【その場で考えるな、先に用意しろ】”高いですね””検討します”で商談が止まる社長へ|AIをお客さん役にして「聞かれること30個と答え」を30分で作り、値引きせずにその場で決めてもらうAI商談準備術


最近、「AIで営業資料が作れる」「AIで見積書が作れる」という話をよく見かけるようになりました。

でも、正直こう思いませんか。

資料はもう十分ある。見積書も出している。それなのに、肝心の商談で「高いですね」「一度、社内で検討します」と言われて、そこから連絡が来ない。

問題は資料じゃないんです。その場で聞かれたときに、答えを持っていないことなんです。

だからこそ、今回は「商談で聞かれることを、先に全部AIに洗い出させて、答えを用意しておく」という、一番地味で、一番効く準備の方法を書きました。

パソコンが苦手でも大丈夫です。スマホに向かって話すだけで、30分あれば「聞かれること30個と、その答え」が手元に揃います。

“いい提案”なのに「検討します」で終わる、本当の理由

まず、はっきり言います。

商談が流れる原因の大半は、商品が悪いからでも、価格が高いからでもありません。

お客さんの中に残った「不安」を、その場で消せなかったからです。

お客さんは、商談の場でこう考えています。

  • これ、本当にうちに必要なのか
  • 他社はもっと安いんじゃないか
  • この会社、ちゃんと最後までやってくれるのか
  • 今じゃなくてもいいんじゃないか
  • 失敗したら、誰が責任を取るのか

この5つのうち、1つでも解消されないまま終わると、人は決断しません。決断しない理由を言葉にするのは気まずいので、代わりに使われるのが「検討します」という便利な一言です。

つまり「検討します」は、断り文句ではありません。「まだ不安が残っています」というサインです。

ここで多くの社長がやってしまうのが、値引きです。

「もう少しお安くできますが…」

これ、最悪の一手です。値引きした瞬間、あなたの会社は「価格で選ばれる会社」に変わります。最初の金額は何だったのか、という話にもなる。しかも、値切って決めたお客さんは、次も値切ります。

不安が原因なのに、価格で解決しようとしている。だから決まらないし、決まっても利益が残らないんです。

答えはシンプルです。その場で考えるのをやめて、先に用意しておけばいい

私が「その場で考えるな」と言い切る理由

私は学生時代に、飛び込み営業をやっていました。

これがもう、本当につらかった。売れないのは当然として、そもそも「いらない」と言っている人に頭を下げるのが苦痛で仕方なかったんです。なんでこんな非効率なことをしなきゃいけないんだ、と怒りすら覚えました。

そこで誓ったんです。二度と自分から売り込みはしない。向こうから「お願いします」と来る仕組みを作るまで、絶対に足は動かさない、と。

その後、リフォーム業に未経験から参入して、実質少人数の体制で年商4.8億円まで持っていきました。営業マンは雇っていません。Web集客中心で、年間1000件規模の新規案件を獲得しました。

なぜ営業マンなしで回ったのか。

才能のあるトップセールスがいたからではありません。「聞かれることが決まっている」から、答えを先に用意しておいただけです。

考えてみてください。商談でお客さんから飛んでくる質問は、毎回まったく違いますか?

違いません。ほとんど同じです。「他社と何が違うんですか」「この金額の根拠は」「工期はどれくらい」「後から追加費用は出ませんか」「保証はどうなってますか」。業種が変わっても、聞かれることの”骨格”は驚くほど同じです。

同じことを聞かれているのに、毎回その場で考えて、毎回違う答え方をして、毎回言葉に詰まる。これでは差が出るはずがありません。

営業がうまい人というのは、口がうまい人ではないんです。準備している人です。

そして今は、その準備をAIが肩代わりしてくれます。

商談で聞かれることは、実は「30個」しかない

「想定問答を作りましょう」と言うと、たいてい嫌な顔をされます。何百個も考えるのは無理だ、と。

安心してください。数は多くありません。私の経験上、業種を問わず、質問は次の5カテゴリに収まります。そして各カテゴリ6問ずつ、合計30問も押さえておけば、商談の8割はカバーできます。

カテゴリお客さんの本音代表的な質問
①価格損をしたくない「高いですね」「他社はもっと安かった」「値引きできませんか」
②比較なぜここを選ぶのか「他社と何が違うんですか」「A社さんも同じことを言っていました」
③信用この会社は大丈夫か「実績はありますか」「同じような会社の事例は」「社員は何人ですか」
④タイミング今じゃなくてもいい「もう少し様子を見てから」「来期の予算で考えます」
⑤アフター後で困らないか「終わった後のサポートは」「追加費用は出ませんか」「保証は」

ここで大事なのは、質問の”言葉”ではなく、その裏にある不安の正体です。

「高いですね」は、値段が高いという意味ではありません。「この金額に見合う価値が、まだ見えていません」という意味です。

だから、値引きは的外れなんです。返すべきは、価格の根拠と、選択肢です。

そして、この30問の答えを一度作ってしまえば、それは一生使えます。商談のたびに作り直す必要はありません。年に一度、内容を見直せば十分です。

一度作れば、寝かせておいても効く。私がずっと言っている「フロー労働より、ストック資産を持て」というのは、集客だけの話ではないんです。営業も同じです。

【手順】AIをお客さん役にして「想定問答30個」を30分で作る

ここからが本題です。実際のやり方を、3ステップで書きます。

キーボードが苦手なら、スマホの音声入力で構いません。職人さんも経営者も、キーボードを叩く必要はないんです。スマホに向かって話して、AIに投げる。これで十分です。

ステップ1:自社の情報をAIに渡す(ここを飛ばすから使えない)

いきなり「商談の想定問答を作って」と頼まないでください。それをやるから、どこかで見たような一般論しか返ってこないんです。

AIが使えないと感じる理由は、ひとつだけです。AIに、自分の情報を渡していないから

AIは、あなたの仕事も、強みも、お客さんのことも知りません。だから、まず渡します。話す内容はこれだけです。

  • 何の商売をしているか(例:福岡で戸建てのリフォーム、社員3人)
  • 誰がお客さんか(例:築20年以上の持ち家、40〜60代のご夫婦)
  • いくらの商品を売っているか(例:平均80万円、最小20万円、最大300万円)
  • 過去に実際に言われて困った一言(例:「ネットで見たらもっと安かった」)
  • 自分では強みだと思っていること(例:自社施工で下請けに丸投げしない)

特に4つ目です。実際に言われて詰まった一言。これが一番の材料になります。きれいにまとめる必要はありません。「この前、〇〇さんに”知り合いの大工に頼めばもっと安いよね”って言われて、何も返せなかった」——そのまま話せばいいんです。

ステップ2:「お客さん役」をやらせて、質問を30個出させる

情報を渡したら、次にこう頼みます。

> あなたは、私の見込み客です。上に書いた条件の会社から提案を受けた側として、契約前に不安に思うこと・実際に口に出す質問を30個挙げてください。

> 「価格」「他社比較」「実績・信用」「導入のタイミング」「アフター・保証」の5つに分けて、各6個。

> きれいな質問ではなく、少し意地悪な質問、面と向かっては言いにくいけれど内心で思っていることも入れてください。

ここでのコツは、「意地悪に」と指定することです。これを言わないと、AIは優等生の質問しか出しません。実際の商談で困るのは、優等生の質問ではないですよね。

出てきたリストを見て、「うちではこれは聞かれない」というものは消してください。逆に「これは必ず聞かれるのに入っていない」ものは足す。この取捨選択だけは、社長にしかできません。

ステップ3:答えを作らせて、”自分の言葉”に直す

30個そろったら、答えを作らせます。

> この30個の質問それぞれに、私の会社の立場で答えを作ってください。条件は3つ。

> ①値引きを提案しない ②必ず理由と根拠をセットにする ③最後に、こちらから相手に返す質問を1つ添える

> 話し言葉で、3〜4行程度にしてください。

最後の「こちらから返す質問を添える」が効きます。

たとえば「高いですね」に対して、値引きではなくこう返す。

> 「はい、決して安くはないです。うちは自社の職人が入るので、下請けに出す会社さんより人件費が乗ります。ただ、そのぶん手直しが出たときに何度でもすぐ動けます。——ちなみに、今回は”とにかく費用を抑える”のと”10年持たせる”のと、どちらを優先されたいですか?」

これで、話が「価格の勝負」から「何を優先するかの相談」に変わります。業者ではなく、先生の立ち位置に戻る瞬間です。

そして最後。出てきた答えを、必ず自分の言葉に直してください。AIの文章のままだと、商談中に絶対に出てこない言葉が混ざります。「弊社といたしましては」なんて、普段言わないですよね。声に出して読んでみて、言いにくい部分を自分の口調に置き換える。ここが8割AI、2割人間の”2割”です。

30分あれば終わります。1回作れば、来年も使えます。

▼「自分の情報をAIに渡す」やり方を、テンプレごと無料でまとめました。今回の想定問答づくりにもそのまま使えます。こちらから受け取れます。

https://m.kpartner.jp/p/m2q9CoFGHOzc?ftid=C9WMRegRGHIg

「高いですね」への正解は、値引きではなく”松竹梅”

想定問答の中で、圧倒的に多いのが価格の質問です。ここだけは、型を持っておいてください。

相見積もりで負ける理由は、実は簡単です。お客さんの言う通りの見積もりを、1枚だけ出しているから

言われた通りの内容を、1枚。これを私は「竹」と呼んでいます。竹だけを出しているうちは、あなたはただの業者です。他社の竹と並べられて、安いほうが選ばれて終わりです。

プロなら3つ出しなさい、といつも言っています。

  • :予算重視。範囲や仕様を削ってコストを下げたプラン
  • :ご要望どおりの標準プラン
  • :プロとして本当におすすめしたい、高品質・高効果のプラン

こうすると何が起きるか。

お客さんは、他社と比べるのをやめて、あなたの会社の中のどのプランにするかを悩み始めるんです。比較の土俵が、社外から社内に移る。これが、相見積もりを無効化するということです。

この3プラン作りも、AIが得意です。

> 以下の見積もり内容をもとに、松・竹・梅の3プランに分けてください。

> 梅は何を削ってその金額になるのか、松は何を足すとどういう結果になるのかを、お客さんに口頭で説明する言葉で書いてください。専門用語は使わないでください。

ポイントは「削ると何が起きるか」まで書かせることです。ただ安いプランを並べるだけだと、お客さんは当然そちらを選びます。梅を選んだ場合に諦めるものをきちんと伝えてはじめて、松の価値が伝わります。

「もっと安く済む方法」と「もっと効果が出る方法」を添えて返す。それで初めて、業者からパートナーになれるんです。

AIを”意地悪なお客さん”にして、5分だけリハーサルする

想定問答を作っただけで満足しないでください。読んで覚えるのと、口から出るのは別ものです。

そこで、AIに商談の相手役をやらせます。

> これから商談のロールプレイをします。あなたは、私の提案を受けた見込み客の役です。

> 最初から乗り気ではなく、他社とも比較していて、価格に慎重な人という設定でお願いします。

> 私が話した内容に対して、1回に1つだけ質問や反論を返してください。私が答えたら、次の質問に進んでください。

> 5往復したら、最後に「私の受け答えのどこが弱かったか」を3つ指摘してください。

これ、やってみると驚きます。ボロが出ます。

しかも、AIは何度やっても嫌な顔をしません。同じ質問を10回聞き直してもいい。「今の答え、もっと短くして」と言ってもいい。人間相手のロープレでは、部下や奥さんに気を使わせてしまうので、こうはいきません。

音声入力を使えば、スマホに向かって実際に喋って練習できます。移動中の車の中でもできます。キーボードを叩く必要はありません。

私はよく「脳に汗をかいて仕組みを作れ」と言いますが、この5分のリハーサルこそ、その”汗”の部分です。ここだけは代行できません。ただし、相手役と指摘役はAIが無料で引き受けてくれる。使わない手はないです。

業種別:よく出る質問と、返し方の型

「うちの商売は特殊だから」とよく言われます。でも、骨格はどこも同じです。参考に、4業種の代表例を挙げます。

業種よく出る質問やってしまいがちな返し用意しておく返し
工務店・リフォーム「知り合いの大工ならもっと安い」「うちも頑張ります」と値引き「安くはなります。ただ保証書と工程管理が付かないので、10年後に差が出ます。今回はどちらを重視されますか」
整体・美容「通わないと効果ないんでしょ?」「個人差があります」と濁す「はい、回数は必要です。だから最初に何回で何を目指すかを決めます。ゴールを先に決めましょう」
士業「他の先生はもっと安い顧問料でした」料金表を出して沈黙「顧問料の中身が違うと思います。うちは月1回の面談と、決算前の節税提案が入っています。何を任せたいですか」
不動産「もう少し様子を見ます」「ではまたご連絡します」「様子を見るのは正解です。ただ、この条件だと動くのは今月中です。判断材料を先にお渡ししましょうか」

共通しているのは、否定しないこと、根拠を出すこと、最後に質問で返すことの3つです。

そして、この表を見て「うちならこう言うな」と思ったなら、それがあなたの答えです。AIが出した答えより、その一言のほうが100倍強い。AIはあくまでたたき台で、最終判断は人間がやる。この順番は絶対に崩さないでください。

作った答えを、商談の場だけで終わらせるな

ここが、今日一番お伝えしたいところかもしれません。

せっかく30個の質問と答えを作ったのに、それを商談のときだけ使って引き出しにしまう。これ、もったいなさすぎます。

その30個は、そのままホームページのコンテンツになります

「よくあるご質問」のページに載せる。料金ページに「なぜこの金額なのか」を書く。施工事例に「お客さまが最初に心配されたこと」として載せる。

そうすると何が起きるか。

商談の前に、お客さんの不安が半分消えた状態で会えるんです。

ホームページは名刺ではありません。24時間働く営業マンです。あなたが寝ている間も、文句ひとつ言わずに、同じ説明を何度でも繰り返してくれる。しかも疲れません。

私が営業マンを雇わずに年間1000件規模の案件を回せたのは、この「先に答えてある状態」を作ったからです。問い合わせが来た時点で、相手はもう納得している。だから話が早いし、値切られない。

SNSに書いた質問と答えは、3日で流れて消えます。ホームページに置いた質問と答えは、3年後もお客さんを連れてきます。フローとストック、どちらに時間を使うかという話です。

AIに任せてはいけない、3つの線引き

便利な話ばかり書きましたが、ここは必ず守ってください。

1. 実績や数字を、AIに作らせない

「施工実績1000件」「顧客満足度98%」——こういう数字を、AIが勝手に埋めてくることがあります。事実でないなら、絶対に使ってはいけません。誇大表示は、信用を一発で失います。数字は自社の帳簿から拾ってください。

2. 値引きの判断を、AIにさせない

いくらまで下げられるかは、原価と利益率を知っている社長にしか決められません。AIに「値引き案を出して」と頼むと、平気で「10%引き」などと言ってきます。判断は人間です。

3. 約束を、AIの言葉のまま口にしない

「必ず」「絶対に」「保証します」。AIはこの手の強い言葉を混ぜてきます。商談の場で口にした約束は、契約と同じ重さになります。読み返して、守れない言葉は全部消してください。

たたき台はAI、最終判断は人間。これだけです。

逆に言えば、この3つさえ守れば、あとは思い切って任せていい。社長が使うべき時間は、質問リストを作ることではなく、お客さんの顔を見て話すことのはずです。

まとめ:準備した会社だけが「先生」になれる

商談が決まらないのは、話し方が下手だからではありません。聞かれることに、答えを用意していないからです。

やることは3つだけでした。

  • 自社の情報をAIに渡す(ここを飛ばすと一般論しか返らない)
  • 意地悪なお客さん役をやらせて、質問を30個出させる
  • 答えを作らせて、自分の言葉に直し、5分だけリハーサルする

30分です。しかも一度作れば、来年も再来年も使えます。

言われた通りの見積もりを1枚出して、聞かれたことにその場で答えて、最後に値引きする。これが「業者」のやり方です。

聞かれることを先に把握して、根拠を持って答え、松竹梅で選ばせる。これが「先生」のやり方です。

同じ商品を売っていても、この差で単価も成約率も変わります。才能ではなく、準備の差です。やるかやらないか、それだけです。

そして、この準備の入口が「AIに自分の情報を渡す」ことでした。ここができるようになると、想定問答だけでなく、提案書もメールもホームページの文章も、全部「あなたの言葉」で出てくるようになります。

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