【真ん中が選ばれる】「一番安いのでいいです」と言わせない見積もりの出し方|松竹梅を3つ並べて、お客さん自身に”竹”を選んでもらう小さな会社の提案術


「お見積もり、お願いします」

そう言われて、お客さんの要望どおりに、1枚の見積書を出す。

数日後、返ってくる言葉はいつも同じです。

「ちょっと高いですね」

「他社さんはもう少し安かったので」

「とりあえず、一番安いのでいいです」

いい仕事をしている自信はある。なのに、最後はいつも値段で比べられて、しぶしぶ値引きをして受注する。

これ、あなたの腕が悪いわけじゃないです。見積もりの「出し方」が、業者のままだから起きていることなんですよ。

この記事では、相見積もりに振り回されてきた小さな会社が、「一番安いので」と言われないために、松竹梅の3プランを「どう並べて、どう見せるか」を具体的にお伝えします。価格表を作る話ではありません。商談の場で、お客さん自身に”真ん中”を選んでもらうための、見せ方とトークの設計図です。

「一番安いのでいいです」と言われた瞬間、あなたは”業者”として扱われている

まず、はっきり言います。

「一番安いのでいいです」と言われるのは、お客さんがケチだからではないです。

あなたが出した見積もりが、値段でしか比べられない状態になっているからです。

選択肢が1つしかないと、お客さんの頭の中では何が起きるか。

比べる相手が、あなたの会社の「中」にいないんですよ。だから、比べる相手を「外」に探しに行く。それが、他社の見積もりです。

あなたが1枚の見積書を出した瞬間、お客さんは「これは妥当な金額なのか?」を判断できません。判断材料が、その1枚しかないからです。だから不安になって、別の会社にも声をかける。そして、出てきた数字の中で一番安いものを選ぶ。

これが、相見積もりの正体です。

お客さんは「安い会社」を探しているんじゃないです。「自分の判断が間違っていないか」を確認したいだけなんですよ。その確認材料を、あなたが1つしか渡さなかった。だから外に探しに行かれた。それだけの話です。

ここを、「業者」と「先生」の違いとして覚えておいてください。

業者は、言われたとおりの見積もりを1枚出して、比較されて終わる。

先生は、3つ並べて、お客さんに「どれにしますか」と選ばせる。

同じ仕事、同じ金額でも、見せ方ひとつで立場が逆転します。

なぜ1つの見積もりしか出さないと、お客さんは”値段”でしか比べられないのか

もう少し、お客さんの心の中を見ていきます。

人は、たった1つのものを差し出されると、その価値を正しく判断できない生き物です。

たとえば、知らないお店で「このワイン、5,000円です」と言われても、それが高いのか安いのか分からないですよね。でも、隣に「3,000円のワイン」と「1万円のワイン」が並んでいたら、急に「5,000円は真ん中で、悪くないな」と思える。

値段は、比べる相手があって初めて意味を持つんです。

これは、あなたの見積もりでもまったく同じです。

100万円の工事の見積もりを1枚だけ出す。お客さんは「100万円が高いのか安いのか」を、自分の中では判断できない。だから、外の会社に判断を委ねる。

ここで多くの社長がやってしまうのが、「じゃあ最初から安くしておこう」という発想です。最初から80万円で出す。

でも、これは一番やってはいけないことです。

なぜなら、80万円で出しても、お客さんはまた「これは妥当か?」が分からないから、結局また外と比べる。そして「他社は75万円でした」と言われて、さらに値引きする。

安くしても、比べる相手を外に作っている限り、価格競争からは一生抜けられないんですよ。

やるべきことは逆です。比べる相手を、あなたの会社の「中」に作ることです。

答えは「松竹梅」を3つ並べて、お客さん自身に選んでもらうこと

では、どうするか。

答えはシンプルです。見積もりを、3つ並べて出すこと。これが松竹梅見積もりです。

私がいつもクライアントに伝えているのは、こういうことです。

> お客さんに言われたとおりの見積もり、これ「竹」って言うんですけど、これだけ出してるうちは、あなたはただの業者です。比較されて終わり。プロなら3つ出しなさい。松・竹・梅です。

3つのプランの役割は、それぞれこうです。

  • :予算重視。機能や範囲を削って、コストを下げたプラン
  • :お客さんの要望どおりの、標準プラン
  • :プロとして本当におすすめする、高品質・高効果のプラン

ここで起きることが、決定的に大事です。

3つ並べた瞬間、お客さんの頭の中で、比べる相手が「外」から「中」に変わります。

「A社とB社、どっちが安いか」で悩んでいたお客さんが、「松・竹・梅、どれにしようか」で悩み始める。

> こうやって選択肢を与えるとどうなるか? お客さんは他社と比較するのをやめて、あなたの会社の中のどのプランにするかを悩み始めるんです。これが、選ばれるということなんですよ。

これが、相見積もりを「無効化」するということです。相見積もりに勝とうとして値引き合戦をするんじゃないです。そもそも、外と比べる必要をなくしてしまう。

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3つ並べると、なぜ”真ん中の竹”が自然に選ばれるのか

ここで、ほとんどの人が気づいていない仕組みがあります。

人は、3つの選択肢を出されると、極端なものを避けて、真ん中を選ぶという強い傾向があります。

一番安い「梅」は、「安かろう悪かろうじゃないか」と不安になる。

一番高い「松」は、「さすがにそこまでは」とためらう。

その結果、多くの人が「真ん中の竹なら間違いないだろう」と、自分から竹を選びます。

ここが重要です。あなたが「これにしてください」と押し売りしたわけじゃない。お客さんが、自分の意思で竹を選んだんです。

自分で選んだものに、人は文句を言いません。値引き交渉もしにくくなる。なぜなら、それは「あなたが押し付けた金額」ではなく、「自分が納得して選んだ金額」だからです。

そして、ここでもう一段、大事なことがあります。

もしあなたが、いつも竹の金額しか出していなかったとしたら。その竹は、お客さんにとって「一番高い選択肢」に見えていた可能性が高いです。比べる相手がいないから、その金額が天井に見える。

でも、松竹梅で出すと、竹は「真ん中の、安心できる選択肢」に変わります。

同じ竹の金額なのに、お客さんの受け取り方がまったく変わる。これが、3つ並べる威力です。

実際に、相見積もりで毎回叩かれていた会社が、松竹梅で出すようにしただけで、平均単価が上がったケースはいくらでもあります。商品を変えたわけでも、値上げを宣言したわけでもない。見せ方を変えただけです。

見せる順番で結果が変わる|「松から見せる」とお客さんの基準が上がる

3つ並べる、で終わりにしないでください。

ここから先が、できている人とできていない人で、大きく差がつくところです。

それは、見せる「順番」です。

多くの人は、安い梅から説明します。「一番お安いのがこちらで…」と。

でも、これをやると、お客さんの基準が「安いほう」に引っ張られます。最初に見た金額が、その人の「基準値」になってしまうからです。

おすすめは逆です。松から見せること。

最初に、一番いいプラン(松)を、堂々と説明する。「私がプロとして、本当におすすめしたいのはこちらです」と。

そうすると、お客さんの頭の中の基準値が、まず松の金額にセットされます。その後で竹を見ると、「松よりは手頃だな」と感じる。最後に梅を見ると、「これはさすがに削りすぎかな」と感じる。

結果、真ん中の竹が、ますます「ちょうどいい選択肢」に見えてくる。

順番を変えただけで、選ばれるプランの単価が上がるんですよ。

ここで、絶対にやってはいけないことがあります。それは、松を「申し訳なさそうに」見せることです。

「まあ、これは高いので、参考までに…」なんて言ってはいけない。松は、あなたがプロとして自信を持って推す本命です。そこに後ろめたさがあると、お客さんに伝わります。堂々と、「これが一番いいです」と言い切ってください。

商談で使える、松竹梅の伝え方トーク

では、実際の商談で、どう言葉にするか。具体的なトークの流れをお伝えします。

まず、いきなり金額を見せないこと。先に、3つ用意した「理由」を伝えます。

「ご要望はうかがいました。ただ、ご要望どおりに作るプランだけだと、本当にそれが御社にとって最適かどうか、判断しづらいと思うんです。なので、今日は3つのプランをご用意しました」

これだけで、お客さんは「この人は、ちゃんと考えてくれている」と感じます。1枚出すだけの業者とは、ここで差がつきます。

次に、松から説明します。

「まず、私がプロとして一番おすすめしたいのが、こちらです。なぜこれを一番に持ってきたかというと…」

ここで、松の「効果」を語ります。値段の話ではなく、それを選ぶとお客さんがどうなるか、を語る。

そして竹。

「とはいえ、まずは標準的なところから、というのもよく分かります。ご要望どおりに作るのが、こちらです」

最後に梅。ここがプロの腕の見せどころです。

「もし、どうしても予算を抑えたい場合は、ここを削ればこの金額になります。ただ、正直に言うと、ここを削ると◯◯が弱くなるので、私はあまりおすすめしないです」

そう、梅にはあえてデメリットを正直に言う

これが「先生」の振る舞いです。業者は、お客さんが「安いの」と言えば、黙って安いものを出す。先生は、「それ、やめておいたほうがいいですよ」とNoが言える。

このNoが言えるかどうかで、あなたが「言いなりの業者」になるか、「頼れる先生」になるかが決まります。

> プロなら『もっと安く済む方法』と『もっと効果が出る方法』を添えて返しなさい。それで初めて『業者』から『パートナー』になれるんです。

実は私自身も、自分の商品を”松竹梅”で設計しています

「そんなにうまくいくものか」と思った方へ、正直に打ち明けます。

私自身、自分が主催している実践会の価格を、この松竹梅で設計しています。

梅・竹・松の3つのプランを用意して、その中で「竹を本命」として、参加者の8割くらいが竹を選ぶように組み立てている。これは、思いつきでやっているんじゃないです。自分のクライアントに教えてきた型を、自分のビジネスでもそのまま使っているだけです。

なぜ、わざわざ3つ作るのか。

1つしか出さなかったら、「高い」か「安い」かの二択になってしまう。でも3つあれば、お客さんは「自分に合うのはどれか」で考えてくれる。そして、ちゃんと価値を説明すれば、一番安いプランに殺到することはないんです。

逆に言うと、もしあなたが今、いつも一番安いプランばかり選ばれているとしたら。それは、お客さんがケチなのではなく、プランの見せ方と、価値の伝え方ができていないだけです。

ここは、才能やセンスの話ではないです。型を知って、その通りに並べるかどうか。やるかやらないか、それだけの話です。

松竹梅の3プランは、AIを使えば15分で作れる

「3つも作るのは面倒だ」と思った方、ここはAIに任せてください。

松竹梅の見積書や提案書を、毎回ゼロから手で作る必要はないです。一度パターンを作ってしまえば、あとはAIが下書きをしてくれます。

やり方はシンプルです。

AIに、自分の商品やサービスの情報を「渡して」おく。どんな仕事をしていて、いくらで、どこまでやるのか。お客さんはどんな人で、どんなことで悩んでいるのか。これを一度、AIに教えておきます。

そのうえで、「この案件で、松竹梅の3プランの提案文を作って」と頼む。すると、梅・竹・松それぞれの内容と、おすすめ理由の下書きが、数分で出てきます。

ここで多くの人がつまずくのが、「AIに自社の情報を渡していない」ことです。何も渡さずに「見積もり作って」と頼むから、どこかで見たような、当たり障りのない一般論しか返ってこない。

逆に、自社の情報をしっかり渡したAIは、あなた専属のゴーストライターになります。あなたの言葉で、あなたの商品の松竹梅を、勝手に書いてくれるようになる。

しかも、パソコンが苦手でも問題ないです。現場で「今回はこんな感じの案件で、予算はこのくらいで」とスマホに話しかけるだけで、AIがそれを提案文の形に整えてくれる。キーボードを叩く必要すらないんですよ。

提案書作成に半日かけていた人が、15分で3プランの下書きを用意できる。空いた時間で、肝心の「商談での見せ方」に集中すればいいんです。

3つ並べても選ばれない人が、やりがちな失敗

最後に、松竹梅を始めたのに、なぜか単価が上がらない人の「失敗パターン」を、本音でお伝えします。

1つ目は、梅を安くしすぎること。

予算重視のプランとはいえ、あまりに安くすると、そこに引っ張られます。梅は「これを選ぶとここまで削れますよ(でもおすすめしません)」という、比較のための選択肢です。集客用の捨て値にしてはいけないです。

2つ目は、松が現実離れしていること。

「とりあえず高いのを置いておけ」と、誰も選ばないような非現実的な松を作る人がいます。これだとお客さんに見透かされて、信頼を失います。松は、本当におすすめできる、中身のある本命にしてください。

3つ目は、結局「竹・竹・竹」になっていること。

3つ並べたつもりでも、中身がほとんど同じで、値段だけ違う。これだと、ただの値段比較に逆戻りです。それぞれのプランで「何が違って、なぜその値段なのか」が、はっきり分かれていないといけないです。

4つ目は、並べただけで、何も説明しないこと。

紙だけ渡して「ご検討ください」では、3つ並べた意味が半分も出ません。松竹梅は、見せ方とトークがセットで効きます。だからこそ、商談の場で「なぜ松をおすすめするのか」を、自分の言葉で語ってください。

この4つを避けるだけで、松竹梅は一気に機能し始めます。

今日からできる、見積もりを”3つ”にする最初の一歩

難しく考えなくていいです。最初の一歩は、これだけです。

ステップ1:いつもの見積もりを「竹」に置く。

今あなたが出している標準的な見積もり、それがそのまま「竹」になります。新しく作る必要はないです。

ステップ2:竹から削った「梅」と、竹に足した「松」を作る。

竹から機能や範囲を削れば梅。竹に、本当はおすすめしたい提案を足せば松。これで3つ揃います。

ステップ3:次の商談で、松から順番に説明してみる。

いきなり全案件でやらなくていいです。まずは1件、次の商談で試してみてください。お客さんの反応が、明らかに変わるのが分かります。

この3ステップを、AIに手伝ってもらいながらやれば、半日もかかりません。

「分かったけど、自分の業種だとどう組めばいいか分からない」「AIに何をどう渡せばいいのか、いまいち掴めない」という方も多いと思います。そういう方のために、見積もりの組み方からAIへの渡し方まで、最初の一歩をまとめた無料ガイドを用意しています。

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まとめ|1つの見積もりで戦うな、3つ並べて選ばせろ

相見積もりで価格を叩かれるのは、あなたの腕のせいでも、お客さんがケチだからでもないです。

見積もりを1枚しか出さないから、お客さんは比べる相手を「外」に探しに行く。それだけのことです。

やることは、シンプルです。

松竹梅の3つを並べて、比べる相手を「あなたの会社の中」に作る。そして、松から順番に、自信を持って見せる。あとは、お客さん自身が真ん中の竹を選んでくれます。

相見積もりに勝とうとして、値引きで消耗するのをやめてください。

3つ並べて、お客さんに選ばせる。

業者で終わるな、先生として選ばれろ。やるかやらないか、それだけの話です。


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