完璧に作っても持ち帰られる提案書を、30分で“お客さんが自分で書き込んで決める提案書”にする方法


キッチンの入れ替えで、2社が同じ家に呼ばれました。

A社の提案書は28ページ。図面も色見本も工程表も、全部そろっていました。

B社の提案書は6ページ。しかも3か所が、空欄のままでした。

選ばれたのはB社です。金額はA社より7万円高い見積もりでした。

お客さんの手元に残ったB社の提案書を見ると、3か所の空欄に、奥さんの字が書き込まれていました。

完璧に作っても持ち帰られる提案書と、お客さんが自分で書き込んで決める提案書。差をつけたのは、ページ数でも値段でもありませんでした。

リフォーム。外壁塗装。ホームページ制作。保険の見直し。顧問の仕事。提案書を持って、お客さんの前に座る商売なら、毎月どこかで起きている話です。

今日は、完璧に作っても持ち帰られる提案書を、30分で“お客さんが自分で書き込んで決める提案書”にする話です。使うのは、打ち合わせのメモとAIと30分だけです。

なぜ完璧に作った提案書ほど「検討します」で持ち帰られてしまうのか?

土曜の午後2時。お客さんの家のダイニングテーブルです。

あなたは28ページの提案書を広げ、40分かけて説明します。前の晩に4時間かけて作った提案書です。

奥さんは何度もうなずきます。質問にも全部答えられました。手ごたえは十分です。

最後に、奥さんが言います。

「よく分かりました。主人とも相談して、検討しますね」

帰りの車の中で、あなたは考えます。説明は完璧だった。資料も足りないものはない。何が悪かったのか。

1週間たっても、連絡は来ません。電話をすると「もう少し考えています」。2週間後、「今回は見送ります」のメールが届きます。

提案書を作るとき、多くの社長が同じことを口にします。

「全部入れておけば、文句は出ないだろう」

「何を聞かれても答えられるように、全部載せておこう」

どちらも、まじめな社長ほど言う言葉です。お客さんのために、手を抜かずに作る。間違ってはいません。

まじめに作るほど、提案書は厚くなります。厚くなるほど、持ち帰られます。完璧に作っても持ち帰られる提案書は、毎月のように生まれています。

資料を完璧にするほど消えてしまう1つの要素

28ページの提案書を、お客さんの目線で見直してみます。

キッチンの形は決まっています。色も決まっています。工事の日程も決まっています。3つの案の比較も、こちらで整理してあります。

お客さんがすることは、1つしか残っていません。「はい」か「いいえ」を言うことです。

人は、他人が全部決めた案に、すぐ「はい」とは言えません。自分で選んだ実感がないからです。だから「検討します」と言って、いったん自分の手に取り戻そうとします。

たとえば、服を買うときを思い出してください。店員さんが全身のコーディネートを決めて「全部で3万円です」と言います。似合っていても、すぐには買いにくいはずです。

店員さんが2着を並べて「どちらがお好みですか」と聞きます。自分で1着を選んだ服は、レジまで持っていきやすい。

提案書も同じです。資料を完璧にするほど消えてしまうもの。お客さんが口をはさむ場所です。

B社長が提案書の3か所をわざと埋めなかった理由とは?

B社長は、空欄を埋め忘れたわけではありません。

打ち合わせの前の晩、B社長は6ページの提案書を作りました。作業は30分です。3か所だけ、わざと空けました。

理由を聞くと、B社長は短く答えます。

「全部こっちで決めて持っていくと、お客さんの出番がなくなるんです」

B社長は、お客さんに「決めてもらう場所」を残しました。空欄の横には、選ぶための材料も置いてありました。

B社長も、以前は28ページの提案書を作っていました。図面も色見本も、全部入れていました。結果は、A社と同じです。「検討します」で持ち帰られ、半分は連絡が途絶えました。

作り方を変えたのは、ある打ち合わせがきっかけでした。お客さんが提案書の余白に、自分でメモを書き始めたのです。メモを書いたお客さんだけが、翌週に「お願いします」と電話をくれました。

空欄に何を書いてもらったのか。なぜ書いた人は持ち帰らなくなるのか。答えは、もう少し先でお伝えします。

提案書を作り込むたびに持ち帰られ度UP

完璧に作っても持ち帰られる提案書を、作り続けるとどうなるか。控えめに数字にします。

月に4件、提案書を持って打ち合わせに行くとします。1件の提案書づくりに4時間。年間で192時間です。丸24日、提案書を作っている計算になります。

4件のうち3件は「検討します」で持ち帰られます。持ち帰られた案件の半分は、相見積もりに回ります。決まっても、平均5万円の値引きを求められるとします。

年18件 × 5万円で、年90万円。持ち帰られた案件のうち、他社に流れた分は数えていません。

追いかける時間も消えます。持ち帰られた案件には、「その後いかがですか」と電話をかけます。1件につき2回、合わせて30分。年36件で18時間です。電話をかけるたびに、こちらが「お願いする側」になっていきます。

失うのは、お金と時間だけではありません。

持ち帰られた提案書は、あなたのいない場所で読まれます。ご主人は、28ページをめくりながら「どれも同じに見える」と言います。比べやすいのは、最後のページの金額だけです。

提案書を作り込むほど、比べられるのは値段になっていきます。

なぜ持ち帰られた提案書からは紹介が生まれないのか?

もう1つ、見えにくい損があります。紹介です。

工事が終わったあと、お客さんは知り合いに話します。「どこに頼んだの?」「なんでそこにしたの?」と聞かれます。

28ページを説明されて決めたお客さんは、うまく答えられません。「いろいろ比べて、まあ、ここかなと」。紹介の言葉としては弱いです。

自分で選んだお客さんは違います。「娘とお菓子を作りたいって話したら、ちゃんと形にしてくれたの」。自分の言葉で、選んだ理由を話せます。

紹介は、お客さんが自分の言葉で話せたときに生まれます。お客さんの出番がない提案書は、紹介の言葉まで奪っています。年に1件の紹介が消えるだけで、広告費に直せば数万円から数十万円の損です。

よくある間違い:打ち合わせの席で決めてもらおうと「今日だけの値引き」を出す

持ち帰られるのが怖くて、帰り際に切り札を出す社長がいます。

「今日決めていただけるなら、5万円お引きします」

一番やってはいけない手です。

お客さんは、急に警戒します。「最初の金額は何だったのか」と思います。今日決めなかったら損をする、と急かされると、人は余計に決められなくなります。

決まったとしても、5万円は利益から消えます。次の紹介のお客さんも、同じ値引きを期待して来ます。

押しても、お客さんは自分で選んだ実感を持てません。業者が売り込む形に戻るだけです。

これ、あなたの提案書が下手なわけじゃないです

持ち帰られるのは、説明が下手だからではありません。資料が足りないからでもありません。

提案書が「完成品」として届いていることが原因です。完成品には、お客さんが手を入れる場所がありません。

直すべきは、中身の量ではなく、お客さんの出番があるかどうかです。

「お客さんが自分で書き込む3つの空欄」のおかげで7万円高くても契約を取れた理由

B社の提案書の空欄は、3つでした。

  • 空欄①:工事が終わった日、最初にしたいこと
  • 空欄②:3つの案のうち、いちばん近いものに○(理由をひと言)
  • 空欄③:これだけは譲れないこと

B社長は打ち合わせの席で、提案書とペンを奥さんに渡しました。

「ここの3つだけ、奥さまの言葉で書いていただけますか」

奥さんは少し考えて、書き始めました。①は「娘と並んでお菓子を作りたい」。②は真ん中の案に○。③は「掃除がラクなこと」。

書き終わったとき、提案書は「B社の案」ではなく「わが家の案」になっていました。

B社長は、書き込まれた紙をスマホで撮りました。夕方には、奥さんの言葉が見出しに入った清書版がLINEで届きました。夜、奥さんはご主人に清書版を見せました。「娘とお菓子を作りたいから、真ん中の案にしたい」と、自分の言葉で説明できました。

翌週、B社に連絡が来ました。7万円高い見積もりのまま、契約が決まりました。

答えは、お客さんが自分で書き込む3つの空欄です。業者は完成品を渡す。先生は、お客さんが自分で選べる場所を渡す。

なぜ人は自分で書き込んだ提案書を手放せないのか?

アメリカの大学の研究者が行った、よく知られた実験があります。

自分で組み立てた収納箱と、最初から組み立ててある同じ箱。人は、自分で組み立てた箱のほうに高い値段をつけました。家具店の名前から「イケア効果」と呼ばれています。

提案書でも同じことが起きます。

他人が全部決めた案は、「比べる対象」です。自分で書き込んだ案は、「自分のもの」です。人は、自分のものを他社の案と並べて、値段だけで比べようとは思いません。

もう1つ、大きな理由があります。

持ち帰った提案書は、ご主人やご家族に説明されます。28ページの説明は、伝言のたびに抜け落ちて「高いか安いか」だけが残ります。

自分で書いた言葉は、抜け落ちません。「娘とお菓子を作りたい」は、奥さんが自分で考えた言葉だからです。空欄の言葉が、家族への説明をしてくれます。

なぜ「選ぶ案」は1つではなく3つ並べるのか?

空欄②は、3つの案から1つに○をつける問いです。

案が1つだけだと、お客さんにできるのは「やるか、やらないか」の判断だけです。「やらない」を選ぶ人は、「検討します」と言います。

3つ並んでいると、問いが変わります。「やるか、やらないか」ではなく、「どれにするか」になります。神谷が松竹梅の見積もりをすすめているのも、同じ理由です。

ただし、こちらが「真ん中がおすすめです」と言った瞬間に、選んだのはお客さんではなく社長になります。3つの案には「向いているご家庭」を1行ずつ書くだけにします。お客さんが自分の家と見比べて、自分で○をつけます。

なぜ空欄は3つまでなのか?

空欄は多ければいい、というものではありません。

5つ、6つと空欄が並ぶと、提案書がアンケートに見えます。お客さんは「宿題を出された」と感じ、ペンが止まります。

1つだけだと、選んだ実感が小さくなります。

3つなら、5分で書き終わります。「目的」「選ぶ案」「譲れないこと」の3つがそろうと、提案書の中心がお客さんの言葉で決まります。

空けていい場所と、空けてはいけない場所もあります。金額や工事の安全に関わる部分は、こちらで決めて書きます。お客さんに任せるのは、お客さんにしか答えられない部分だけです。

なぜパソコン教室では、講師が操作して見せるほど生徒さんが忘れてしまうのか?

神谷は、20歳からパソコンスクールの講師として、初心者の方にパソコンを教えてきました。

教室で何度も見てきた光景があります。講師が代わりにマウスを動かして見せた操作は、次の週にはほとんど忘れられています。生徒さんが自分の手でマウスを握り、1回だけやった操作は覚えています。

人は、自分の手を動かしたことを「自分のもの」として覚えます。提案書も同じです。

神谷は、営業マンを置かずに年商4.8億円、年間1000件規模の案件をWebから集めてきました。営業マンがいなくても決まる理由は、売り込みのうまさではありません。お客さんが自分で選べる材料と場所を、先に渡してきたからです。

業者になるな、先生になれ。先生は答えを全部言いません。生徒さんが自分で答えを書く場所を残します。

普通に作ると4時間、空欄から作ると30分

書き込み式の提案書は、作る順番が違います。

普通は、1ページ目から順番に、全部を埋めていきます。図面、色、工程、3つの案の比較。1件4時間かかります。

書き込み式は、空欄から先に決めます。流れは5つです。

  • 【手順1】打ち合わせのメモから、お客さんに決めてもらう3つを選ぶ(5分)
  • 【手順2】裏技:3か所を「わざと空欄」にした書き込みページを、AIに作らせる(10分)
  • 【手順3】空欄の横に置く「選ぶ材料」を、AIに作らせる(7分)
  • 【手順4】渡すときのひと言を決めて、印刷する(3分)
  • 【手順5】裏技:書き込まれた紙をスマホで撮り、AIに読ませて、当日中に清書版を送る(5分)

合計30分です。空欄が決まれば、残りのページはAIが空欄に合わせて組み立てます。社長が4時間かけて埋めていた部分の多くは、お客さんが5分で書き込みます。

30分後、あなたの提案書は“お客さんが自分で書き込んで決める提案書”になります

作る順番を変えると、何が変わるのか。並べてみます。

項目今まで30分後から
提案書のページ数28ページ6ページ(空欄3つ)
1件の提案書づくり4時間30分
打ち合わせ中のお客さんうなずいて聞くだけペンを持って書き込む
帰り際のひと言「検討します」「この案で進めたいです」
家族への説明28ページの伝言で金額だけ残るお客さん自身の言葉で説明される
当日の夕方連絡を待つだけ清書版をLINEで届ける

いちばん変わるのは、あなたの口ぐせです。

「全部入れておけば、文句は出ないだろう」

が、

「ここの3つだけ、奥さまの言葉で書いていただけますか」

になります。

お客さんの言葉も変わります。「主人とも相談して、検討します」が、「主人にも、私から説明しておきます」になります。「自分で決めた感じがします」と言われるようになります。

値段の話も変わります。お客さんの言葉で中心が決まった提案書は、他社の28ページと並べても、比べる対象になりにくい。相見積もりを取られても、値引きなしで選ばれる理由が、お客さん自身の字で残っています。帰ったあとに何度も電話で追いかける営業も、要らなくなります。

浮いた時間も戻ってきます。年192時間かけていた提案書づくりは、年24時間になります。168時間、丸21日分が戻ってきます。

追いかけの電話も減ります。お客さんの手元には、自分の言葉が入った清書版が届いています。こちらから「いかがですか」と聞く前に、お客さんのほうから「この案で進めたい」と連絡が来る形に変わります。

工事が終わったあとも変わります。お客さんの手元には、自分の字が入った提案書が残ります。知り合いに「なんでそこにしたの?」と聞かれたとき、お客さんは空欄に書いた言葉で答えます。紹介の言葉を、お客さん自身が持っている状態です。

スタッフに任せやすくなるのも、大きな変化です。空欄を3つ決める。AIに貼る。材料を照らし合わせる。順番が決まっているので、社長が夜中に28ページを作らなくても回ります。

次の打ち合わせの前の晩を、想像してみてください。

あなたは、前回のメモをAIに貼ります。お客さんに決めてもらう3つを選び、空欄つきの6ページを作ります。30分後、印刷した提案書とペンが、カバンに入っています。

翌日の打ち合わせでは、奥さんがペンを持っています。帰りの車の中で、あなたは書き込まれた紙の写真をAIに読ませています。夕方、奥さんの言葉が見出しに入った清書版が、お客さんのスマホに届きます。

もちろん、契約が決まるかどうかは、お客さんの事情や予算で変わります。本記事が約束できるのは1つです。「完璧に作ったのに、お客さんの出番がないまま持ち帰られる」失敗を、30分でなくすことです。

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この先で手に入るもの

無料部分で、3つをお伝えしました。

  • なぜ持ち帰られるのか:完璧な提案書には、お客さんが口をはさむ場所がない。人は他人が全部決めた案に、すぐ「はい」と言えない
  • 何を変えれば決まるのか:お客さんにしか答えられない3か所を、わざと空欄にする。自分で書き込んだ案は「わが家の案」になり、家族にも自分の言葉で説明される
  • どういう順番で作るのか:決めてもらう3つを選ぶ→空欄つきページを作らせる→選ぶ材料を作らせる→渡すひと言を決める→書き込まれた紙を清書して送る

有料部分には、次の打ち合わせの前の晩、30分で実行するための道具だけを置きます。読む文章ではありません。埋める・貼る・照らし合わせる道具です。

  • 30分後の完成見本1表(架空のリフォーム会社の、書き込み式6ページのできあがり)
  • 空欄設計シート1枚(6つの欄を埋めるだけで、空ける3か所が決まる穴埋めシート。記入例つき)
  • 貼るだけの指示文4本(①決めてもらう3つを選ばせる ②【裏技】空欄つきの書き込みページを作らせる ③空欄の横に置く「選ぶ材料」を作らせる ④【裏技】書き込まれた紙を読ませて清書版とLINE文を作らせる。◯の差し替え箇所つき)
  • 業種別「3つの空欄」早見表1つ(リフォーム・外壁塗装・ホームページ制作・税理士や顧問・印刷やチラシ・造園の6業種)
  • 裏技2つ:①普通は「提案書を作って」と頼み、全部埋まった完成品をあとから削ります。最初に「空ける場所」を指定して作らせると、4時間の作業が10分で終わります ②普通は書き込まれた紙を持ち帰り、清書に2時間かけて翌週に送ります。スマホで撮ってAIに読ませると、帰りの車の中の5分で、当日中に清書版が届きます
  • 空欄にしていい・いけない判定表1つ/清書版の並べ方表1つ/渡すときのひと言:言っていい・いけない表1つ
  • 確認4か所とやってはいけない4つ

1件の提案書づくりが4時間から30分になれば、月4件で14時間が浮きます。持ち帰りからの値引きを1件止められれば、5万円が残ります。980円の元は、最初の1件で取りやすい道具です。

向いている人:お客さんの家や会社で、提案書を広げて打ち合わせをしている方。「検討します」で持ち帰られ、連絡が途絶えた経験がある方。提案書を作るのに、1件2時間以上かけている方。

向いていない人:店頭や通販で、定価の商品だけを売っている方(提案書を出す場面がない方)。お客さんに書いてもらうより、口頭だけで決めてほしい方。AIをまだ一度も開いたことがない方(まずは無料の7大特典の「AI超入門」からどうぞ)。

30分後、あなたの提案書はこうなります

以下は道具です。上から順に、埋める・貼る・照らし合わせる。30分で終わります。先に、できあがりを見てください。

完成見本:リフォーム会社の書き込み式提案書・6ページ(架空の例)

ページ書いてあること
1ページ目(表紙)◯◯様邸 キッチンのご提案(書き込み式)/「3か所だけ、ご家族の言葉で書いてください」
2ページ目(空欄①)「工事が終わった日、最初にしたいことは何ですか?」+書き込み欄(2行)+ヒント3つ(例:家族で料理/友人を呼ぶ/片づけの時間を減らす)
3ページ目(空欄②)3つの案(松・竹・梅)を横に並べた表。各案に「向いているご家庭」1行と金額。「いちばん近い案に○を。理由をひと言」
4ページ目(空欄③)「これだけは譲れないこと」+書き込み欄(1行)+よくある答え4つ(掃除のラクさ/収納の量/色/工事の日数)
5ページ目工事の流れと日数(こちらで決めた内容)。空欄なし
6ページ目次の一歩:「書き込んでいただいた内容で、清書版を本日中にお送りします」
当日の清書版(見出し)「娘と並んでお菓子を作れるキッチン」へのご提案(奥さまの言葉を一字も変えずに見出しに)

※すべて架空の会社とお客さんの例です。金額・日数・案の中身は、あなたの見積もりと実績に置き換えます。

タイマーを30分にセットして、手順1から始めてください。

【手順1】打ち合わせのメモをAIに貼り、決めてもらう3つを選ばせてください(5分)

入力:初回の打ち合わせのメモ(手書きなら写真、音声なら文字にしたもの)

出力:お客さんに決めてもらう候補7つと、空ける3つ

手作業なら:メモを読み返して考え込み、30分

指示文①:決めてもらう3つを選ばせる

あなたは提案書づくりの補助係です。

以下は、◯◯(業種)のお客さんとの初回の打ち合わせメモです。

お客さん自身にしか答えられないこと(好み・目的・暮らし方・優先順位)を、7つ書き出してください。

金額・工事の安全・法律や規則に関わることは、候補に入れないでください。

7つの中から、次の3つの役割に当てはまるものを1つずつ選んでください。

・目的(工事や仕事が終わったあと、お客さんがしたいこと)

・選ぶ案(3つの案から1つを選ぶ問い)

・譲れないこと(お客さんが一番気にしていること)

それぞれ、お客さんに聞く問いの形(30字以内・やさしい言葉)に直してください。

メモに書いていないことは、推測で足さないでください。

[ここに打ち合わせメモを貼る]

お客さんの名前・住所・電話番号は、貼る前に「◯◯」に置き換えます。

空欄設計シート(穴埋め)

AIの答えを見ながら、6つの欄を埋めます。埋まった時点で、空ける3か所が決まります。

欄書くこと記入例(架空)
①お客さんの呼び方名字+様(名前は書かない)◯◯様(奥さま)
②空欄①の問い目的を聞く問い工事が終わった日、最初にしたいことは何ですか?
③空欄②の問い3つの案から選ぶ問いいちばん近い案に○を。理由をひと言
④空欄③の問い譲れないことを聞く問いこれだけは譲れない、ということを1つ
⑤こちらで決めて書くこと金額・工事の流れ・安全に関わる部分3案の金額、工事の日数、電気とガスの工事
⑥清書版を送る時間と方法お客さんが受け取りやすい方法当日の18時までにLINEで

空欄にしていい・いけない判定表

候補の中身空欄にする理由
好み・目的・暮らし方していいお客さんにしか答えられない
3つの案からの選択していい選んだ実感が一番大きい
優先順位(譲れないこと)していい提案の中心が決まる
金額・値引きの希望いけない値段の交渉の場に変わる
工事の方法・安全・法律いけない専門家が決める部分。任せると不安を生む
日程の細かい調整いけない書き込みが「事務作業」に見える

【手順2】裏技:3か所を「わざと空欄」にした書き込みページを、AIに作らせてください(10分)

入力:空欄設計シートと、手順1のメモ

出力:空欄3つ入りの6ページの原稿

手作業なら:28ページを作ってから削る作業に、4時間

普通は「提案書を作って」と頼みます。AIは、全部の欄を埋めた完成品を出してきます。空欄を作るには、出てきた完成品をあとから自分で削ることになります。

裏技は、最初に「空ける場所」を指定して作らせることです。空欄の位置と問いを先に渡すと、AIは空欄を中心に、残りのページを組み立てます。

指示文②【裏技】空欄つきの書き込みページを作らせる

以下の空欄設計シートをもとに、お客さんに手書きで書き込んでもらう提案書の原稿を作ってください。

条件

・全部で6ページ。1ページ目は表紙、2〜4ページ目に空欄を1つずつ、5ページ目はこちらで決めた内容、6ページ目は次の一歩

・空欄のページには「問い」「書き込み欄(線を2行分)」「書き方のヒント3つ」を入れる

・ヒントは答えを誘導しすぎないよう、ちがう方向の例を3つにする

・空欄の中身は、AIが埋めないこと。書き込み欄は空けたままにする

・1ページの文字は120字以内。専門用語には、ふつうの言葉を添える

・金額と日数は、私が渡した数字だけを書く。書いていない数字は「◯◯」のままにする

・表紙に「3か所だけ、ご家族の言葉で書いてください」の一文を入れる

[ここに空欄設計シートを貼る]

[ここに金額・日数など、こちらで決めた内容を貼る]

出てきた原稿は、PowerPointかGoogleスライドに貼り、A4横で印刷します。書き込み欄は、手で書ける広さ(1行あたり1.5cm以上)を残します。

【手順3】空欄の横に置く「選ぶ材料」を、AIに作らせてください(7分)

入力:手順2の原稿と、3つの案の中身

出力:空欄②の3案比較表と、各空欄のヒント

手作業なら:比較表を1から作って1時間

空欄だけを渡すと、お客さんは何を書けばいいか迷います。空欄の横に、選ぶための材料を置きます。

指示文③:「選ぶ材料」を作らせる

手順2の原稿の、空欄②のページに置く比較表を作ってください。

・案は3つ(◯◯案・◯◯案・◯◯案)。中身は以下のとおりです

・表の列は「案の名前」「向いているご家庭(1行)」「できること(2つ)」「金額」

・「向いているご家庭」は、お客さんが自分の家と見比べられる書き方にする(例:平日は料理の時間が短いご家庭)

・3つのうち、どれかを強くすすめる言葉は入れない

・金額は私が渡した数字だけを書く

最後に、空欄①と空欄③のヒントを、それぞれ3つずつ見直してください。答えを1つに誘導していないかを確認し、誘導していれば書き直してください。

[ここに3つの案の中身と金額を貼る]

業種別「3つの空欄」早見表

業種空欄①目的空欄②選ぶ案空欄③譲れないこと
リフォーム工事が終わった日、最初にしたいこと3つの案に○掃除・収納・色のうち一番大事なもの
外壁塗装塗り替えたあと、何年住み続けたいか塗料の3つのグレードに○色・汚れにくさ・工事中の暮らしのうち一番大事なもの
ホームページ制作公開から半年後、どんな問い合わせが来てほしいか3つのプランに○更新の手間・見た目・費用のうち一番大事なもの
税理士・顧問1年後、社長の時間を何に使いたいか3つの関わり方に○相談のしやすさ・速さ・費用のうち一番大事なもの
印刷・チラシチラシを見た人に、最初にしてほしい行動3つの部数と紙に○納期・見た目・費用のうち一番大事なもの
造園庭ができたら、誰とどう過ごしたいか3つの案に○手入れの手間・見た目・費用のうち一番大事なもの

【手順4】渡すときのひと言を決めて、印刷してください(3分)

入力:印刷した書き込み式の提案書

出力:打ち合わせで言うひと言と、ペン

手作業なら:渡し方を考えずに出して、空欄を「書き忘れ」と思われる

書き込み式の提案書は、渡し方で決まります。黙って渡すと、空欄は「未完成」に見えます。最初のひと言で、「書き込む場所」だと伝えます。

渡すときのひと言:言っていい・いけない表

場面言っていい言ってはいけない
提案書を出すとき「3か所だけ、奥さまの言葉で書いていただけますか」「まだ途中なんですが」
ペンが止まったとき「ヒントの中から近いものでも大丈夫です」「普通は皆さん、こう書かれます」
空欄②で迷ったとき「今日は、いちばん近いものに○だけで十分です」「真ん中が一番お得ですよ」
書き終わったとき「書いていただいた言葉で、今日中に清書版をお送りします」「では、今日ご契約いただけますか」

ペンは、こちらで用意します。書きやすい黒のサインペンを1本、提案書の上に置いて渡します。

【手順5】裏技:書き込まれた紙をスマホで撮り、AIに読ませて、当日中に清書版を送ってください(5分)

入力:書き込まれた3ページの写真

出力:お客さんの言葉が見出しに入った清書版と、送るときのLINE文

手作業なら:紙を持ち帰って打ち直し、清書に2時間。届くのは翌週

普通は、書き込まれた紙を会社に持ち帰ります。手書きを打ち直し、清書版を作り直すのに2時間。届くころには、お客さんの気持ちが冷めています。

裏技は、帰りの車の中で、書き込まれた紙の写真をAIに読ませることです。手書きの文字を読み取らせ、お客さんの言葉を一字も変えずに見出しへ入れさせます。当日の夕方には清書版が届きます。

撮影の前に、紙に書かれた名前・住所・電話番号を指か付箋で隠します。

指示文④【裏技】書き込まれた紙を読ませて、清書版とLINE文を作らせる

添付の写真は、お客さんが手書きで書き込んだ提案書の3ページです。

1. まず、手書きの部分だけを読み取り、空欄①②③ごとに書き出してください。読めない文字は推測せず「[読めない]」と書いてください。

2. 次に、手順2の原稿をもとに清書版を作ってください。

・表紙の見出しは、空欄①のお客さんの言葉を一字も変えずに使う(例:「◯◯」へのご提案)

・空欄②で○がついた案を、2ページ目に大きく置く。理由のひと言も、お客さんの言葉のまま入れる

・空欄③の言葉を「◯◯様が大切にしたいこと」として、各ページの一番上に1行で入れる

・金額と日数は、原稿の数字から変えない

3. 最後に、清書版と一緒に送るLINE文を150字以内で作ってください。売り込みの言葉と、返事を急がせる言葉は入れないでください。ご家族にも見せやすい言い方にしてください。

[ここに手書きページの写真を添付]

[ここに手順2の原稿を貼る]

読み取った文字は、写真と1字ずつ照らし合わせます。お客さんの言葉を1字でも変えると、「自分の言葉」ではなくなります。

清書版の並べ方表

位置置くもの置き方
表紙の見出し空欄①の言葉お客さんの言葉を一字も変えずに
各ページの一番上空欄③の言葉「◯◯様が大切にしたいこと」として1行
2ページ目空欄②で○がついた案大きく1つ。ほかの2案は小さく下に
最後のページ次の一歩「ご家族でご覧になってから、ご連絡ください」
送るときLINE文清書版のPDFの上に、150字以内で

出す前に確かめる4か所

  • 確認①:空欄が3つだけになっているか。金額・工事の方法・安全に関わる部分に空欄がないか(判定表の「いけない」に当たる空欄を残さない)
  • 確認②:空欄のヒントが、答えを1つに誘導していないか。3つのヒントがちがう方向を向いているか
  • 確認③:清書版の金額と日数が、見積書と一致しているか。お客さんの言葉が一字も変わっていないか(AIが整えた言いかえを残さない)
  • 確認④:AIに貼った文や写真に、お客さんの名前・住所・電話番号が残っていないか

やってはいけない4つ

1. 数字をAIに決めさせない。金額・日数・工事の内容は、見積書と自社の実績に書いてあるものだけを使います。指示文にも「書いていない数字は◯◯のまま」の1行を入れます

2. お客さんの個人情報をAIに貼らない。名前・住所・電話番号・家の図面は、貼る前に外すか「◯◯」に置き換えます。手書きの写真は、名前の部分を隠してから撮ります

3. 空欄で誘導しない。ヒントを1つの答えに寄せたり、「普通はこう書きます」と言ったりすると、お客さんの言葉ではなくなります。誘導された案は、家に帰ってから「やっぱり検討します」に戻ります

4. 書き込みを契約の代わりにしない。書き込みはお客さんが考えるための場所です。書き終わった瞬間に「では今日ご契約を」と迫ると、空欄が売り込みの道具に見えてしまいます。根拠のない強い言葉も使いません

一人で進められないときの次の一歩

詰まるとしたら2か所です。打ち合わせのメモを、AIに読める形にするところ。書き込み式の提案書を、毎月の案件で回し続ける仕組みにするところ。どちらも会社ごとに正解が変わります。

まずは無料の7大特典で、AIに何をどう渡すかの型を手元に置いてください。特典の「話すだけ音声入力」は手順1のメモづくりで、「録音→AI議事録」は打ち合わせの記録で、「コピペで使えるAIプロンプト15選」は指示文の差し替えで役に立ちます。書き込み式の提案書をスタッフに任せて、社長は最後の確認だけで回る形にしたい方には、AIスモビジ実践会があります。あなたの会社の提案書を実際に触りながら進める場です。本気で仕組みに変えたい方だけ来てください。

道具を次の打ち合わせの前の晩に全部使えば、翌日には4つがそろっています。埋まった空欄設計シート。空欄3つ入りの6ページ。カバンの中のペン。帰りの車の中で清書版を作る指示文。打ち合わせが終わったとき、あなたは「検討します」を待ちません。お客さんが書いた言葉で、清書版を届けるだけです。

まとめ:今日やることは、次の提案書に空欄を1つ作ることです

  • 持ち帰られるのは、説明が下手だからではなく、完璧な提案書にはお客さんが口をはさむ場所がないから
  • 人は他人が全部決めた案に、すぐ「はい」と言えない。だから「検討します」で手に取り戻そうとする
  • 持ち帰りからの値引きで年90万円、作り込みで年192時間が消えている
  • お客さんにしか答えられない3か所を、わざと空欄にする。業者は完成品を渡す、先生は自分で選べる場所を渡す
  • 金額と安全はこちらで決め、空欄で誘導しない

今日やることは1つだけです。次に出す提案書から、お客さんにしか答えられない問いを1つ選び、空欄にする。1つ空けたら、次の打ち合わせでペンを渡すだけです。

提案書を作り込むほど持ち帰られるなら、作り込むのをやめる。28ページの完成品より、3つの空欄を渡す。

完璧に作っても持ち帰られる提案書を、“お客さんが自分で書き込んで決める提案書”に。 必要なのは、打ち合わせのメモとAIと30分だけです。やるかやらないか、それだけの話です。

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