同じ町に、空調設備の会社が2社あります。
どちらも、月3万円の点検契約を10件ずつ持っていました。
1年後、A社は3件を解約されました。B社は1件も解約されていません。B社には、2件の「点検の範囲を広げたい」という相談まで来ました。
A社は、毎月12ページの報告書を送っていました。点検表の写真。作業の一覧。部品の型番。手間をかけた報告書です。
B社の報告書は、毎月1枚だけでした。
B社の1枚の一番上には、A社の12ページのどこにも書いていない1行がありました。
読まれないまま解約される月次報告書と、来年も頼みたくなる月次報告書。差をつけたのは、作業の量でも値段でもありませんでした。
ビルや施設の設備点検。清掃。ホームページやパソコンの保守。庭木の管理。顧問の仕事。毎月お金をいただいて「何も起きない状態」を守る商売なら、毎月どこかで起きている話です。
今日は、読まれないまま解約される月次報告書を、20分で“来年も頼みたくなる月次報告書”にする話です。使うのは、今月の作業メモとAIと20分だけです。
なぜ丁寧に作った月次報告書ほど、お客さんに読まれないのか?
月末の夜9時。A社の社長は、事務所で報告書を作っています。
今月の点検は10件。点検表の写真をパソコンに取り込み、1件ずつ報告書に貼ります。「フィルター清掃 実施」「冷媒圧力 正常」「ドレン配管 異常なし」。1件に30分。10件で5時間です。
送り先は、お客さんの総務の担当者です。
担当者はメールを開き、PDFを1ページ目だけ見ます。「異常なし」の文字を確かめて、フォルダにしまいます。かかった時間は、およそ3秒です。
A社長の口ぐせは2つあります。
「今月も、特に異常はありませんでした」
「何かあれば、いつでもご連絡ください」
どちらも正直な言葉です。点検がうまくいっている証拠でもあります。
11か月後。契約更新の1か月前に、担当者から電話が来ます。
「来年度から、経費の見直しで点検の回数を減らすことになりまして。上から、毎月何をしてもらっているのか分からないと言われたんです」
A社長は、12か月分の報告書を思い浮かべます。全部に「異常なし」と書いてありました。
担当者にも言い分があります。院長に聞かれたのです。「空調の点検に毎月3万円払っているけど、何をしてもらっているの?」。
担当者の手元には、12ページの報告書が12か月分あります。どこを見せればいいのか、担当者には分かりませんでした。答えに詰まった担当者が選んだのは、いちばん説明しやすい答えでした。「回数を減らします」。
「異常なし」が続くほど目立ってしまう1つの要素
点検の仕事は、うまくいくほど目に見えなくなります。
冷房が止まらなかった。水が漏れなかった。パソコンが動かなくならなかった。お客さんから見ると、どれも「何も起きなかった月」です。
何も起きなかった月に、作業の一覧が届きます。お客さんが受け取るのは「今月も、特に何もなかった」という知らせです。
「異常なし」の12か月は、社長にとっては守り切った1年です。お客さんにとっては、毎月3万円を払ったのに何も起きなかった1年に見えます。
目立ってしまうのは、毎月の請求額です。報告書が丁寧になるほど、「何もなかった」ことがはっきり伝わります。「何もなかった」がはっきりするほど、請求額だけが目に残ります。丁寧に作ったのに、読まれないまま解約される月次報告書ができあがります。
B社長が報告書を12ページから1枚に減らした理由とは?
B社も、3年前までは10ページ以上の報告書を送っていました。
ある年、B社長は解約されたお客さんに聞きました。「報告書は、読んでいただけていましたか」。
返ってきた答えは短いものでした。「すみません、専門的すぎて。異常がないことだけ見ていました」。
B社長は、報告書を作る順番を変えました。作業を並べる前に、1つだけ考えるようにしたのです。
何を考えたのかは、少しあとで明かします。先に、「異常なし」を送り続けると何が起きるかを見ておきます。
「異常なし」と書くたびに値下げされ度UP
読まれないまま解約される月次報告書を送り続けると、損は3つの形で積み上がります。
1つ目は、解約の損です。
月3万円の契約が、年に2件解約されるとします。1件あたり年36万円。2件で年72万円の売上が消えます。点検の契約は、翌年も翌々年も続くはずだったお金です。3年で見ると216万円になります。
2つ目は、値下げの損です。
解約までいかなくても、更新のたびに「点検の回数を減らしたい」「もう少し安くならないか」と言われます。月3万円が2万5千円になれば、1件で年6万円。10件なら年60万円です。
3つ目は、時間の損です。
1件30分の報告書を、毎月10件。年に60時間です。丸7日以上を、読まれない書類に使っています。
失う機会もあります。点検のついでに見つけた「そろそろ替えどきの部品」や「2階の古い室外機」。報告書が読まれていれば、次の仕事の相談につながったはずの話です。12ページの8ページ目に書いても、誰の目にも届きません。
新しいお客さんを1件取るには、チラシや紹介のお願いや見積もりの訪問が要ります。点検の契約を1件取るのに、何十時間もかかった経験がある社長も多いはずです。解約を1件止めることは、新規を1件取ることと同じ値打ちがあります。しかも、手間はずっと少なく済みます。
よくある間違い:報告書のページと写真を増やす
解約が続くと、多くの社長は報告書を厚くします。
写真を倍にする。作業の説明を詳しく書く。点検した部品の型番まで並べる。「ちゃんとやっている」ことを、量で見せようとします。
逆効果です。
ページが増えるほど、担当者は1ページ目しか見なくなります。1ページ目に書いてあるのは、相変わらず「異常なし」です。厚くなった報告書は「専門的すぎて分からない」書類になり、担当者は上司に説明できなくなります。
もう1つの間違いは、先に値下げをして引き止めることです。値下げをすると、お客さんは「今までが高かったのか」と受け取ります。翌年、また値下げを言われます。値下げで守った契約は、次の年にはもっと安い会社と比べられます。
3つ目の間違いは、更新の直前にあわてて訪問し、1年の作業を口で説明することです。11か月の間、何もしていないと思われていた会社が、更新の月だけ熱心に説明に来る。お客さんの目には、引き止めのための営業に映ります。
これ、あなたの仕事が足りないわけじゃないです
点検も清掃も保守も、手を抜いているわけではありません。むしろ、きちんとやっているから「異常なし」なのです。
足りないのは、仕事の量ではありません。お客さんが「払ってよかった」と感じる材料が、報告書に書かれていないだけです。
「防いだことを書いた1行目」のおかげで解約されずに翌年も契約が続いた理由
B社の1枚の一番上に書いてあった1行を明かします。
「今月、防いだこと」です。
ある月のB社の報告書は、次の1行から始まっていました。
「今月の点検で、2階会議室のエアコンの排水の詰まりを取り除きました。放っておくと、7月の暑い時期に天井から水が漏れ、会議室が使えなくなるおそれがありました」
作業はA社と同じ「ドレン配管の清掃」です。A社は「異常なし」と書きました。B社は「防いだこと」を書きました。
B社の担当者は、1行目を上司に転送しました。上司は「毎月、ちゃんと見てくれているんだな」と言いました。更新の電話で出たのは、値下げの話ではありませんでした。「2階の古い室外機も、見てもらえますか」という相談でした。
来年も頼みたくなる月次報告書は、作業の量ではなく1行目で決まります。
一言にすると、報告書には「やったこと」ではなく「防いだこと」を書くです。
空調だけの話ではありません。
ホームページの保守なら、「プラグインを更新しました」ではなく「問い合わせフォームが止まっていないことを毎週確かめました」と書きます。止まったまま気づかなければ、月に何件もの問い合わせを取り逃がします。
清掃なら、「床を洗浄しました」ではなく「雨の日に入口ですべる心配をなくしました」と書きます。顧問の仕事なら、「書類を確認しました」ではなく「届け出の期限切れを防ぎました」と書きます。
作業は同じです。書く向きを、作業から「お客さんが困らずに済んだこと」へ変えるだけです。
なぜ「やったこと」より「防いだこと」のほうが心に残るのか?
人は、得をした話より、損をしなかった話のほうを強く感じます。行動経済学では、損の重さは得の約2倍だと言われています。
「フィルターを清掃しました」は、得の話にもなっていません。作業の説明です。
「冷房が止まるのを防ぎました。止まっていたら、待合室が35度になるところでした」は、損をしなかった話です。お客さんは、起きたかもしれない損を思い浮かべます。思い浮かべた損の大きさが、月3万円の値打ちになります。
私は20歳のころからパソコンスクールの講師として、パソコンが苦手な人に教えてきました。24歳で独立してからは、今も複数の会社のIT顧問をしています。一度顧問契約を結んだ会社とは、10年以上の付き合いになることも多いです。
IT顧問の仕事も、うまくいくほど見えなくなります。サーバーが止まらなかった。ウイルスが入らなかった。データが消えなかった。どれも「何も起きなかった」です。
だから私は、報告で「今月、何が起きなかったか」を先に伝えるようにしています。やったことの一覧は、聞かれたら出せば足ります。
業者は、やった作業を報告します。先生は、防いだ損を報告します。業者になるな、先生になれ。私がずっと言い続けている言葉は、毎月の報告書にも当てはまります。
営業マンを置かずに年商4.8億円、年間1000件の案件を回してきた経験から言えるのは、仕事は「頼んでよかった」と思われた回数で続くということです。新しいお客さんを1件取るより、今のお客さんに来年も頼んでもらうほうが、ずっと少ない手間で済みます。
なぜ「防いだこと」は報告書の一番上でないと届かないのか?
担当者が報告書を見る時間は、およそ3秒です。3秒で読めるのは、1枚目の上から2行ほどです。
A社の報告書にも、「防いだこと」の材料は入っていました。8ページ目の点検表に「ドレン配管 清掃」と書いてあります。ただ、担当者は8ページ目まで開きません。開いたとしても、「ドレン配管」が何のことか分かりません。
担当者の役目も考えます。担当者は、報告書を読んで終わりではありません。院長や上司に「今月も大丈夫でした」と説明する役目があります。説明に使えるのは、担当者が自分の言葉で言い直せる1行だけです。
B社の1行目は、担当者が院長に言う言葉を、先に書いてあげたものでした。報告書を読むのは担当者です。契約を続けるか決めるのは、担当者の上にいる人です。1行目は、決める人に届く言葉で書きます。
なぜ今まで「防いだこと」を書けなかったのか?
理由は2つあります。
1つは、社長にとって「防いだこと」は当たり前すぎることです。排水が詰まれば水が漏れる。社長には、言うまでもない話です。当たり前すぎて、書こうと思いつきません。
もう1つは、手間です。点検10件の作業1つずつに「やっていなかったら何が起きたか」を考えて書けば、1件1時間はかかります。月10時間を報告書に使う余裕は、小さな事業にはありません。
AIを使うと、手間の部分が変わります。作業メモを貼って、ある聞き方をするだけで、「防いだこと」の候補が数十秒で並びます。社長がやるのは、候補の中から本当に起きそうなものを選び、自社の実際の数字に直すことだけです。
普通にやると1件1時間、作業メモから始めると20分
作る順番は、次の5つです。
- 【手順1】作業メモと点検表をAIに貼り、今月の作業を書き出させる(3分)
- 【手順2】作業を「もしやっていなかったら」に逆算させ、防いだことを3つ選ぶ(5分)
- 【手順3】先月・去年と比べた変化を1行にする(4分)
- 【手順4】来月の予告と、ついでにできること1つを書く(3分)
- 【手順5】1枚目に並べ、担当者が上司に転送できる3行を添えて送る(5分)
普通に「防いだこと」を考えながら報告書を作ると、1件1時間。作業メモから始めてAIに逆算させると、1件20分です。慣れれば2件目からは、同じお客さんの先月の報告書を下敷きにして、もっと早く終わります。
20分のうち、社長が頭を使うのは手順2の5分だけです。残りは、貼る・選ぶ・並べるの作業です。点検の現場から戻った夜でも、疲れた頭で終わらせられます。10件のお客さんがいれば、1日2件ずつ5日に分けても回ります。
手順2に、本記事でいちばん大事な聞き方があります。普通にAIに「報告書を作って」と頼むと、作業の一覧がきれいに並ぶだけです。A社の12ページと同じものができあがります。
20分後、あなたの月次報告書は“来年も頼みたくなる月次報告書”になります
作る順番を変えると、何が変わるのか。並べてみます。
| 項目 | 今まで | 20分後から |
|---|---|---|
| 報告書の1行目 | 「今月も異常はありませんでした」 | 「今月、防いだこと」 |
| 報告書の枚数 | 12ページ | 1枚(明細は別添え) |
| 担当者が読む時間 | 3秒 | 1分(上司に転送される) |
| 1件の報告書を作る時間 | 30分(防いだことを考えるなら1時間) | 20分 |
| 更新前の電話 | 「回数を減らしたい」 | 「ほかの場所も見てほしい」 |
| 年間の解約 | 10件中3件 | 0件を目指せる |
いちばん変わるのは、あなたの口ぐせです。
「今月も、特に異常はありませんでした」
が、
「今月は、夏前に排水の詰まりを取っておきました。7月に水漏れする心配はありません」
になります。
お客さんの言葉も変わります。「毎月何をしてもらっているのか分からない」が、「毎月ちゃんと見てくれているんですね」になります。「上に説明しやすい報告書ですね」と言われるようになります。
値段の話も変わります。「防いだこと」が12か月分たまると、1年で防いだ損の合計が見えます。更新の時期に、値下げの相談ではなく、点検の範囲を広げる相談が来やすくなります。相見積もりを取られて、安い会社に切り替えられる心配も減ります。解約を止めるために、電話で追いかける営業も要らなくなります。
浮いた時間も戻ってきます。読まれない12ページを作っていた年60時間は、新しい点検先を回る時間に変わります。
スタッフに任せやすくなるのも、大きな変化です。作業メモを貼る。候補から3つ選ぶ。数字を実績に直す。順番が決まっているので、社長が毎月の夜に作らなくても、最後の確認だけで回せます。
次の月末の夜を、想像してみてください。
あなたは、今月の作業メモをAIに貼ります。「防いだこと」の候補から3つを選び、自社の数字に直します。20分後、1枚の報告書が担当者に届いています。担当者は1行目を読み、上司に転送しています。
11か月後、更新の1か月前も想像してみてください。
担当者から届くのは、「回数を減らしたい」という電話ではありません。院長が「空調の会社、毎月よく見てくれているね」と話していた、という報告です。あなたの手元には、12か月分の「防いだこと」がたまっています。更新の話は、値段ではなく「来年度はどこを重点的に見るか」から始まります。
もちろん、契約が何年続くかは、業種や地域やお客さんの事情で変わります。本記事が約束できるのは1つです。「きちんと仕事をしているのに報告書が読まれず、何もしていないと思われて解約される」失敗を20分でなくすことです。
▼AIの使い方でつまずいている方へ。無料の7大特典(①AI超入門 ②話すだけ音声入力 ③AIをあなた専属のゴーストライターにする ④コピペで使えるAIプロンプト15選 ⑤AI画像生成ガイド ⑥Canva画像編集法 ⑦録音→AI議事録)はこちらから受け取れます
この先で手に入るもの
無料部分で、3つをお伝えしました。
- なぜ読まれないのか:点検や保守の仕事はうまくいくほど見えなくなり、「異常なし」の報告書は「何も起きなかった=払う意味がない」と受け取られるから
- 何を書けば来年も頼みたくなるのか:1行目に「やったこと」ではなく「防いだこと」を書く。業者は作業を報告し、先生は防いだ損を報告する
- どういう順番で作るのか:作業を書き出させる→「もしやっていなかったら」に逆算させる→変化を1行にする→来月の予告を書く→1枚目に並べて転送用の3行を添える
有料部分には、今月末の20分で実行するための道具だけを置きます。読む文章ではありません。埋める・貼る・照らし合わせる道具です。
- 20分後の完成見本1表(架空の空調設備会社の月次報告書・1枚目のできあがり)
- 月次報告の設計シート1枚(6つの欄を埋めるだけで、報告書の1枚目が決まる穴埋めシート。記入例つき)
- 貼るだけの指示文5本(①作業メモを整理させる ②【裏技】「もしやっていなかったら」を逆算させる ③変化を1行にまとめさせる ④1枚目と転送用の3行を作らせる ⑤【裏技】更新前の「1年で防いだこと」1枚を作らせる。◯の差し替え箇所つき)
- 業種別「防いだこと」早見表1つ(空調・清掃・給排水・パソコン保守・ホームページ保守・庭木管理・顧問業の7業種)
- 裏技2つ:①普通は作業の一つひとつについて「やっていなかったら何が起きたか」を社長が考え、1件1時間かかります。AIに逆算の聞き方をするだけで、5分で候補が並びます ②普通は更新前に12か月分の報告書を読み返してまとめ、半日かかります。毎月の「防いだこと」を貼るだけで、10分で「1年で防いだこと」1枚ができます
- 防いだことの判定表1つ/1枚目の並べ方表1つ/報告のひと言:言っていい・いけない表1つ
- 確認4か所とやってはいけない4つ
月3万円の契約が1件続けば、年36万円です。解約を1件止められれば、980円は何百倍にもなって返ってくる計算です。報告書づくりを外に頼む手間と比べても、元は取りやすい道具です。
向いている人:毎月お金をいただいて、点検・清掃・保守・管理・顧問などの仕事をしている方。更新の時期に「回数を減らしたい」「もう少し安く」と言われた経験がある方。作業メモや点検表を、写真か文字で手元に残している方。
向いていない人:継続の契約を1件も持っていない方(まずは見積書や提案書の記事からどうぞ)。報告書を送らずに口頭だけで済ませたい方。AIをまだ一度も開いたことがない方(まずは無料の7大特典の「AI超入門」からどうぞ)。
20分後、あなたの月次報告書はこうなります
以下は道具です。上から順に、埋める・貼る・照らし合わせる。20分で終わります。先に、できあがりを見てください。
完成見本:空調設備会社の月次報告書・1枚目(架空の例)
| 欄 | 書いてあること |
|---|---|
| 宛名 | ◯◯クリニック 総務ご担当◯◯様(7月分 点検のご報告) |
| 今月、防いだこと① | 2階会議室エアコンの排水の詰まりを除去。放置すると、真夏に天井から水漏れし、会議室が数日使えなくなるおそれがありました |
| 今月、防いだこと② | 待合室の室外機まわりの落ち葉を除去。放置すると、冷えが弱くなり、電気代が上がるおそれがありました |
| 今月、防いだこと③ | 受付のエアコンのフィルター清掃。ほこりによる冷房の停止を防ぎました |
| 先月・去年との変化 | 待合室の室温は、去年の7月より平均1.5度低く保てています(クリニック様の記録より) |
| 来月の予告 | 8月は暑さのピークです。お盆前に、診察室2台のガスの圧力を重点的に確認します |
| ついでにできること | 2階の室外機は設置から14年です。来年の春までに、交換のお見積もりを1枚お持ちできます(ご希望の場合のみ) |
| 明細 | 点検表・写真は別添え(2ページ) |
| 転送用の3行 | 今月は、会議室の水漏れにつながる排水の詰まりを取り除きました。ほかの2台も問題なく動いています。8月はお盆前に診察室を重点的に確認します |
※すべて架空の会社とお客さんの例です。年数・温度・金額は、あなたの点検表とお客さんの記録に置き換えます。
タイマーを20分にセットして、手順1から始めてください。
【手順1】作業メモと点検表をAIに貼り、今月の作業を書き出させてください(3分)
入力:今月の作業メモ(手書きなら写真、音声メモなら文字にしたもの)と点検表
出力:お客さんごとの作業の一覧(専門用語に、ふつうの言葉が添えてあるもの)
手作業なら:点検表を見ながら打ち直して15分
指示文①:作業メモを整理させる
あなたは設備点検の報告書づくりの補助係です。
以下は、◯◯(お客さんの呼び名。社名は伏せてよい)での◯月の点検の作業メモと点検表です。
次の形で、作業を一覧にしてください。
・1行に1作業
・作業の名前(専門用語のまま)
・ふつうの人に分かる言いかえ(20字以内)
・点検した場所
・結果(異常なし/処置した/次回注意)
メモに書いていない作業は足さないでください。数字や型番は、メモのとおりに書き写してください。
[ここに作業メモと点検表を貼る]
お客さんの住所・電話番号・担当者の個人名は、貼る前に「◯◯」に置き換えます。
【手順2】裏技:作業を「もしやっていなかったら」に逆算させて、防いだことを3つ選んでください(5分)
入力:手順1の作業一覧
出力:「防いだこと」の候補と、報告書に載せる3つ
手作業なら:作業の一つひとつについて社長が考えて、1件1時間
普通は「今月やったことを、お客さん向けに書いて」と頼みます。AIは作業をきれいに言いかえるだけで、「異常なし」の一覧ができあがります。
裏技は、作業を逆向きに聞くことです。「作業をしていなかったら、いつどこで何が起きていたか」と聞きます。答えが、「防いだこと」の候補になります。
指示文②【裏技】「もしやっていなかったら」を逆算させる
手順1の作業一覧の、1行ずつについて答えてください。
「もしこの作業をしていなかったら、この先3か月以内に、お客さんの建物(または会社)で、何が起きていた可能性があるか」
次の形で書いてください。
・作業の名前
・起きていた可能性があること(お客さんの目に見える形で。例:会議室が使えなくなる、待合室が暑くなる)
・起きそうな時期(例:7月の暑い日)
・起きやすさ(高い/ふつう/低い)と、その理由
お客さんを怖がらせる言葉や、言い切りすぎる言葉は使わないでください。
修理の金額や日数は書かないでください(あとで私が自社の実績から書き足します)。
最後に、起きやすさが「高い」か「ふつう」のもののうち、お客さんにとって困りごとが大きい順に3つを選んでください。
AIが出した候補は、次の判定表で照らし合わせてから選びます。
防いだことの判定表
| 判定 | 目安 | 例 | 使う? |
|---|---|---|---|
| 使う | 自社で実際に起きたことがある/点検表に根拠がある | 排水の詰まりを放置して天井から水漏れした現場が、過去にあった | 使う |
| 言いかえて使う | 起きる可能性はあるが、時期や規模が言い過ぎ | 「来週にも冷房が止まる」→「真夏に冷えが弱くなるおそれ」 | 直して使う |
| 使わない | 根拠がない/お客さんを怖がらせるだけ | 「火災の危険」「建物全体が水浸し」 | 使わない |
| 使わない | お客さん側の落ち度を責める形になる | 「フィルターを放置されていたため」 | 使わない |
業種別「防いだこと」早見表
AIの候補がピンと来ないときは、下の表の「防いだこと」の形に寄せて書き直させます。
| 業種 | 報告書に書きがちな作業 | 「防いだこと」の形 |
|---|---|---|
| 空調設備 | フィルター清掃・排水の点検 | 真夏に冷房が止まる/天井からの水漏れ |
| 清掃・ビルメンテナンス | 床の洗浄・排水口の清掃 | 来客に見える汚れ/においの苦情/すべって転ぶ事故 |
| 給排水設備 | 配管の点検・水圧の確認 | 営業中の断水/トイレが使えなくなる |
| パソコン・社内ネットワーク保守 | 更新プログラムの適用・バックアップの確認 | ウイルスの侵入/データが消えて1日仕事が止まる |
| ホームページ保守 | 更新の適用・問い合わせフォームの動作確認 | サイトが表示されない/問い合わせが届かないまま気づかない |
| 庭木・植栽管理 | せん定・落ち葉の清掃 | 台風で枝が折れて車や窓を傷つける/隣家からの苦情 |
| 顧問業(士業・コンサル) | 書類の確認・期限の管理 | 申告や届け出の期限切れ/知らずに払う追加の費用 |
最後に、選んだ3つに自社の実績の数字を書き足します。「去年、同じ詰まりで水漏れした現場の修理は◯日かかった」のように、実際にあったことだけを書きます。AIに数字を作らせません。
【手順3】先月・去年と比べた変化を1行にまとめてください(4分)
入力:先月の報告書(なければ去年の同じ月の点検表)と今月の点検表
出力:「先月・去年との変化」の1行
手作業なら:過去の報告書を探して見比べて20分
指示文③:変化を1行にまとめさせる
以下は、同じお客さんの先月(または去年の同じ月)と今月の点検表です。
数字が変わった項目を、すべて一覧にしてください。
そのうえで、お客さんにとって「良くなった」または「保てている」と言える変化を1つだけ選び、40字以内の1行にしてください。
表に書いていない数字は使わないでください。悪くなった項目は、1行とは別に「来月気をつけること」として書き出してください。
[先月の点検表を貼る]
[今月の点検表を貼る]
悪くなった項目は隠さず、手順4の「来月の予告」に回します。
【手順4】来月の予告と、ついでにできること1つを書いてください(3分)
入力:手順3の「来月気をつけること」と、季節(来月の天気や行事)
出力:「来月の予告」1行と「ついでにできること」1行
売り込みにならないように、次の表で言葉を選びます。
報告のひと言:言っていい・いけない表
| 場面 | 言っていい | 言ってはいけない |
|---|---|---|
| 異常がなかった月 | 「今月は◯◯を防ぎました。ほかは問題なく動いています」 | 「今月も特に異常はありませんでした」 |
| 古い設備を見つけた | 「設置から14年です。ご希望があれば、お見積もりを1枚お持ちします」 | 「早めに交換しないと危ないです」 |
| 来月の予告 | 「お盆前に、診察室を重点的に確認します」 | 「引き続きよろしくお願いいたします」 |
| 値段の話 | (月次報告書には書かない) | 「今なら特別価格で」 |
【手順5】1枚目に並べ、担当者が上司に転送できる3行を添えて送ってください(5分)
入力:手順2〜4の結果と、設計シート
出力:報告書の1枚目と、メール本文に貼る転送用の3行
手作業なら:レイアウトを考えながら組んで30分
月次報告の設計シート(穴埋め)
| 欄 | 書くこと | 記入例(架空の空調設備会社) |
|---|---|---|
| ①読む人 | 報告書を受け取る人と、読む人が見せる相手 | 総務の◯◯様/院長 |
| ②読む人の心配 | 更新の時期に、読む人が上から聞かれそうなこと | 「毎月3万円で何をしてもらっているの?」 |
| ③今月、防いだこと3つ | 手順2で選んだ3つ。1つ60字以内 | 会議室の水漏れ/冷えが弱くなる/冷房の停止 |
| ④変化の1行 | 手順3の1行 | 待合室の室温は去年より平均1.5度低い |
| ⑤来月の予告 | 手順4の1行 | お盆前に診察室2台を重点確認 |
| ⑥ついでにできること | 手順4の1行。なければ空欄でよい | 2階の室外機(14年)の交換見積もり |
1枚目の並べ方表
| 順番 | 置くもの | 目安の分量 | 置かないもの |
|---|---|---|---|
| 1 | 宛名と「◯月分」 | 1行 | 会社のロゴを大きく |
| 2 | 今月、防いだこと3つ | 各2行 | 作業の専門用語だけの行 |
| 3 | 先月・去年との変化 | 1行 | 数字の表をまるごと |
| 4 | 来月の予告 | 1行 | 「引き続きよろしく」だけの行 |
| 5 | ついでにできること | 1行(なければ省く) | 値段・値引きの話 |
| 別添え | 点検表・写真・型番の明細 | 何ページでも | 1枚目に混ぜない |
指示文④:1枚目と転送用の3行を作らせる
以下の設計シートをもとに、月次報告書の1枚目を作ってください。
・A4縦1枚。スマホで開いても読める大きさの文字で
・並べる順番:宛名→今月、防いだこと3つ→先月・去年との変化→来月の予告→ついでにできること
・専門用語を使うときは、かっこでふつうの言葉を添える
・設計シートに書いていない数字・約束は足さない
・「安心してください」のような言い切りの言葉は使わない
続けて、担当者の方が上司にそのまま転送できる「3行のまとめ」を作ってください。1行40字以内。1行目は「今月、防いだこと」のうち、いちばん大きいもの。
[ここに設計シートを貼る]
できた1枚目はPDFにし、メール本文の一番上に転送用の3行を貼って送ります。点検表と写真は、別のファイルで添えます。
【年に1回】裏技:更新の2か月前に「1年で防いだこと」を1枚にしてください(10分)
入力:12か月分の「今月、防いだこと」の欄だけ
出力:更新前に渡す「1年で防いだこと」1枚
手作業なら:12か月分の報告書を読み返して半日
普通は12か月分の報告書を読み返してまとめるので、半日かかります。
裏技は、毎月の「防いだこと」の欄だけを12個貼ることです。手順2で書いた欄が、1年の材料になります。
指示文⑤【裏技】「1年で防いだこと」1枚を作らせる
以下は、◯◯(お客さんの呼び名)の1年分の「今月、防いだこと」です。
次の形で、A4縦1枚にまとめてください。
・見出し:「◯年度 点検で防いだこと」
・季節ごと(春・夏・秋・冬)に、防いだことを並べる
・いちばん大きかったものを1つ選び、一番上に置く
・最後に「来年度、特に気をつけたい場所」を2つ書く(下の1年分の中から選ぶ)
1年分に書いていない数字・出来事は足さないでください。値段や更新の条件には触れないでください。
[ここに12か月分の「今月、防いだこと」を貼る]
更新のご案内を送る前に、「1年で防いだこと」の1枚を渡します。値段の話は、1枚を見てもらったあとにします。
出す前に確かめる4か所
- 確認①:「防いだこと」に書いた数字・年数・修理の日数が、点検表と自社の実績にすべて一致しているか(AIが書いた数字を信じ切らない)
- 確認②:1枚目の1行目が「異常なし」ではなく「今月、防いだこと」から始まっているか
- 確認③:お客さんの住所・担当者名・ほかのお客さんの情報が、AIに貼った文や報告書に残っていないか
- 確認④:スマホでPDFを開いて、1枚目が拡大しなくても読めるか。転送用の3行がメール本文の一番上にあるか
やってはいけない4つ
1. 数字をAIに決めさせない。修理の金額・日数・設備の年数は、点検表と自社の実績に書いてあるものだけを使います。指示文にも「書いていない数字は足さない」の1行を入れます
2. お客さんの個人情報や社外秘をAIに貼らない。住所・電話番号・担当者の個人名・建物の図面は、貼る前に外すか「◯◯」に置き換えます
3. 起きていないことを大げさに書かない。「火災の危険」「建物全体が水浸し」のように、根拠のない怖がらせ方をしません。判定表の「使わない」に当たる候補は捨てます。一度でも盛ると、残りの11か月の報告書まで信じてもらえなくなります
4. 月次報告書で売り込まない。「ついでにできること」は1行だけ、ご希望の場合のみ。値引きや期限つきの案内を入れると、1年かけて積み上げた「防いだこと」が、売り込みの前置きに見えてしまいます
一人で進められないときの次の一歩
詰まるとしたら2か所です。手書きの点検表や音声メモを、AIに読める形にするところ。できた月次報告書を、10件・20件のお客さんに毎月回し続ける仕組みにするところ。どちらも会社ごとに正解が変わります。
まずは無料の7大特典で、AIに何をどう渡すかの型を手元に置いてください。特典の「話すだけ音声入力」は手順1の作業メモづくりで、「コピペで使えるAIプロンプト15選」は指示文の差し替えで役に立ちます。月次報告書をスタッフに任せて、社長は最後の確認だけで回る形にしたい方には、AIスモビジ実践会があります。あなたの会社の点検表を実際に触りながら進める場です。本気で仕組みに変えたい方だけ来てください。
道具を今月末に全部使えば、翌朝には4つがそろっています。埋まった月次報告の設計シート。「今月、防いだこと」から始まる1枚目。担当者が手を加えずに転送できる3行。12か月後の「1年で防いだこと」の材料。次に更新の時期が来たとき、あなたは値下げの言い訳を考えません。1年で防いだことを1枚にして、渡すだけです。
まとめ:今日やることは、先月の作業を1つだけ「逆さま」に書くことです
- 読まれないのは、仕事が足りないからではなく、点検や保守の仕事はうまくいくほど見えなくなるから
- 「異常なし」の報告書は、お客さんには「何も起きなかった=払う意味がない」と受け取られる
- 解約で年72万円、値下げで年60万円、読まれない報告書づくりで年60時間が消えている
- 報告書の1行目に「やったこと」ではなく「防いだこと」を書く。業者は作業を報告する、先生は防いだ損を報告する
- 防いだことの数字は自社の実績から書き、起きていないことを大げさに書かない
今日やることは1つだけです。先月の点検の作業を1つ選び、「もしやっていなかったら、何が起きていたか」を1行書く。1行書けたら、来月の報告書の1行目が決まります。
報告書を厚くするほど読まれないなら、厚くするのをやめる。12ページの作業一覧より、1行の防いだことを届ける。
読まれないまま解約される月次報告書を、“来年も頼みたくなる月次報告書”に。 必要なのは、今月の作業メモとAIと20分だけです。やるかやらないか、それだけの話です。
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