45分で“呼び込まなくても足が止まる展示会ブース”の作り方


地域の住宅フェアで、2つのブースが隣に並んでいました。

A社のブースには、スタッフが3人。2日間で配ったチラシは400枚です。相談は1件でした。

B社のブースには、スタッフが1人。椅子に座ったまま、一度も声をかけませんでした。相談は14件です。

B社のパネルのいちばん上には、会社名が書いてありませんでした。

A社のパネルは立派でした。大きなロゴ。会社名。「創業40年の安心施工」の文字。印刷代は3万円です。

B社のパネルは、A4の紙を10枚つなげた手作りでした。通路を歩く人は、A社の前を早足で通り過ぎます。B社の前で、なぜか足をゆるめます。

チラシを配っても素通りされる展示会ブースと、呼び込まなくても足が止まる展示会ブース。差を生んだのは、パネルの1行目に書いた言葉でした。

商工会の産業展。住宅フェア。ホームセンターの出張相談会。地域のお祭りの出店。出展料を払い、土日をつぶし、チラシを刷る。帰りの車でチラシの箱が軽くなっていないことに気づく。人前に出る仕事をしている会社なら、どこでも起きている話です。

今日は、チラシを配っても素通りされる展示会ブースを、45分で“呼び込まなくても足が止まる展示会ブース”にする話です。大きな声も、ノベルティも、デザイナーも要りません。変えるのは、パネルの1行目と、作る順番だけです。

なぜチラシを400枚配っても展示会ブースは素通りされてしまうのか?

出展が決まった日の、あなたの頭の中を思い出してみてください。

木曜の夜8時。事務所で、主催者から届いた案内を読んでいます。

会場は市の体育館。ブースは幅3メートル。来場者は2日間で約1,500人。出展料は5万円です。

あなたは印刷会社に電話します。「いつものロゴで、パネルを1枚お願いします」。会社名を大きく。施工写真を3枚。「地域密着40年」「安心の自社施工」「お見積もり無料」。

当日の朝、スタッフに言います。

「とにかく声をかけて、チラシを1枚でも多く渡してくれ」

通路に人が来るたびに、3人で声をかけます。「どうぞー」「よろしくお願いしまーす」。チラシを差し出します。受け取る人もいます。でも、足は止まりません。

2日目の夕方、あなたはつぶやきます。

「今日は客層が悪かったな」

ブースの奥では、テレビに会社紹介の動画が流れています。創業からの歩み。社長のあいさつ。施工の様子。3分の動画を、最後まで見た人は2日間で1人もいません。

片付けのとき、会場のゴミ箱の横に、自社のチラシが何枚も落ちています。見なかったことにして、車に積み込みます。

チラシを配っても素通りされる展示会ブースは、毎年こうして1つずつ増えていきます。

立派なパネルを作るほど目に入らなくなる1つの要素

通路を歩く人が、ブースの前を通り過ぎる時間を計算してみます。

ブースの幅は3メートル。人がのんびり歩く速さは、1秒で1メートルほどです。前を通り過ぎるまで、約3秒しかありません。

3秒の間、人はパネルを「読み」ません。目に引っかかった言葉だけを拾います。

引っかかるのは、自分に関係がある言葉だけです。騒がしい会場でも、自分の名前だけは聞き取れる。人の目も耳も、同じ仕組みで動いています。

立派なパネルには、会社名・ロゴ・創業年数・「安心」「信頼」「丁寧」が大きく書いてあります。どれも、あなたにとっては大事な言葉です。来場者にとっては、知らない会社の名前にすぎません。

目に入らなくなるのは、「来場者が今、頭の中でつぶやいている言葉」です。立派なパネルほど、会社の言葉でいっぱいになります。来場者の言葉が入る場所が、1行も残りません。

施工写真も同じです。きれいな外壁の写真は、目には入ります。ただ、隣のブースにも向かいのブースにも、よく似た写真が貼ってあります。来場者から見ると、どの会社も同じに見えます。写真を大きくするほど、「どこも同じ」という印象だけが残ります。

B社長が一度も呼び込みをしなかった理由とは?

B社長は、呼び込みが下手だったわけではありません。わざと、声をかけなかったのです。

展示会の通路で「どうぞー」と声をかけられた人は、どう動くか。目をそらします。通路の反対側に寄ります。少し早足になります。

声をかけられた瞬間、来場者の頭に浮かぶのは「つかまったら、帰れなくなる」です。

呼び込みの声は、ブースの前に「近づくと売り込まれる場所」という見えない線を引きます。声が大きいほど、線は太くなります。

B社長は、声の代わりに、パネルに仕事をさせました。パネルが来場者の独り言を言い当てれば、人は自分から近づいてきます。声をかける必要がありません。

B社長が座っていたのにも、理由があります。立って通路を見ているスタッフは、来場者から見ると「待ち構えている人」です。座って手元の資料を見ているスタッフは、「話しかけても大丈夫な人」に見えます。近づくかどうかを決めるのは、いつも来場者のほうです。

呼び込みの声を大きくするたびに素通り度UP

素通りされたまま出展を続けると、何を失うのか。控えめに計算します。

項目1回の出展年2回出展すると
出展料5万円10万円
パネル・チラシの印刷5万円10万円
スタッフ3人×2日の人件費10万円20万円
準備と片付けにかかる社長の時間12時間24時間
相談件数1件2件

年に40万円と、社長の24時間。手に入る相談は2件です。相談1件あたり20万円かかっている計算になります。

チラシ1枚の印刷代を10円としても、400枚で4,000円です。会場のゴミ箱に消えたチラシは、捨てたお金と同じです。

お金より大きいのは、失う機会です。

住宅フェアに来る人の多くは、「今すぐではないけれど、いつかは考えている人」です。検索もしていない。問い合わせもしていない。ホームページだけでは出会えない、いちばん早い段階のお客さんです。

素通りされるたびに、あなたは地域でいちばん早いお客さんを、隣のブースに渡しています。

失うのは、今日のお客さんだけではありません。住宅フェアで足を止めた人は、数年後に工事を頼むとき、「あのとき話を聞いてくれた会社」を思い出します。素通りした人の記憶には、あなたの会社は残りません。出展のたびに、数年後の見積もり依頼を1件ずつ手放している計算です。

人が止まらないと、多くの社長が次に考えることがあります。「何か配れば、人は止まるだろう」。

よくある間違い:ノベルティと抽選会で人を集める

ボールペン。うちわ。ポケットティッシュ。ガラガラの抽選会。「アンケートに答えると粗品プレゼント」。

確かに人は集まります。ブースの前に列ができることもあります。

ただし、並ぶのは「粗品が欲しい人」です。リフォームも、あなたの会社も、関係ありません。アンケートの「リフォームのご予定は?」に「なし」と丸をつけて、うちわを持って帰ります。

残るのは、200人分の名簿です。電話をかけても「抽選に応募しただけです」と言われます。あなたは、興味のない人に頭を下げる営業を、会場の外でもう一度やることになります。

粗品を配るほど、名簿は長くなり、相談は増えません。「人が集まった」という手ごたえがあるぶん、次の年も同じことを繰り返してしまいます。

これ、あなたの接客が悪いわけじゃないです

素通りされる原因は、声の大きさでも、スタッフの愛想でも、会場の客層でもありません。

パネルが「会社の自己紹介」になっているから。来場者の独り言が、どこにも書かれていないからです。

直すのは、人ではなくパネルです。

来場者が悪いわけでもありません。1,500人の来場者のうち、外壁や屋根が気になっている人は、少なく見積もっても数百人います。止まりたい人は、目の前を歩いています。パネルの上に、止まる理由が書かれていないだけです。

スタッフを増やしても、声を大きくしても、止まる理由は増えません。1行目を変えれば、同じ会場・同じ人数・同じ3秒のままで、止まる人が変わります。

「会社名を書かないパネル1枚」のおかげで呼び込まずに14件の相談が来た理由

B社のパネルのいちばん上には、大きな文字で1行だけ書いてありました。

「外壁の塗り替え、まだ早いのか、もう遅いのか。」

会社名は、パネルのいちばん下に小さく入っていただけです。

通路を歩く人は、自分の家の外壁のことを、ずっと頭の片隅で気にしています。「そろそろなのかな」「まだ大丈夫かな」。誰にも聞けずにいる独り言です。

パネルの1行目が、独り言を言い当てました。3秒のうちに目が止まります。足がゆるみます。

2行目には、こう書いてありました。「写真を1枚見せてもらえれば、3分でお答えします」。

3行目は「築年数別・塗り替えの目安表、ご自由にお持ちください」。

足を止めた人は、自分でスマホを取り出し、自宅の写真を探し始めました。B社長は立ち上がり、写真を見ながら3分だけ話します。売り込みの言葉は、1つも使っていません。

B社長が書いた3行には、順番があります。1行目で「自分のことだ」と思わせる。2行目で「近づいても売り込まれない」と安心させる。3行目で「手ぶらで帰らなくていい」と背中を押す。

人は、問いを見ると頭の中で答えを探し始めます。「うちはまだ早いのかな、もう遅いのかな」。答えを探している間、足は自然とゆるみます。問いの形で書かれた1行目は、読んだ人の頭の中で勝手に動き続けます。

2行目の「写真を1枚」「3分で」も、大事な仕掛けです。何をされるのか、どれくらいで終わるのかが、先に分かる。分かっていれば、人は近づけます。「お気軽にご相談ください」では、何分つかまるのか分かりません。だから誰も近づきません。

なぜ会社名より”お客さんの独り言”のほうが足を止めるのか?

私は学生時代、飛び込み営業をしていました。「いらない」と言っている人に、頭を下げ続ける毎日です。売れませんでした。苦痛で仕方ありませんでした。なぜこんな非効率なことをしなければいけないのか。怒りすら覚えました。

二度と、自分から売り込みはしない。欲しい人が、向こうから「お願いします」と来る仕組みを作る。決めたのは、飛び込み営業をやめた日です。

のちに、営業マンを置かずに年商4.8億円、Webからの問い合わせが年間1000件という会社を作りました。やったことは、飛び込み営業の逆です。

ホームページのいちばん上に、会社名ではなく、お客さんが検索窓に打ち込む悩みの言葉を書く。建築・内装工事会社のサイトでは、「内装工事全般」をやめ、「LGS」「軽天」など専門工事の言葉に絞りました。ネットからの反響は年12件から、毎月案件が入る状態に変わりました。

展示会のパネルも、仕組みは同じです。

展示会のブースは、通路に建てた小さなホームページです。ホームページの訪問者が最初の数秒で「自分に関係あるか」を決めて帰るように、通路の来場者も3秒で決めて通り過ぎます。検索窓に打ち込まれる悩みの言葉と、通路で頭に浮かんでいる独り言は、同じものです。ホームページで効いた書き方は、パネルでも効きます。

会社の自己紹介を書くブースは素通りされる。お客さんの独り言を書くブースには、人が自分から寄ってくる。

集客は、説得ではなく選別です。独り言に反応した人だけが止まります。止まった人は、最初から自分の悩みを話したがっています。呼び込みで引き止めた人とは、話の早さがまったく違います。

業者は「うちを見てください」と呼び込みます。先生は「あなたの悩みに、3分で答えます」とパネルに書きます。業者になるな、先生になれ。展示会のブースでも同じです。

普通にやると3日、”独り言”から作ると45分

パネルを作るとき、普通は「何を載せるか」から考えます。会社の強み、実績、写真、キャッチコピー。印刷会社と2回やり取りして、文言を決めるまでに3日かかります。しかも、当日会場に立つまで、通路から読めるかどうか分かりません。

作る順番を逆にします。来場者の独り言から始めます。

独り言を考えるのは、AIの得意な仕事です。社長が一人で考えると、どうしても会社の言葉が先に出てきます。「地域密着」「丁寧な施工」。長く商売をしている人ほど、会社側の言葉が口ぐせになっているからです。

AIに「通路を歩くお客さんになって、頭の中の独り言を20個書いて」と頼めば、会社の言葉を使わずに出してくれます。社長の仕事は、20個の中から「うちのお客さんが本当に言いそうな1行」を選ぶことだけ。選ぶ目は、毎日お客さんと話している社長にしかありません。

  • 【手順1】来てほしいお客さんを1人に決めて、出展の設計シートを埋める(10分)
  • 【手順2】AIに、通路を歩くお客さんの独り言を20個出させて、パネルに使える1行を選ぶ(10分)
  • 【手順3】パネルを「独り言/3分でわかること/持ち帰れるもの」の3段で組ませる(10分)
  • 【手順4・裏技】印刷する前に、A4で壁に貼って3歩下がって撮り、AIに読ませる(5分)
  • 【手順5】モニターで流す”3択クイズ”8枚と、足が止まった人に渡す持ち帰り1枚を作らせる(10分)

合計45分。印刷会社に渡すのは、手順4まで終わった「読めることが確かめ済み」の原稿です。

45分後、あなたのブースは“呼び込まなくても足が止まる展示会ブース”になります

作る順番を変えると、何が変わるのか。並べてみます。

項目今まで45分後から
パネルの原稿作り印刷会社とやり取りして3日平日の夜に45分
パネルの1行目会社名とロゴお客さんの独り言
読めるかどうかの確認当日、会場で初めて分かる印刷前に写真1枚で確かめ済み
呼び込みの声2日で数百回0回
配るものチラシ400枚(多くは会場のゴミ箱へ)欲しい人だけが取る持ち帰り1枚
当日のスタッフ3人1〜2人(座って待てる)
会話の始まり「どうぞー」「いえ、けっこうです」「うちの外壁、見てもらえますか」

いちばん変わるのは、会話の最初のひと言です。あなたの「どうぞー」から始まっていた会話が、お客さんの「うちの場合は?」から始まるようになります。

あなたの口ぐせも変わります。

「今日は客層が悪かったな」

が、

「今日止まった人は、みんな話が早かったな」

になります。

スタッフの顔つきも変わります。2日間、通路に向かって頭を下げ続ける仕事は、誰にとってもつらいものです。「今年も展示会か」とため息をついていたスタッフが、座って待ち、止まった人の悩みに答えるだけになります。断られる回数が、ほぼゼロになるからです。

ブースで始まる相談は、最初から「先生に聞きたい」です。相見積もりで値段だけを比べられることが減ります。値引きの話から始まることも減ります。名簿に片っ端から電話をかける追いかけ営業も、もう要りません。チラシを配っても素通りされる展示会ブースが、呼び込まなくても足が止まる展示会ブースに変わる。変わるのは、スタッフの声ではなく、パネルの1行目です。

次の出展の日を想像してみてください。

あなたは椅子に座って、通路を眺めています。夫婦が歩いてきて、パネルの前で足をゆるめます。奥さんが1行目を指さして、ご主人に言います。「うちも、これ気になってたよね」。

あなたは立ち上がって、ひと言だけ聞きます。「お家の写真、スマホに入ってますか」。

3分後、ご夫婦は持ち帰り1枚をバッグに入れて言います。「一度、見に来てもらえますか」。

作ったパネルと3択クイズは、次のイベントでも使えます。独り言は、季節や会場が変わってもほとんど変わりません。2回目からの準備は、1行目を差し替えるかどうかを決める10分だけです。同じ独り言は、ホームページのトップやチラシの1行目にも使い回せます。

もちろん、何件の相談が来るかは、会場の人数や業種で変わります。本記事が約束できるのは、1つです。「会社の自己紹介で3秒を使い切って素通りされる」失敗を、45分でなくすことです。

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この先で手に入るもの

無料部分で、3つをお伝えしました。

  • なぜ素通りされるのか:3秒の間に、会社の自己紹介しか目に入らないから
  • 何をすれば足が止まるのか:パネルの1行目に、お客さんの独り言を書く
  • どういう順番で作るのか:お客さんを1人決める→独り言を20個出す→3段で組む→印刷前に写真で確かめる→3択クイズと持ち帰り1枚

有料部分には、今夜45分で実行するための道具だけを置きます。読む文章ではありません。貼る・埋める・照らし合わせる道具です。

  • 45分後の完成見本1表(パネル3段・ループスライド8枚・持ち帰り1枚。架空の塗装会社が住宅フェアに出る例)
  • 出展の設計シート1枚(7つの欄を埋めるだけで、パネルに書く中身が決まる穴埋めシート。記入例つき)
  • 貼るだけの指示文5本(①独り言20個 ②パネル3段 ③【裏技】3歩テスト ④3択クイズ8枚 ⑤持ち帰り1枚。◯の差し替え箇所つき)
  • 裏技1つ:普通はパネルを刷ってから、会場で「遠くから読めない」と気づきます。刷り直しはできません。A4で貼って3歩下がってスマホで撮り、AIに「読める文字だけ」書き出させるだけで、5分で印刷前に分かります
  • 独り言の仕分け見本1表(出てきた20個を「1行目に使える/2段目に回す/使わない」に分けた見本)
  • 3歩テストの判定表1つ、足が止まった人への最初のひと言:言っていい・いけない表1つ
  • 確認4か所とやってはいけない4つ

展示会パネルの文言を外注すれば、数万円かかることも珍しくありません。印刷のやり直しが1回減るだけで、980円は十分に元が取れる計算です。当日1件でも相談が生まれれば、なおさらです。

向いている人:住宅フェア、商工会の産業展、ホームセンターの相談会、地域のイベントなどに、年に1回以上出展している方。初めて出展する予定の方。ChatGPTかClaudeなど、AIに文章を貼って指示を出したことが一度でもある方。

向いていない人:展示会やイベントに出る予定が当面まったくない方。会場で契約まで取りたい方(売り込まずに相談を生むための道具です)。何件相談が来るかの保証が欲しい方(会場の人数や業種で変わります。素通りされる原因をなくす道具です)。

45分後、あなたの展示会ブースはこうなります

以下は道具です。上から順に、貼る・埋める・照らし合わせる。45分で終わります。先に、できあがりを見てください。

完成見本:住宅フェアに出る塗装会社のブース(架空の例)

場所中身来場者が目にする時間
パネル1段目(いちばん大きく)外壁の塗り替え、まだ早いのか、もう遅いのか。通路から1秒
パネル2段目スマホの写真を1枚見せてください。3分でお答えします足がゆるんで2秒
パネル3段目築年数別「塗り替えの目安表」ご自由にお持ちください近づいて3秒
パネルいちばん下(小さく)◯◯塗装(◯◯市)外壁・屋根の塗装専門立ち止まった人だけ
モニター(ループ8枚)3択クイズ「築15年の外壁、白い粉がつくのは?」など立ち止まって30秒
机の上持ち帰り1枚「自分で見られる外壁チェック5か所」家に帰ってから
スタッフ1人。椅子に座って待つ。最初のひと言は1つだけ—

※すべて架空の会社の例です。会社名は小さく、1行目はお客さんの独り言です。

あなたの中身で作ります。タイマーを45分にセットして、手順1から始めてください。

【手順1】来てほしいお客さんを1人決めて、設計シートを埋めてください(10分)

入力:主催者の案内(会場・来場者・ブースの大きさ)と、あなたの頭の中

出力:出展の設計シート1枚

手作業なら:何を載せるか決めるまで、印刷会社とのやり取りで1〜2日

出展の設計シート

スマホの音声入力で話しながら埋めても構いません。1欄1〜2行で十分です。

欄書くこと記入例(架空の塗装会社)
① イベントどこの、何の集まりか◯◯市の住宅フェア(市の体育館・2日間)
② 来場者主催者が言っている来場者の層家族連れ、50〜70代の持ち家の方が多い
③ 来てほしい1人通路を歩く人の中で、いちばん話したい人を1人だけ築15〜25年の戸建てに住む60代の夫婦。外壁が色あせてきて気になっている
④ ③の人の迷い③の人が誰にも聞けずにいること塗り替えはまだ早いのか、もう遅いのか。業者に聞くと売り込まれるかも
⑤ 3分で答えられること会場で写真や実物を見て答えられること外壁の写真1枚で、今すぐ/2〜3年以内/まだ先、のどれかを答える
⑥ 持ち帰り1枚家に帰ってから見返すもの自分で見られる外壁チェック5か所
⑦ やらないこと当日やらないと決めること呼び込み、粗品、抽選会、会場での見積もり・契約

埋めたら、手順2に進みます。

確認①:③が「40代以上の方」「家を持っている方」のような広い言葉になっていないこと。年代・家の状態・気にしていることの3つが入っていれば合格です。広いままだと、手順2の独り言が一般論になります。

【手順2】AIに”通路を歩くお客さんの独り言”を20個出させてください(10分)

入力:手順1の設計シート

出力:独り言20個と、パネル1行目の候補3つ

手作業なら:キャッチコピーを考えて1日迷います

あなたは、地域の住宅フェアに出展する会社のサポート役です。

これから貼る「出展の設計シート」の③の人が、会場の通路を歩きながら、頭の中でつぶやいていそうな独り言を20個書いてください。

ルール:

1. ③の人の話し言葉で書く。1つ25字以内(例:「うちの外壁、そろそろなのかな」)

2. 会社名・商品名・専門用語を使わない

3. 「安心」「信頼」「丁寧」「高品質」のような、会社側が言いたい言葉は使わない

4. 各独り言のあとに( )で、次のどれに当たるかを書く

A:誰にも聞けずに迷っている(答えを知りたい)

B:不安や心配(損をしたくない)

C:ただの感想(答えがなくても困らない)

5. シートに書いていない数字・年数・価格を足さない。分からないところは【要確認】と書く

最後に、A の中から「パネルの1行目」に向くものを3つ選んでください。選ぶ基準は、3メートル先から読めて、③の人が「それ、うちのことだ」と思うかどうかです。

【出展の設計シート】

◯◯(ここに貼る)

出てきた20個を、次の見本のように振り分けてください。

独り言の仕分け見本(架空の塗装会社)

出てきた独り言箱使い道
外壁の塗り替え、まだ早いのか、もう遅いのかAパネル1行目(採用)
うちの外壁、手でさわると白い粉がつくんだよなA3択クイズの1問目
塗り替えって、何年ごとなんだろうA持ち帰り1枚の見出し
見積もり頼んだら、断れなくなりそうBパネル2段目の言い回しに使う(「見るだけ」「3分」)
雨もりしてから直すと、高くつくのかなB3択クイズの5問目
近所の家、最近足場が組まれてたなC使わない
塗装屋さんって、みんな同じに見えるC使わない

A はパネルとクイズの材料/B は2段目の”安心させる言葉”の材料/C は使わない。

確認②:1行目の候補が「?」で終わる問いか、「〜のか、〜のか。」の迷いの形になっていること。「〜しましょう」「〜がおすすめ」のような呼びかけになっていたら、会社側の言葉に戻っています。選び直してください。

【手順3】パネルを3段で組ませてください(10分)

入力:手順2で選んだ1行目と、設計シートの⑤⑥

出力:パネル3段の原稿を3案

手作業なら:印刷会社と2往復して2日

これから、展示会のパネル原稿を作ります。パネルは幅◯◯センチ×高さ◯◯センチの1枚です(分からなければ「幅180センチ×高さ90センチ」で考えてください)。

次の3段と、いちばん下の1行で、原稿を3案出してください。

1段目(いちばん大きく):【1行目】をもとに、20字以内の独り言。問いか迷いの形で終える

2段目:足を止めた人が、その場で何をしてもらえるかを1行。「見るだけ」「◯分」など、売り込まれない安心が伝わる言葉を入れる。25字以内

3段目:持って帰れるものを1行。20字以内

いちばん下(小さく):会社名・地域・専門を1行

ルール:

・会社名とロゴは、いちばん下にだけ置く

・「無料」「今だけ」「お得」「地域一番」など、売り込みや根拠のない言葉は使わない

・シートにない実績・年数・資格を足さない

・3案とも、1段目の文字数と、3メートル先から読めるかどうかを( )で書く

【1行目】◯◯

【3分で答えられること】◯◯(シートの⑤)

【持ち帰り1枚】◯◯(シートの⑥)

【会社名・地域・専門】◯◯

迷ったら、1段目がいちばん短い案を選びます。

確認③:パネル全体の文字数が60字以内であること。多いほど、3秒で拾える言葉は減ります。施工写真を入れたいときは、1枚だけ。1段目より小さく置きます。

【手順4・裏技】印刷する前に、A4で貼って3歩下がって撮り、AIに読ませてください(5分)

普通は、パネルを刷ってから会場で「遠くから読めない」と気づきます。刷り直しはできません。印刷代の数万円と、2日間の出展が丸ごと無駄になります。

印刷する前に、原稿をA4の紙に大きく印刷して壁に貼る。3歩(約3メートル)下がって、スマホで1枚撮る。写真をAIに渡して、「読める文字だけ」を書き出させる。通路を歩く来場者の目を、5分で再現できます。人に「読める?」と聞くと、気をつかって「読めるよ」と言われます。AIは、写真に写った文字しか拾いません。

撮り方のコツは2つです。A4の紙を、パネルの縮尺に合わせて並べて貼ること(幅180センチのパネルなら、A4を横に6枚)。撮るときに、ズームを使わないこと。

これから、展示会のパネルを壁に貼って、3メートル離れて撮った写真を渡します。

あなたは、会場の通路を歩いている来場者です。ブースの前を通り過ぎるのは3秒です。

次の3つに答えてください。

1. 写真から、はっきり読める文字だけを、目に入った順に書き出す。読めない文字は書かない。推測で補わない

2. 1秒で目に入った言葉は何か。それを見て、足を止めたくなるか、ならないか。理由を1行で

3. 読めなかった部分があれば、どの段か。文字を大きくする・減らす・削る、のどれで直すべきか

※写真に人の顔や住所が写っていたら、その部分は答えに書かないでください。

【写真】(ここに添付)

出てきた答えを、次の判定表と照らし合わせてください。

3歩テストの判定表

AIの答え判定直し方
1段目がすべて正しく読めている合格印刷に回す
1段目の一部しか読めていない要修正1段目の文字を減らす(20字→15字)。文字を大きくする
会社名が最初に目に入っている要修正会社名を小さくして、いちばん下へ動かす
2段目・3段目が読めない許容近づいた人が読めれば十分。1段目が読めていればOK
写真が最初に目に入り、文字が拾われない要修正写真を小さくするか、外す
「足を止めたくならない」と答えた要修正手順2の独り言から、1行目を選び直す

確認④:判定表で「合格」になるまで、文字を減らして撮り直します。1回5分です。印刷会社に渡すのは、合格した原稿だけです。

【手順5】モニターで流す”3択クイズ”8枚と、持ち帰り1枚を作らせてください(10分)

入力:手順2の独り言(A と B の箱)と、設計シート

出力:ループで流すスライド8枚の原稿と、持ち帰り1枚の原稿

手作業なら:会社紹介の動画を作るのに数日

ブースにモニターがあるなら、会社紹介の動画は流しません。流すのは、足を止めた人が「自分はどれだろう」と考える3択クイズです。モニターがなければ、手順5の後半(持ち帰り1枚)だけ作ってください。

これから貼る独り言と設計シートをもとに、展示会のモニターでくり返し流すスライドを8枚作ってください。1枚8秒で切り替わります。

構成:

・1枚目:パネルの1行目と同じ問い

・2〜7枚目:3択クイズを3問。問題1枚、答え1枚の順。問題は独り言の A と B の箱から作る

・8枚目:「答えの続きは、ブースでお伝えしています」と、持ち帰り1枚の案内

ルール:

・1枚の文字は30字以内。8秒で読める量にする

・答えの根拠は、私が渡した情報の範囲だけで書く。分からない数字や年数は【要確認】と書き、推測で埋めない

・「今すぐ塗り替えないと危険」のような、不安をあおる言い方をしない

・会社名は8枚目にだけ小さく入れる

続けて、持ち帰り1枚(A4・1枚)の原稿を作ってください。

・タイトル:設計シートの⑥

・中身:お客さんが自分で確かめられることを5つ。1つ2行以内

・いちばん下:「5つのうち2つ以上当てはまったら、写真を1枚送ってください」と、問い合わせ先(◯◯)

【独り言】◯◯(手順2の A と B を貼る)

【出展の設計シート】◯◯

AIが出した数字や年数は、あなたが確かめてから使います。【要確認】が残っているところは、自社の経験で答えを書き込むか、問題ごと外してください。

足が止まった人への最初のひと言:言っていい・いけない

最初のひと言で台なしにしないための表です。スタッフに渡してください。

言っていい言ってはいけない理由
「お家の写真、スマホに入ってますか」「お見積もりいかがですか」見積もりの言葉で、また「売り込まれる場所」に戻る
「どの問題が気になりました?」「うちは地域で40年やってまして」相手の悩みより先に、会社の話を始めない
「見るだけで終わっても大丈夫です」「今日ご契約なら割引します」会場での値引きは、相見積もりの入口になる
「目安表、よかったらお持ちください」「アンケートにご記入いただけますか」名簿を取りにいくと、足が止まった人も離れる

やってはいけない4つ

1. 来場者の写真を、許可なくAIに渡さない・保存しない。自宅の写真を見せてもらうときも、画面を見るだけにします。住所や表札が写った写真をAIに貼らない。社外秘の資料も貼りません。

2. 数字や年数をAIに決めさせない。「築◯年で塗り替え」「◯年もちます」などは、自社の経験で確かめてから書きます。根拠のない強い言葉(保証の言い切り・「地域一番」など)も書きません。

3. 他社のブースや他社の工事を悪く言わない。独り言に答えるのが先生の仕事です。他社の悪口は、業者どうしの比べ合いに戻る行為です。

4. 足が止まった人を、会場から帰さない仕組みにしない。「見るだけで終わっていい」と言ったら、本当に帰れるようにします。帰れる安心があるから、人は近づいてきます。

一人で進められないときの次の一歩

詰まるとしたら2か所です。「来てほしい1人」が決めきれないとき。ブースで生まれた相談を、ホームページや次の仕事にどうつなげるか。どちらも会社ごとに正解が変わります。

まずは無料の7大特典で、AIに何をどう渡すかの型を手元に置いてください。展示会のあとの流れ(持ち帰り1枚→ホームページ→相談)まで自社の仕組みにしたい方には、AIスモビジ実践会があります。あなたの会社の資料を実際に触りながら進める場です。本気で仕組みに変えたい方だけ来てください。

道具を今夜全部使えば、明日の朝には4つがそろっています。3歩テストに合格したパネル原稿。8枚の3択クイズ。持ち帰り1枚。スタッフに渡す「最初のひと言」の表。次の出展の日、あなたは椅子に座ったまま、1行目の前で足をゆるめる人を待つだけです。

まとめ:今日やることは、AIに”通路でつぶやかれている独り言”を20個出させることだけです

  • 素通りされるのは、声が小さいからではなく、パネルの3秒を会社の自己紹介に使っているから
  • 呼び込みの声は、ブースの前に「近づくと売り込まれる場所」という線を引く。声が大きいほど、人は離れる
  • 粗品と抽選会で集まるのは、粗品が欲しい人。名簿は増えても、相談は増えない
  • パネルの1行目に、お客さんの独り言を書く。会社名はいちばん下に小さく
  • 作る順番を逆にする。載せたいことより先に、来場者の独り言を出す。印刷の前に、写真で読めるか確かめる

今日やることは1つだけです。次に出るイベント(なければ、いつか出てみたい地域の催し)を思い浮かべて、AIに「通路を歩くお客さんの独り言」を20個出させる。パネルの1行目も、クイズの問題も、持ち帰り1枚の見出しも、20個の中にもう入っています。

大きな声で呼び込むのは、熱心に見えて、お客さんを通路の反対側へ追いやる行為です。声をかける代わりに、独り言を言い当てる。止まった人にだけ、3分で答える。

チラシを配っても素通りされる展示会ブースを、“呼び込まなくても足が止まる展示会ブース”に。 必要なのは、AIと45分だけです。やるかやらないか、それだけの話です。

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