。理由はさきほどと同じで、あいだに別の案件の話が挟まって、AIが見ている材料が変わってしまったからです。

社長からすると「AIの調子が悪い」ように見えます。実際は、机の上に紙が増えただけです。

混ざったまま続けると、1年で39時間が溶けます

数字で見ておきます。

1件あたり、混ざった箇所を見つけて直すのに15分。それが週に3件あるとすると、週45分。月にして約3時間、1年で39時間です。控えめに数えても、丸5日分の勤務時間が「AIが混ぜたものを人間が直す作業」に消えている計算になります。

これが、本当の損ではありません。本当の損は、その先にあります。

直すのが面倒だから、いつもの資料をそのまま出すようになります

15分の手直しが面倒になった社長は、どうするか。

AIに作らせるのをやめて、去年作った提案書をそのまま出します。社名だけ差し替えて、中身は前回と同じ。相手ごとの一言も、相手の業界の言葉も入っていない資料が出来上がります。

そういう資料は、相手に3分で見抜かれます。そして「どこでも出せる資料」を出した瞬間、比べられるのは中身ではなく金額だけになります。相見積もりの土俵に、自分から上がっているのと同じです。業者になるな、先生になれ。AIを入れたのに業者に戻っていく、いちばんもったいないパターンがこれです。

さらに怖いのは、混ざったまま気づかずに送ってしまう場合です。提案書に他社の金額や他社の社名が残っていた、という事故は実際に起きます。信用は、金額ひとつで飛びます。

考えてみてください。受け取った側は、その1行を見た瞬間に何を思うか。「うちの資料も、よその会社に流れているのでは」です。中身がどれだけ良くても、そこで話は終わります。頭を下げて説明し直しても、一度ついた印象は戻りません。

しかも、この事故は忙しい時期にだけ起きます。案件が重なって、同じチャットに全部放り込んでいる時期です。つまり、いちばん決めたい月に、いちばん起きやすい。

よくある間違った対処が、状況を悪くします

ここで多くの方がやってしまう対処が、2つあります。

ひとつは、指示文をもっと長くすることです。「今回はA社の話です。B社の話は忘れてください。求人の話も関係ありません」と、前置きを長く書く。気持ちはわかりますが、これは逆効果です。チャットの中に矛盾した指示が積み重なるほど、AIはどれを優先すればいいか判断できなくなります。長い言い訳を足すほど、返ってくるものはぼやけます。

もうひとつは、AIツールを乗り換えることです。「ChatGPTがダメならClaudeかな」「新しいのが出たらしい」。ツールを変えても、1本のチャットに全部を放り込む使い方が同じなら、結果も同じです。道具のせいにしているあいだは、何本乗り換えても変わりません。

これ、AIが悪いわけじゃないです

AIは、渡されたものしか読めません。渡した材料が混ざっていれば、出てくるものも混ざります。それだけの話です。

そして材料を分けるのは、AIの仕事ではなく、渡す側の仕事です。ここだけは、どんなに性能が上がっても人間の側に残ります。

覚えさせようとするな、渡し直せ

やることは、一行で言えます。

1つのチャットは、1つの仕事のためだけに使う。そして終わる前に、3行だけ残させる。

「AIに覚えさせる」「記憶させる」方向で頑張っている方がいますが、そこは伸ばすところではありません。覚えているかどうかに頼らず、次に必要な3行を自分の手元に持っておいて、毎回渡し直す。このほうが速いし、確実です。

覚えさせる方向は、うまくいったときは楽ですが、外れたときに何が原因かわかりません。渡し直す方向なら、出てきたものが変なときは、渡した3行を見れば原因がわかります。自分で原因を確かめられる形にしておく。これは、AIに限らず仕事の仕組みを作るときの基本です。

それに、渡し直す形にしておくと、その3行がそのまま社内で使えます。社長の頭の中にしかなかった前提が、短い文章になって手元に残っていくからです。1年続ければ、案件ごとの前提メモが自然に溜まります。人を増やす前に、まずここを作るほうが先です。

絞るほど、伝わります

これは、私がWeb集客でずっとやってきたことと同じ構造です。

建築・内装の会社さんで、ネットからの反響が年間12件しかなかったところがありました。やったのは、扱う工事を広く見せることではなく、LGS内装工事・軽天工事・GL工事という専門性のある工事だけに絞ったサイトを作ることです。結果、毎月何かしら案件が入る状態になりました。

何でも屋のページは誰にも届かない。1つに絞ったページだけが届く。チャットもまったく同じです。1本に全部詰め込んだチャットからは、誰のものでもない資料が出てきます。1件に絞ったチャットからは、その1件のための資料が出てきます。

やることは、3つだけです

具体的には、次の3つです。

1. 仕事の単位でチャットを分ける(何を1単位にするかは、あとで表にします)

2. 終わる前に、AIに3行だけ残させる(この3行を出させる指示文があります)

3. 次はその3行から始める(貼って始めるための短い指示文があります)

新しく覚えるソフトはありません。増える作業は、終わる前の1回のコピーだけです。

パソコンが苦手でも、できます

私は20歳の頃からパソコンスクールで、初心者の方にパソコンを教えてきました。そこで嫌というほど見てきたのは、多くの人はソフトの使い方ではなく、ファイルの置き場所で止まるということです。

どこに保存したかわからない。同じような名前のファイルが5つある。だから探す。この状態は、チャットが混ざって探せなくなっているのと、まったく同じ症状です。

逆に言えば、置き場所さえ決めれば、パソコンが得意でなくても回ります。Web知識ゼロの在宅パートの主婦の方が、マニュアルに沿って月100円レベルのコストでサイトを作り、集客までできた事例もあります。センスの問題ではなく、決まった順番の問題です。

分けた人から、資料は速くなります

チャットを分けて3行を残すようにすると、何が変わるか。数字で書きます。

再開までの時間が、20分から3分になります。探す時間がゼロになり、3行を貼るところから始まるからです。

直しの往復が、4回から1回になります。混ざった箇所を潰す往復が消えるので、残るのは中身の調整だけです。

提案書1本にかかる時間が、90分から40分になります。作る時間ではなく、探して直す時間が落ちるからです。

混ざりによる書き間違いは、月2回から0回になります。他社の金額や他社の社名が資料に残ることは、構造的になくなります。

そして、相手の反応が変わります。前回の打ち合わせの話がそのまま資料に入っているので、「よく覚えていてくれましたね」「話が早いですね」と言われるようになります。これは小さいようで、大きい。相手は「この会社は、うちのことをわかっている」と判断した瞬間から、金額の話をしなくなります。

値引きも、相見積もりも、追いかける営業も、結局は「どこでもいい会社」に見えているから起きます。逆に言えば、相手のことが入っている資料を出せる会社は、そこから抜けられます。集客は説得ではなく、選別です。分けて、残して、渡し直す。やっていることはそれだけですが、出口はここにつながっています。

私は営業マンを雇わず、Web集客中心で年商4.8億円まで持っていきました。やってきたことは、派手な技ではありません。一度作ったものを、次も使える形で残す。それを何年も続けただけです。飛び込み営業で頭を下げていた頃に決めたのは、二度と自分から売り込まないということでした。そのために必要だったのが、毎回ゼロから始めない仕組みです。

チャットを分けて3行を残すのは、その一番小さい版です。1日あたり1分の作業で、明日の自分の15分が浮く。この差を毎日積むかどうかだけで、1年後に残っている時間はまったく変わります。

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この先で手に入るもの

ここから先は、実際に手を動かす部分です。次のものをお渡しします。

  • コピペ指示文2本(①終わる前に「引き継ぎメモ3行」を出させる指示文/②次のチャットの最初に貼る「開始の指示文」)
  • 仕事の分け方 早見表1表(何を1チャット1単位にして、何は分けないか)
  • 引き継ぎメモの出力見本1表(架空の会社の例で、実際に何が出てくるかを見せます)
  • 出す前チェック4項目1表(相手に渡す前に見る4か所)
  • やってはいけない、4つの混ぜ方(情報の扱いと、数字の扱いを含みます)

指示文を外注で作ってもらえば、それだけで数万円はかかります。この記事は980円です。提案書の作り直しが1回なくなれば、それで元は取れる計算になります。

向いている人は、すでにAIで資料や文章を作っていて、直すたびに違うものが出てくることにうんざりしている方。1日1回以上AIを使っていて、案件を2件以上同時に抱えている方です。

向いていない人は、まだAIを一度も触っていない方。それから、記事を読むだけで満足して、今日は何もしないと決めている方です。この記事は、今日30分だけ手を動かす人のために書いています。

【手順1】チャットは、仕事の単位で分けてください(5分)

ここから先で最初に作るのは、「開いているチャットを分け直したリスト」です。新しいチャットをいくつか作って、名前を付け直すだけです。所要5分。

入力: 今開いているAIのチャット一覧

出力: 仕事の単位で分かれた、名前付きのチャット

まず、今開いているチャットを上から5本だけ見てください。1本の中に2件以上の話が入っているものがあれば、それが今日の作業対象です。

分ける単位は、次の表のとおりです。

1チャット1単位にするもの同じチャットで続けていいもの
お客さま1社ごと(A社の案件、B社の案件)同じ案件の見積もり→提案書→送付メール
求人・採用の文章同じ求人原稿の書き直し
ホームページ・ブログの原稿同じページの見出し直し
社内の手順書・マニュアル同じ手順書の追記
数字・データの集計同じ表の項目追加

判断に迷ったら、基準はひとつです。「渡す相手が違えば、チャットを分ける」。A社に渡すものとB社に渡すものは、別のチャットです。お客さまに渡すものと、社内で使うものも、別のチャットです。

名前は「日付+相手+何を」で付けてください

AIのチャットには、自動で題名が付きます。これをそのまま使わないでください。あとで探せません。

付け方は3つだけ決めます。

  • 先頭に日付を入れる(0916)
  • 次に相手の名前を入れる(山田工務店)
  • 最後に何のためかを入れる(提案書)

「0916_山田工務店_提案書」。これで、2週間後でも一覧から一発で見つかります。パソコンのフォルダに付ける名前と、まったく同じ考え方です。

確認①: 今開いている上位5本のチャットに、すべて「日付+相手+何を」の名前が付いていますか。

分けすぎても、困りません

「そんなに分けたら、チャットが増えすぎるのでは」と聞かれます。増えて構いません。探せなくなるのは本数が多いからではなく、名前が付いていないからです。名前さえ「日付+相手+何を」で揃っていれば、100本あっても検索窓に社名を打てば1秒で出てきます。

逆に、1本にまとめておくと本数は少なくて済みますが、中身を目で追う羽目になります。探すのは、目ではなく検索窓にやらせてください。

終わった案件のチャットは、消さずにそのまま置いておきます。半年後に同じお客さまから相談が来たとき、当時の3行がそのまま使えます。

【手順2】終わる前に、3行だけ残させてください(5分)

チャットを閉じる前に、これだけはやってください。この記事でいちばん大事な工程です。

入力: 今やり取りしたチャット

出力: 次回そのまま貼れる「引き継ぎメモ3行」

次の指示文を、そのままコピーして貼ってください。

これまでのやり取りを、明日の私が読んで続きを始められる形で、3行だけにまとめてください。

1行目:この案件が誰の何の仕事か(相手の名前・業種・目的)

2行目:今日決まったこと(決定事項だけ。検討中のものは入れない)

3行目:次にやること(1つだけ)

条件:

・このやり取りに出てきた事実だけを使い、推測で補わないこと

・金額・日付・数量は、私が書いた数字だけを写し、変えないこと

・出てこなかった情報は「未定」と書くこと

・1行は60字以内。前置きや感想は書かないこと

出てくるのは、こういう形です(架空の会社の例です)。

出力例
1行目山田工務店(リフォーム・従業員6名)へ、水回り改修の提案書を作成中
2行目松竹梅の3案で構成、竹を標準とする。工期は2週間で提示済み
3行目次は施工事例のページを1枚追加する(事例は未定)

この3行をコピーして、メモ帳でもスマホのメモでも構わないので、手元に残します。これで終わりです。

なぜ、3行なのか

「もっと詳しく残したほうが良いのでは」と思われるかもしれません。逆です。

長い要約を次のチャットに貼ると、その要約自体がまた材料になって、AIがそこから話を広げ始めます。3行に絞ると、AIが広げる余地がなくなり、こちらの意図どおりに動きます。絞るほど伝わるのは、ここでも同じです。

それと、3行なら社長本人が目で確認できます。10行の要約は、誰も読みません。読まないものを貼るから、間違いに気づけなくなります。

確認②: 出てきた3行に、自分が言っていない金額や日付が入っていませんか。入っていたら、その場で消してください。

【手順3】次の日は、その3行から始めてください(3分)

翌日、続きをやるときです。昨日のチャットを開くのではなく、新しいチャットを作ります。

そこに、次の指示文を貼ります。

【前提】

(ここに昨日の3行を貼る)

【今日お願いすること】

(やってほしいことを1つだけ書く)

【守ってほしいこと】

・上の前提に書かれていないことは、勝手に決めないでください

・金額・日付・数量は、前提に書かれた数字のみを使ってください

・わからない箇所は【要確認】と書いて、空欄のまま残してください

・前置きや解説は不要です。成果物だけを出してください

これで、昨日の続きが3分で立ち上がります。前の案件の話は1文字も入っていないので、混ざりようがありません。

直すときは、作り直させないでください

出てきたものを直したいときのコツが1つあります。

「もう一度作り直して」と言わないことです。そう言うと、AIは別のものを作ってきます。そうではなく、直す場所を指定します。「2つ目の段落だけ、工期の説明を1行足して書き直してください。それ以外は1文字も変えないでください」。この言い方なら、全体が別物に変わることはありません。

確認③: 貼った前提3行と、出てきた成果物の会社名・金額は一致していますか。

出す前に、4か所だけ確認してください

分けていても、人間のコピーミスは起きます。相手に渡す前の30秒で、次の4か所だけ見てください。

見る場所何を確認するか
社名・宛名前の案件の会社名が残っていないか(文中・ヘッダー・ファイル名)
金額自分が決めた金額か。AIが埋めた数字ではないか
日付・工期今回の日程か。前回の案件の日付が残っていないか
言い回し求人・SNSなど別用途の文章が紛れていないか

確認④: この4か所を、印刷またはPDFにしてから見てください。画面で流し読みすると、社名は見落とします。

とくに金額です。数字だけは、AIに決めさせないでください。自社の料金表から、自分で入れる。これは混ざる混ざらない以前の、経営の話です。

やってはいけない、4つの混ぜ方

①お客さまの個人情報・社外秘を、そのまま引き継がない

引き継ぎメモは短いぶん、油断して個人名や住所を書きがちです。氏名・連絡先・住所・図面・他社との契約内容は、AIに入れないでください。相手の会社名までにして、担当者の個人名は「担当者」と書けば足ります。

②数字をAIに決めさせない

「だいたいの相場で金額を入れておいて」は、やめてください。AIはそれらしい数字を作ります。見積書に載った瞬間、それは会社の約束になります。空欄か【要確認】のまま残すのが正解です。

③長い指示文で上書きしない

混ざったときに、前置きを長く書いて修正しようとしないでください。積み上げるほど矛盾します。混ざったチャットは、直さずに閉じる。3行だけ抜き出して、新しいチャットで始め直す。こちらのほうが速いです。

④引き継ぎメモを、確認せずに貼らない

3行は自動で出てきますが、正しいかどうかは別の話です。貼る前に1回読む。ここを飛ばすと、間違った前提の上に資料を積み上げることになります。たたき台はAI、最終判断は人間。この順番だけは崩さないでください。

一人で回らないときは

ここまでの手順は、読めばわかる程度に書いたつもりです。それでも、実際に止まる方はいます。

20年以上、初心者の方にパソコンを教えてきてわかったのは、人が止まるのは操作ではなく判断だということです。「うちの仕事は、どこで分ければいいのか」「この情報は入れていいのか」。ここは、業種と仕事の中身を見ないと決まりません。動画教材を何本見ても、自分の業務に置き換えるところで止まるのは、そのためです。

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ここまでの成果物を全部使ったら、明日どうなるか。朝、新しいチャットに3行を貼って、10分で昨日の続きが立ち上がります。混ざった箇所を探す15分はなくなり、相手の名前を間違える不安も消えます。夕方には、今日の分の3行がまた手元に残っている。この状態を1週間続けたころには、資料づくりは「作業」ではなく「流れ作業」になっています。

まとめ|今日は、開いているチャットを1本だけ閉じてください

要点だけ、もう一度書きます。

  • AIが別物を返すのは性能のせいではなく、1本のチャットに複数の仕事が混ざっているから
  • 混ざったまま続けると、直す時間だけで年39時間が消える
  • 指示文を長くする・ツールを乗り換える、はどちらも悪化させる
  • 渡す相手が違えば、チャットを分ける
  • 名前は「日付+相手+何を」で付ける
  • 終わる前に3行だけ残させ、次の日はその3行から始める
  • 出す前に、社名・金額・日付・言い回しの4か所を見る
  • 数字だけは、AIに決めさせない

今日やることは、1つだけです。いま開いている中でいちばん長いチャットを1本選んで、手順2の指示文を貼り、3行を出させてから閉じてください。それだけで、明日の朝が10分速くなります。

混ぜるな、分けろ。AIに全部を覚えさせようとするから、全部が混ざるんです。1件ずつ分けて、3行だけ渡し直す。やるかやらないか、それだけの話です。

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